北欧の冷気で息がしにくい時の対処法

公開日 : 2010年11月09日
最終更新 :
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 冬、毎日氷点下の日々が続くノルウェー。この寒い地域には冷気に慣れていない外国人特有の悩みがあります。「息がしにくい」のです。

 対応策としては、「マフラーで口元を覆う」。写真と一緒に解説していきます。

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 実は私も数週間前にやけに呼吸がうまくできず、外で歩くだけでゼーゼーしている状態。あまりにひどいので、周囲の友人にも、「お願いだから、病院行って!」と言われ、ゼーゼーしながら病院で呼吸検査(?)のようなものを受けました。結果は好調。「むしろ一般的な人たちより順調に呼吸できてるわよ」と診断されました。先生いわく、「これはたぶん外国人がよくなる呼吸困難ね。外の風が冷たいからよ。慣れるしかないわね」とのこと。毎年、同じような症状で外国人の患者さんが病院を訪れるようです。

(写真:毛糸のもこもこマフラーで口と首元を冷やさないように)

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 北極グマがいるくらい寒いノルウェー。高山病と似たような現象です。冷たい風に慣らすために、赤ちゃんをベビーカーにいれたまま外に放置して、外の風に慣らさせる親もいます。幼稚園でも頻繁に子どもを外に連れ出したり、寝るときは窓を開けたまま寝たり、日頃の訓練(?)から、ノルウェー人は日本人に比べて冷たい風に慣れているのです。

 日本はもともと湿気で蒸し暑い国。ノルウェーは反対に寒くて乾燥している国。寒さに慣れているはずのノルウェー人でも、「冬の風は喉がキリキリ痛くなるわ」という人がいます。よって、北欧の環境に慣れていない日本人の体にとっては、北のノルウェーという場所はあまりにも「急な環境変化」なのです。

 ちなみに、先生いわく、薬などの対処法はなく、「慣れる」しかないとのこと。

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 「本当はマスクで口を覆って、暖かい風が喉にいくようにするといいんだけどねぇ」と先生は言いました。しかし、風邪やアレルギーの時期にマスクをして外出をすることは日本では普通ですが、ノルウェーではそれは「感染症!?」、「重病!?」と周囲に驚かれ、怖がられてしまいます。

 「ノルウェーでマフラーで口を覆っている人たちを見たことあるでしょう?あれはファッションじゃなくて、冷たい風が喉にまでいかないようにしているのよ、あなたもそうするといいわ」と先生がアドバイス。確かにそういう人たち(写真のような)を見たことがあり、「どうしてあそこまでグルグル巻いているんだろう?」と以前から不思議に思っていましたが、やっと謎がとけました。帽子とぐるぐるマフラーで顔を隠し、下を向きながら無言で黙々と歩くノルウェー人、以前から不思議だったのです。冷たい風が顔に当たり、喉に入って痛いからだったようです(毎日寒くて暗い天気で、精神的に気分が落ちているということも多少はあるかもしれませんが)。

 「乾燥した冷たい風が喉に入ると息がしにくい」ということを今まで考えたこともなかったので驚きました。特に、急激に冷え込む夜の風は喉にとってはさらにつらいです。

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 ノルウェーでよく見かけるこの薄い三角型の通称「パレスチーナ・スカーフ」(政治的な意味を込めて使用している人はほとんどいません)。素材や形の関係で、一番顔に巻きやすいスカーフです。ただ、「これは薄いので雪の日は寒い!」という場合、毛糸のマフラーも役立ちます(風が通りやすい場合がありますが)。

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 写真の彼女が巻いているのがパレスチナ・スカーフです。今年は私はかなり呼吸がしにくいようなので、今後ひどくなったら、(こっそり)マスクか薄いパレスチーナ・スカーフをして、その上に毛糸マフラーを巻こうかなと色々と考え中です。

 寒い夜に急に走ったりすると呼吸しにくい方は、ノルウェーの冬は時に呼吸しにくいことがあるかもしれません。大事なことは、湿った暖かい空気を吸い込むこと。ネットで調べたところ、ほかに天気が悪い日は特に息がしにくい、水をたくさん飲むと良いということも書いてありました。高山病になりやすい方も、ノルウェーの冬は時にきつい時があるかもしれません。

 私自身、今年が3度目の冬ですが、今まで呼吸に問題はなかったのに、今年だけやけにつらいです。今、平気な方でも突然ゼーゼーと息がしにくくなることがあるかもしれません。雪が降る寒い日はマフラーをちょっと上にまで上げて口元を覆ってみてみてくださいね。

(写真はノルウェーの友人たち、ヴィーベッケ、クリスティン、ハンネ)

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