ノルウェーメディアから見る第55回ユーロビジョン・ソング・コンテスト、ファイナル結果！

優勝国はドイツ！

「ドイツが優勝するかもしれない」ということは言われていましたが、投票結果の公開開始後、既に発表残り半分を過ぎた時点でドイツはトップを独走していました(ドイツ代表のLena Meyer-Landrutさんの曲は”サテライト”。Youtubeでの試聴はこちら）

常に北欧を応援していたノルウェー

今回の大会をノルウェーのメディアの視線を通してみていて面白いと思ったことは、ノルウェーは北欧に注目し、多少のライバル意識はありつつも、常にご近所の国を応援していたことです。得にスウェーデンには大注目で、優勝候補国としてノルウェー代表よりもスウェーデン代表のほうがスポットライトを浴びていました。

スウェーデンがセミ・ファイナルで敗退し、がっかり＆びっくりしていたノルウェーは、ファイナルでは決勝に進んだ母国ノルウェー・デンマーク・アイスランドに注目。投票発表の際にはノルウェーはドイツに12点、ベルギーに10点、デンマークに8点投票していました。ノルウェーのテレビ中継中はノルウェーアナウンサーによる司会でしたが、奮闘していたデンマークとアイスランドに得点が贈られる度に「お、デンマークに得点が！好調です！」「アイスランドに●点！」と、密かに声が興奮気味になるのが特徴でした。

各国の国際事情が反映される投票結果

欧州の紅白歌合戦とも言われているユーロ・ビジョン・ソングコンテストは、各アーティストの歌の実力だけではなく、ヨーロッパ各国の国際事情（政治事情や宗教事情）が反映されての結果が、投票結果に表れると一般的に言われています。ノルウェーは北欧（得にスウェーデン）に対して、多少のライバル意識はあれど、一緒にファイナルまで頑張りたいという気持ちがあるようです。たとえ自国がいい成績を収められなくても、隣国を代わりに応援したいのだなという印象を受けました。

スペイン代表生放送中に乱入者。スペインメディアがノルウェー大会責任者を批判

今回ノルウェー代表が25位中20位という残念な結果よりも、注目を集めたニュースはスペイン代表がファイナル生放送中に乱入者が舞台にあがり、20秒もテレビに映っていたことでした（当日のテレビ中継はこちら。新聞ＶＧのネットテレビで最初は広告が入っています。黒いＴシャツの男性が乱入者）

”Jimmy Jump”というニックネームを持つこのバルセロナからの男性は、ヨーロッパ中のサッカー観戦中などに、突然舞台に乱入してくる要注意人物として知られています。会場のセキュリティ関係者たちは彼がスペインチームのメンバーだと勘違いしたため、進入を許してしまったようです。スペイン代表は最後の25組目の歌が終了した後に、再度26組目としてまた歌いました。スペインメディアはこれを受けて、ノルウェーのコンテスト責任者たちのあまりにも軽いセキュリティ制度を非難しているようで、「非難されるのは当然。この不始末はあり得ない」というのがノルウェーメディアの反応です。

Facebookが生中継状態に

mixiの国際バージョンとも言えるフェイスブックですが、私も登録していて多くのインターナショナルな友人たちとノルウェー人の友達がいます。面白かったのが、テレビ生中継にフェイスブックを同時にオンラインにする人の多いこと。「がんばれドイツ！」、「あの国の歌手の衣装はなんなんだ、気持ち悪い」、「私、今から映画館に行くから、誰か優勝国分かったら教えてくれない？」、「俺はデンマークに電話投票したぞ！」と”つぶやき”メッセージが続出。またチケットを購入してコンテスト会場にいる友人も多かったので、携帯からフェイスブックに「今から始まる！会場の熱気がすごい！」と何度もネットを通して会場の様子を生中継している人もいました。日本の紅白歌合戦には見られない、この若者たちの欧州歌謡祭に対する熱意と意気込み。これがヨーロッパ中で起きているのだからすごいですね。

ノルウェーの投票結果は25ヶ国中20位という、あまりよろしくない結果に。ただ、ノルウェー人を全体的に見ていても「優勝するだろう」とは誰もそこまで期待していなかったようなので（だからスウェーデンを陰ながら応援していた？）、あまりショックで驚くという結果ではないかもしれません。

むしろ、今回歴代3回目となるユーロビジョン・ソング・コンテストの開催地となれたことで、ノルウェーには多くの国から人々も押し寄せて話題にもなったので、ノルウェー人的には満足な結果なのだと思われます。

今年のユーロビジョン・ソング・コンテストを見ていて、北欧同士のつながりが再確認できました。来年はドイツで開催、楽しみです！

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