ノルウェー連続テロから1年 忘れられない7月22日
Photo: Asaki Abumi
ノルウェー国営放送局NRKの第一チャンネルでは、午前9時から10時間に及ぶ各地のテロ追悼式の特集を組み、生放送で当日の様子が中継された。
メッセージを書いたカードや、子どもたちが描いた絵も多く見られた。
テロ事件以降、オスロで起きた悲惨な事件に屈しないために、互いを思いやる「愛」や「思いやり」などの言葉が多く使われるようになった。オスロへの愛を示す、「オスロ」と「ラブ」を合わせた「オシュラブ」(OSLOVE)という言葉や、赤いハートのシンボル、ノルウェー国旗を多く目にする。
Photo: Asaki Abumi
首都オスロで行われた追悼行事の一部プログラム内容
9:00 ウトヤ島での犠牲者69人の約60家族が島を訪れる。
9:30 爆発が起きた政府市庁舎前でリーフを顕花。ストルテンベルグ首相やハラルド5世国王などが参列。
11:00 首都オスロの大聖堂で追悼ミサ。出席者は、ストルテンベルグ首相、ハラルド5世国王、ソニア王妃、ホーコン王大使、メッテ=マ―リット王大使妃、ノルウェーの政治家など。
12:00 ウトヤ島での銃乱射事件で生き延びた与党労働党青年部(AUF)の若者たちが島を訪れ、追悼セレモニーが行われる。ストルテンベルグ首相やAUF代表のエスキル・ペーデルセン、デンマークのヘレ・トーニング・シュミット首相などがスピーチをする。
18:45 ウトヤ島で関係者や遺族がリースの顕花、キャンドルを水に浮かべる。
20:00 オスロ市庁舎広場で一般市民も参加できる追悼コンサートが行われる。ノルウェーメディアによると約5万人がコンサートに足を運んだ。
ノルウェーの第2の都市ベルゲンや第3の都市トロンハイムなどの各都市でも追悼式典と教会で追悼ミサが営まれた。また、ノルウェーサッカー協会の意向により、当日のサッカー試合は16時以降から開始され、各試合前には1分間の黙祷が行われた。
赤と白のバラの大きなリースの周りに市民がバラを手向ける。
赤は「愛」、白は「平和」を象徴する。
Photo: Asaki Abumi
「赤いバラ」は、犠牲者が数多く出た、ストルテンベルグ首相が党首である連立与党・労働党のシンボルでもある。ウトヤ島で死亡したのは、与党労働党青年部(AUF)に所属する多くの若者たちだった。
テロ事件以降、犠牲者の冥福を祈るときには赤いバラが手向けられるようになった。
Photo: Asaki Abumi 政府庁舎前
政府庁舎では、未だに事件の傷跡が生々しく残っている。
爆発で壊れた建物はシートで覆い隠されている。
Photo: Asaki Abumi
顕花する人々の中には、政府庁舎を見上げながら目に涙を浮かべる人や、小さい子どもを連れて来て、花を指差しながら、ノルウェーに何が起きたのか、ゆっくりと説明する親もいた。
この日の出来事をしっかりと記憶に残そうと、撮影をする人の姿も見られた。
オスロ大聖堂には多くの人が顕花に訪れた。
大聖堂内では人々がキャンドルに火を灯し、祈りを捧げる。
Photo: Asaki Abumi
市庁舎広場前では、一般市民も参加できる追悼コンサートが開催された。
降り注ぐ雨の中、カッパなどを着た市民が続々と訪れた。
ノルウェー国営放送局によると、約5万人の人々が足を運んだ。
Photo: Asaki Abumi
ブレイビク被告はイスラムの侵略と多文化主義から国を守る必要があったと主張しており、事件はノルウェーだけではなく、移民政策に敏感な欧州各国に衝撃を与えるものとなった。
Photo: Asaki Abumi オスロ大聖堂内
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