ノルウェーで学ぶ オスロ大学大学院メディア学の授業
通常のメディア学の授業を履修するのは今学期が最後で、5月は学期末試験の真っ只中です。私が今学期履修しているのは「ソーシャル・メディア」と「メディア経済・経営」。写真は、メディア経済・経営のセミナーの様子です。
授業ではスカンジナヴィア言語を数ヶ国語理解する必要あり
大学院での授業は通常はスカンジナヴィア言語(2種類のノルウェー語、デンマーク語、スウェーデン語)と英語でおこなわれます。使用言語は学科によって異なるので、英語のみで勉強しているという学生もいます。数言語が使用された文献を読み、セミナーで討論に参加するのはやはり大変です。担当教授や学生がノルウェー各地の方言で話していたら、さらに頭をフル回転させないといけません。
ノルウェーのメディア
メディア学科では、世界各地のメディアを学ぶのではなく、ノルウェー、そして北欧のメディアを徹底して学びます。ノルウェーのメディア事情となると、さらにニッチな話題なので私はあまり日本語で情報発信はしていませんが、ノルウェーの新聞、映画、テレビ、ラジオ、インターネットメディアが専門です。テレビゲームも実は勉強するのですが、私はゲーム環境で育っていないので、こちらは向きませんでした。ノルウェーでは雑誌の影響力が低いためか、オスロ大学では雑誌はあまり勉強しません。
もちろん、倫理や、メディアが社会に与える影響についても勉強します。子どもにインタビューする時に気をつけること、信頼できる情報源など。そして、質的調査や量的調査などの調査方法についても詳しく学びます。
メディアといっても範囲が広いので、映画からテレビまで全てを得意とする学生はいません。それぞれが自分に向いている分野を見極めていき、関連した授業を履修し、論文を書きます。私はネットメディアが専門です。
メディアの今後のビジネスモデルを考える
「ソーシャル・メディア」の授業は、別記事「起き上がりムンクのノルウェー写真をインスタグラムにUP中」でも少し紹介しました。「メディア経済・経営」では、これからデジタル化が進むにつれてオールドメディアなどがどのように変化し、新聞やテレビはこれからネットでどう売上を上げていくかということなどについて学びます。
ゲスト講師はノルウェーの大手メディア企業
経済・経営の授業では、学期後半はノルウェーのメディア企業がゲストとして招かれビジネスモデルの説明などをしました。スウェーデン・ノルウェーのBSデジタル放送局に加え、ノルウェーの最大メディアグループであるシブステッド(Schibsted)から派遣されたスタッフが、デジタル化におけるビジネス戦略などをプレゼンします。
写真はオスロ大学の図書館で。
アカデミックな文献を読み書きする能力は必須
学科によって異なりますが、メディア学では筆記試験よりも、与えられたテーマについて、アカデミックなレポート10ページを4日間で自宅で書く「自宅試験」という形式が一般的です。専門用語で書かれた大量の文献を読み、論文スタイルでしっかりと書かなければいけないので、「読み・書き」が苦手な人には相当つらいようです。「ジャーナリストとしてではなく、メディア研究者として書くように」ということも強調されます。私は読書好きで文章を書くのが好きなために、この試験形式は実はあまり苦ではありません。
音楽やアートを専攻したい場合は専門大学がおすすめ
オスロ大学はアカデミックな文献を読みこなす能力がどうしても必要になります。例えば、ノルウェーでアート、デザイン、音楽、スポーツ、また福祉などの専門分野を学びたいと考えている人は、大学よりも職業専門大学(høgskoler)などに進んだほうがよいでしょう。ノルウェーでは、学歴と職業が直結しており、専攻科目と関連した職業に就く傾向にあります。ノルウェーで留学・就職活動を考えている人は、その点も頭にいれておくとよいかもしれません。
色々書いていたら文章が長くなってしまいました! 留学を考えている人の参考になれば幸いです。
Photo&Text: Asaki Abumi
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