カフェFuglenオスロ店のヴィンテージショップ見学
All photos: Asaki Abumi
オスロの老舗カフェFuglenは、コーヒーバー&カクテルバー&ヴィンテージ家具が融合したノルウェーのライフスタイルを体験できる空間だ。フグレンの海外進出第一号店は、東京の代々木公園から徒歩5分のところに、今年5月11日にオープンしたばかりだ。
Fuglenオスロ店のヴィンテージ家具探索!
今回は、フグレンで販売されているヴィンテージ家具を見学に行ってみた。
ノルウェーの首都オスロの中心地にあるFuglen本店には、3人の
オーナーがいる。ノルウェー・バリスタ・チャンピオンのEinar Kleppe Holthe (アイナル・クレッペ・ホルテ)、バーマネージャーであるHalvor Skiftun Digernes(ハルヴォール・シフトゥン・ディーゲルネス)、そしてヴィンテージエキスパートのPeppe Trulsen(ペッペ・トルルセン)氏だ。
ヴィンテージ家具、食器、雑貨のエキスパートであるペッペさんは、優しくて、のんびりとしたノルウェー人男性。ペッペさんは、50~60年代のヴィンテージものが大好きで、お店のアイテムをひとつひとつ説明する時は、楽しそうに目をキラキラさせる。
水・金曜日には日本人スタッフも
フグレン東京店に常設されているヴィンテージ商品はすべてノルウェーブランドだ。しかし、オスロ店で販売しているのは、ノルウェーブランドの食器や家具だけではなく、北欧やアフリカ風のデザインのものまである。販売されている全ての商品にはペッペさんの好みが反映されており、50~60年代に製作されたアイテムが多い。
オスロ店のヴィンテージショップには、水・金曜日に日本人スタッフのエミさんもいるので、日本語でやり取りが可能だ。
ひとつ、店内からアイテムを選んでもらい、その背景を教えてもらった。
ペッペさんが手に取ったのは、とある女性のセクシーな置物だ。
これは、ジーノ・マンカというイタリア人の芸術家による作品だ。ペッペさんによると、ジーノ氏は1955年にノルウェーに来て、ノルウェーの王様が50才になったお祝いに芸術作品などを制作して贈呈したという。ノルウェーを気に入ってしまい、それから約8年ノルウェーで生活をした。
50年代のノルウェーの背景
当時、戦後の影響もあり、50年代のノルウェーでは海外からの芸術作品が国内に入ってくることは極めて珍しかったという。テレビもなく、国民は地元の新聞やラジオでしか情報収集をすることしかできなかった。輸送船などで仕事で海に出る人や、勉強のために海外に出る若者が、他国で写真を撮り、「外の世界では今何が起きているか」、帰国してから地元のノルウェー人に語ることのできる存在だったのだという。
国内に住むノルウェー人は、外からやってくる「エキゾチックなお土産」に興奮した。アフリカやハワイなどからの異国風のオブジェクトは、50年代のノルウェー人たちにとって「特別なもの」だった。
芸術家ジーノ氏は、数多くのエキゾチックなオブジェクトを作り上げている。「フィギュールクンスト」という工場を作り(80年代に廃業)、セラミックでオリジナルを作ってから、フォーム作製、そして石膏で作るのが彼独自の制作方法だったという。ジーノ氏の作品には、どこかに小さく彼のサインが彫られている。
ノルウェーで異国風の芸術作品を多く製作した、
イタリア人ジーノ・マンカ
ペッペさんが見つけた女性の置物もジーノ氏の作品で、ノルウェーで製作されたものだ。ペッペさんは、インターネットオークションでこの置物を見つけて、迷わずにすぐさま購入したという。「ジーノの作品には独自の雰囲気があるから、一目で見分けられる」というペッペさん。「この女性は、1957~1962年頃に作られたものじゃないかな。デリケートな顔の表情がいいね」と、大事そうに置物を手にとって説明するペッペさん。この女性の置物は2400クローネ(約3万800円)でお店で販売されている。
店内にはガラスの食器製品も豊富に並んでいる。北欧のヴィンテージとして有名な、ノルウェーのキャサリンホルム(CATHRINEHOLM)は、日本人のお客さんの間で大人気だという(写真左の手前のテーブルの上に並ぶ赤いお皿もキャサリンホルム)
「日本人はキャサリンホルムが大好きだね。オスロ店にもたくさんあったんだけど、この前東京店に大量に送ってしまって、今こっちにはあまりないんだ」というペッペさん。
お店の商品は入れ替わるので、店員さんに色々と聞いてみよう。掘り出し物が見つかる可能性が高く、フグレン東京店では取り扱っていないペッペさん好みの他国のヴィンテージものも手に入る。
「フグレンのヴィンテージショップは、スタッフ全員が隣のカフェ&カクテルバーにいることがあるから、もしお店のドアが閉まっていたら、遠慮せずに隣のフグレンカフェのスタッフに"お店を開けて"、とお願いしてみて」と語るペッペさん。
写真上右:今では見かけない型のノルウェーのミネラルウォーター「ファリス」(Farris)の瓶
写真上左:フグレンオスロ店には、アフリカ風の置物が多い。ペッペさんの好みがよく伝わってくる店内
写真下:奥にあるのは、冷やした氷を入れるアイス・ペール
「北欧家具」や「北欧インテリア」というと、スウェーデン、デンマーク、フィンランドが有名で、ノルウェーのものはあまり知られていない。「1970年代以降は北海油田の発見により、オイルマネーのお陰でライフスタイルが激変したノルウェー。生活が豊かになったノルウェーでは、自国デザインの発展やPRという面で、北欧他国に遅れをとってしまった」、というのがノルウェーデザインを語る時によく耳にする理由だ。
ノルウェーヴィンテージが大好きなペッペさんは、これからノルウェーのヴィンテージデザインのことをどんどん日本や世界に発信していきたいという。日本のインテリアやデザイン業界とコラボしていく計画もあるようだ。
フグレン オスロ店/Fuglen
住所:Universitetsgaten 2,0164 Oslo
TEL: +47 22 20 08 80
営業時間:
デイライフ(昼間はコーヒーバー)
月曜~金曜 07:30-19:00
土曜 10:00-19:00
日曜 10:00-19:00
ナイトライフ(夜はカクテルバー):
水曜~木曜 07:30-翌日23:00
金・土曜 19:00-翌日27:00
フグレン東京店は千代田線、代々木公園駅から徒歩5分!
FUGLEN TOKYO/フグレン東京店
住所:東京都渋谷区富ヶ谷1丁目16-11
最寄り駅:千代田線、代々木公園駅から徒歩5分
小田急線、代々木八幡駅から徒歩10分
Twitter @fuglentokyo
通常営業時間
コーヒーバー
平日 午前8:00~
土・日曜 午前10:00~
カクテルバー
月曜・火曜 休み
水曜・日曜 ~24:00
木曜 ~翌25:00
金・土曜 ~翌26:00
お問い合わせ
Fuglen東京店オーナー 小島 賢治(Kenji Kojima)
E-mail: kenji@fuglen.no
電話 03-3481-0884(日本語)
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