ノルウェー人女性が「私も年をとったな」と思う時

公開日 : 2011年01月25日
最終更新 :
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 ノルウェーの文化と習慣が反映されている記事なので、雑誌の特集を要約したうえで、ノルウェー事情も簡単に追記します。

①音楽センスの変化

 日本人以上にラジオを愛用しているノルウェー人。「P3」という若者向けの流行の音楽が流れるチャンネルに親しみを感じなくなり、クラシカルな音楽を流す「P1」のチャンネルを好むようになったあなた。コンサート会場に行っても、「どうしてこんなに高い音でガンガン歌っているのか」と疑問に思い、最新の音楽の流行にはもちろんついていけず、昔の音楽こそが「本当に味のある音楽」だと思う。

②惹かれる男性のタイプは・・・

 「Jørn Hoelって実はなかなかかっこいいじゃない!?」(ノルウェーのアーティスト)

 ちょっと「濡れた感じの長髪でポニーテルをしている年配の男性」にドキュンとするようになったあなた。若者向けの芸能番組から遠ざかり、ニュース番組ばかり視聴してしまう。ニュースではノルウェーのイェンス・ストルテンベルク首相がいつ出てくるかと常に気になってしまう。また、政治家Trond Giskeの癖のある方言も、「案外いいじゃない」と思うようになってきた。「若い男の子のお尻にはもうあまり興味がなくなってきたわ」、そんなことを天気予報を見ている間に考えている。

③どんどん短くなっていくヘアスタイル

 「動きやすくて、短いヘアスタイルでお願いね!」

 2500クローネも払って、お洒落な美容院に行く回数がどんどん減ってきたあなた。しまいには通りの角にある安い美容院、もしくは床屋で3桁の価格ですむようなヘアスタイルで満足し始めている。手の込んだ流行のヘアスタイルよりは、短くて、動きやすい髪形が一番。ノルウェー人女性によく見られるとても短い前髪。おでこのたった四分の一を隠す短い前髪を美容師にお願いする理由は、ズバリ「前髪が伸びて、また美容院に行くまでの期間を延長するため」。

→ノルウェーの美容院代は高いため、若い人たちでもセルフカット、自分で髪を切っている人が多く、また、とても短い前髪スタイルはよく見られます。40歳以上になると、楽で動きやすいことから、髪の毛はどんどん短くなっていきます。

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 「このパンツ、私のお尻のサイズにぴったりなの。しかも、60度で洗えるのよ!!」

 以前は流行に従って服を買っていたあなた。「流行」が服を購入する際に一番重視されたポイントだった。今は「洗濯表示」をまず先にチェックし、「手洗い」表示をみた瞬間に「面倒だわ」と思う。お尻をぎゅっと締め付ける小さいTバックには興味はない、大事なのは履き心地のいい、シンプルなデザインの下着。

→ノルウェーでは基本的に40度、もしくは60度以上で洗濯をします。このことを知らずにノルウェーの洗濯機を使うと、日本の繊細なデザインの洋服はぼろぼろにしぼみ、色落ちします。また、Tバックは日本以上に一般化しており、若者は基本的にはTバックを愛用。日本でよく見かける、お尻を全体的にすっぽりと覆うようなパンツは「おばあちゃんパンツ」と呼ばれています。ノルウェーの若者の中には、日本の下着コーナーに行くと、若い日本人女性が「おばあちゃんパンツ」ばかり買っていることにびっくりする人もいます。

⑤上品なお言葉づかい

 今の若者が使っている言葉は理解ができず、子どもの若者言葉を聞いて呆れ、首をふるあなた。自分が若い頃に使っていた言葉が今でも通用すると思っているが、若者たちは「どういう意味?」と首をかしげる。若い世代との言葉のコミュニケーションが難しい。若い人たちが使っている表現を自分でも使ってみるが、口にした途端「あら、いやだわ」と奇妙な気持ちになる。

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 「まあ、そんなに細く痩せちゃって!さあ、パンを食べてちょうだい!!」

 夕飯に招いた客に、3回も5回もおかわりすることを勧めるあなた。「誰一人として空腹にはさせないわ!」。手作りのジャムをふるまうことにさらなる快感を覚える。細すぎる女友だちを見ると心配し、さらに自家製のキャラメルプリンを差し出す。同時に自分は、次の月曜日からはパイナップル・ダイエットをすると心に決めていて、年配の女性向けの雑誌『Hjemmet』(意味:家庭)から切り抜いた「特集・クリスマスが来る前にダイエットを」というページを大事に保管している。

→欧米他国と同じように、パンが主食のノルウェー。また、山がたくさんあるノルウェーでは採集した大量のベリーなどの果実を自家製ジャムにすることが一般的。買ったジャムではなく、美味しい手作りジャムを作れることは、ちょっとした「ステータス」でもあるのです。また、キャラメル・プリンはノルウェー人にとって日本とは違う意味を持つデザート。レストランやカフェで注文するものではなく、(一部の人にとって)美味しい自家製のキャラメル・プリンは自宅で食べたいもの(特にクリスマス?)。ノルウェー美味しい手作りのジャムとキャラメル・プリンを作れるようになったら料理マスター。

⑦口から飛び出す数々のアドバイス

 「飛行機の中では分厚いタイツを履くのよ!そうでないと血栓症になっちゃうわ!!」

 最近、あなたの口から次々と出てくる役立つアドバイス。あなたは周りの友人たちのことを常に心配している。同僚が風邪をひいていたら、ビタミンCのタブレットを摂るように促す。友人が旅行先のホテルのエアコンで体調を崩さないか心配し、お腹を壊した時のためのわざわざ薬を手渡す。周囲の人たちのことを気にかけて、アドバイスをする準備は常に万端。

→ノルウェーのおばあちゃんたちに出会うと、確かに「お腹すいてない?食べなさい。もっと食べなさい!」、「大丈夫かしら、念のためにこれを持って行きなさい」と言われて、何かをもらうことが頻繁にあります。

 かなりノルウェー文化が反映されたものですが、「短い前髪」、「Tバックから、60度で洗えるおばあちゃんパンツへ」、「自家製のジャムとキャラメル・プリン」、魅力的な男性像(日本で政治家の男性をテレビで見ることにドキンとする人はあまりいないかと思われます・・・)など、日本人とは異なる見方はとても面白いものです。

参考雑誌

WOMAN1月号 「7 tegn på at du er blitt gammel...」 58-59ページ

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