ロンドン五輪!ノルウェーの盛り上がり度は?ダーレオーエン選手のいない競泳

公開日 : 2012年07月29日
最終更新 :
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Photo: Asaki Abumi

 ただ、ノルウェーメディアが大きく取り上げているからといって、国民の盛り上がりが比例しているかというと、そうでもありません。実は、ノルウェー国民が本当に大騒ぎ&期待するのは冬季オリンピック。

雪国ノルウェーで国民が本当に大騒ぎするのは冬季オリンピック

 雪国ノルウェーはウィンタースポーツが盛んな国。これまでの冬季オリンピックでは、金メダル107個、銀メダル106個、銅メダル90個、合計 303個!(ちなみに日本は合計37個)。今大会開催前までの夏季オリンピックでのノルウェーのメダル獲得数は、金メダル54個、銀メダル48個、銅メダル42個、合計144個(日本は合計362個)。

※メダル獲得数はNRK調べ

 メダル獲得数からも分かるように、ノルウェーでは「冬季オリンピックでノルウェーが金を獲るのは当たり前!」、「(あまり期待していない)夏季オリンピックでノルウェーが(特に金)メダルを獲得したら、(意外だから)へー!びっくり」という雰囲気があります。

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 ただ、夏季オリンピックの競技で、ノルウェーが注目をしていたひとつは「水泳」でした。競泳日本代表の北島康介選手のライバルとして注目されていた、ノルウェー人のアレクサンドル・ダーレオーエン選手。残念ながら、ダーレオーエン選手は今年4月30日、合宿先のアメリカ合衆国でホテルの浴室で倒れて死亡しているところを発見されました。

写真:ダーレオーエン選手が急死した翌日の5月1日付のノルウェー現地の新聞報道

Photo: Asaki Abumi

 現在のロンドンオリンピックは、放送権を所有しているノルウェー国営放送局NRKによって中継されています。オリンピック開会式の際は、NRKのノルウェー人アナウンサーが「ここにアレクサンデールがいないのは、寂しい」とコメントしました。

※「アレクサンデール」はAlexanderのノルウェー語読み。

 今回のロンドンオリンピックに関するテレビ放送や他メディアの報道では、頻繁に「アレクサンデール・ダーレ・オーエンがロンドンにいないことが、本当に残念で、悲しい」とコメントされています。ダーレオーエン選手がいないことにより、ノルウェーにとって、夏季オリンピックに、大きな穴がぽかんと開いてしまっていることは間違いないでしょう。

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「水泳」は、ダーレオーエン選手がいなければ、

ノルウェーでここまで注目されることがなかった競技

 冬のスポーツばかりが注目されるノルウェーで、ダーレオーエン選手の功績がなければ、「水泳」という競技は、ここまで国民から関心を得られることはなかったでしょう。

 ちなみに、ダーレオーエン選手の知名度は首都オスロとノルウェー第二の都市ベルゲンでは大きな差があるような印象を個人的に受けます。ダーレオーエン選手の地元はオイガルデン村というベルゲンから車で約1時間ほどのところ。同選手は、地元を愛し、ベルゲンのスイミングプールで練習をしていました。ベルゲン人やオイガルデン村の人々にとって、「アレクサンデール」は、特別な、自慢のできる、英雄のような存在だったといえるでしょう。首都オスロなどに住むノルウェー人よりも、ベルゲンやオイガルデンの人々は、今回のロンドンオリンピックをテレビのスクリーンで見ながら、「どこか寂しい」思いが沸いているのではないでしょうか。

「彼の分もがんばってほしい」と期待を背負った水泳選手たち

 金メダルが期待されていたダーレオーエン選手の代わりに、ノルウェーメディアの注目は一気にほかのノルウェー人水泳選手に向かいました。「アレクサンデールの代わりに、がんばってきてね」という、メディアからのちょっとした「重圧」と「期待」、そしてお互い支えあって前進してきたダーレオーエン選手がいないという「悲しさ」を心に、水泳選手たちはロンドンに向かいました。28日、メダル獲得の有力候補として期待されていた、女子100mバタフライのIngvild Snildal選手は決勝前に敗退してしまい、思わずテレビカメラの前で涙を流しました。女子200m平泳ぎではSara Nordenstam選手もメダル候補として大きく期待されています。

 ほかの種目では、男子射撃でTore Brovold選手、セーリングでEivind MellebyとPetter Mørland Pedersen選手などがメダルを獲得するのではないかと注目されています。

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