無料バスで、オスロのデザインスポットを巡る日曜日！

公開日 : 2015年09月05日

最終更新 : 2015年09月05日

筆者 : 旧オスロ特派員

　6日にオスロにいれば、無料バスでデザインスポットを回れる「デザイナーズ・サタデー」を体験してみてはいかがでしょうか。

　1986年より続く同イベントは、２年毎に開催されており、今年は欧州・北欧を中心とした180のブランドや販売店、28のショールームが参加。オスロ市内の10か所のスポットを、バスで回ることができます。

　5日（土）は業界関係者向けとなりますが、6日（日）は一般公開となります。4日（金）に報道関係者向けの事前ツアーとオープニングセレモニーが行われたので、当日の様子をご紹介します。

　日本のインテリア雑誌でも頻繁に取り上げられている、北欧デザインの代表HAYのショールームは、ヤコブ教会の中で。

　HAYの家具は旅行者にとっては購入しにくいかもしれませんが、文房具はおすすめです。おしゃれなアイテムがあると、デスクの上での作業が楽しくなります。日本でお馴染みの、あのノリも！

　ナショナルテアートレ駅前にある家具とテキスタイルの専門店TANNUMでは、佐藤オオキ氏が設立するデザインオフィス「nendo（ネンド）」による照明NJP BORD（Louis Poulsen社）も。担当者は、「ネンドをご存じですが？今業界で注目を浴びているブランドです」と一押し。

　デンマークのルド．ラスムスセン家具工房のオスロ支店では、職人の手作業を間近で見ることができます。

　アルネ・ヤコブセンの椅子「セブンチェア」を、世界の7つの建築家たちが再解釈したシリーズでは、ノルウェーで最も有名なデザインオフィス「スノーヘッタ」も参加。足がない大胆なセブンチェアは、アウトドア好きなノルウェー人も屋外でも使えます。販売場所はオスロにある家具&インテリアの専門店Expo Nova。

　特に個人的におすすめしたいスポットは、オスロ国立芸術アカデミー。修士論文などで学生たちが発表するサービスデザインは、「中絶したい女性が簡単に情報にアクセスできるための提案」など、アプリやウェブを利用したり、企業や行政にとって役立ちそうな社会問題解決のためのデザインが展示されています。

　学校前ではオープニングセレモニーも開催されました。オスロ市長であるファビアン・スタン氏もスピーチを述べましたが、さすがに地方選挙が間近に迫っていることもあり、自身が所属する保守党の選挙アピール付き。これは聞いていて違和感があったのですが、ノルウェーのデザイン・ジャーナリストの方々や主催者に聞いたところ、「こういう場で選挙PRは普通ではないわよ」とのこと。ノルウェーには、デザイン産業の発展を特に強く後押ししている政党というのはないそうで、デザインの重要性を認識してもらうためにも、招待したという狙いがあるようです。