2012年ノーベル平和賞はEUに授与 ノルウェー現地では批判の声が目立つ

公開日 : 2012年10月12日
最終更新 :

 12日、ノルウェーのノーベル賞委員会は2012年のノーベル平和賞を欧州連合(EU)へ授与することを発表した。

 「EUは60年に渡り、欧州の平和や民主主義に貢献してきた」と、授与理由を述べたノーベル平和賞委員長のトルビョルン・ヤーグラン氏。しかし、ノルウェー国内のメディアでは既に、「時期尚早」、「EUに授与するのは適切ではない」とする批判を取り上げる報道が目立っている。

 現地ノルウェーでは、ノーベル委員会による正式発表の11時前である10時過ぎには、ノルウェー国営放送局NRKが「EUに授与される」と既に報道していた。

 現地アフテンポステン紙の報道では、平和賞委員会の発表後、「委員長のトルビョルン・ヤーグラン氏は、ノーベル平和賞を私的経営の店かのように利用している」と批判する平和活動家のFredrik Heffermehl氏の意見などを紹介。同紙の電子版の意見調査では、現時時間12時42分の時点で1万1063票の投票が集まり、「平和賞をEUに授与するのは正しいか」とする質問に対して、28%が「イエス」、72%が「ノー」と、「適切ではない」とする意見が大半を占めた。

 ノルウェー放送局NRKの電子版では、左派社会党(SV)のリーダーであるAudun Lysbakken氏が「間違った授与であり、間違ったタイミング。トルビョルン・ヤーグラン氏はノーベル平和賞を政治的に利用している」と強く批判する意見などを掲載。反対に、保守党(Høyre)の次期リーダーであるJan Tore氏が「(EUは)明らかな、立派な勝者。今日は、ヨーロッパにとって良い日です」とする肯定的な意見や、ノルウェー労働組合のリーダーであるNils T. Bjørke氏が「EUに平和賞を授与するのは特別。多大な平和貢献をしている個人に授与すべきではないのだろうか。驚きを隠せない」と動揺する声も取り上げている。

 平和賞授賞式は、12月10日、ノルウェーの首都オスロのオスロ市庁舎で開催される。

(ノルウェー現地時間 2012年10月12日12時46分)

※ノルウェーは、数少ないEU非加盟国のひとつでもある。

ノルウェー国内の報道 参照記事

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