ノルウェーのクリスマス・ビールの歴史
大昔、ノルウェーではクリスマスにビールを製造することが「義務」付けられていました。もし、この決まりに従わずビールをつくらなかった場合、教会から重罰が課せられていたそうです。
農民は全員クリスマスまでに一樽分のビールをつくれ!
クリスマス・ビールはかなりアルコール度の高いものでなければいけませんでした。約900年頃、西部の地域では最古のGulating法という教会で定められた法律により、クリスマス・ビールを製造することを義務化。クリスマスの夜はそのビールでキリストと聖母マリアに感謝をし、新年と平和を祈ったようです。
この「クリスマスを"飲む"」とも言われたクリスマス・ビール義務化は、実は「ヴァイイキングのビールを飲む習慣」と「キリスト教のクリスマスという行事」が混じり合ったもの。ノルウェーの古代ノース人(ノルマン人、スカンジナヴィアのヴァイキングともいわれる)の時代では、農民ひとりひとりが、「最低樽一杯分のビール」をつくることが決められていました。
元々昔から日常的にお酒を大量に飲んでいたヴァイキングたち。ヴァイキングの航海を通して伝わった宗教により、感謝をする相手が北欧神話のニョルドとフレイから、キリストと聖母マリアに変わったというわけです。
クリスマスまであと少し。お酒が大好きなノルウェー人ですが、現代ではアルコールはとても高価。海外に行くとその安さから興奮してお酒を飲みすぎてしまい、へろへろに酔っ払うノルウェー人が海外ではよく見かけられます。
写真ークリスマス・ビールを飲むノルウェー王・オーラブ1世。963-1000年頃。絵は1877-99年の間にHalfdan Egediusによって描かれたもの。
参考ーLEVENDE HISTORIE Nr.6-2010 "Juleøl var påbudt ved lov"
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