ムンクのようなメランコリックな絵を描くノルウェー人画家カイ・フィエル オスロで展示会が開催中
『叫び』で有名なエドヴァルド・ムンク以外にも、ノルウェーには素晴らしい画家がいた。そのことを実感させる1人が、カイ・フィェル( Kai Fjell/1907~1989)だ。「フィエルは国内では有名な画家の1人です。男性画家ですが、母親と子どもをモチーフとした作品が多くあります」と、オスロ・クンストホールのキュレーター、エリザベス・ビーレ氏が、会場を案内してくれた。
Bombingen av Leiret, 1943. Olje på lerret 50 x 46 cm
Foto: Glomdalsmuseet
作品の登場人物たちの顔色は灰色で、悲しそうだ。人生の明るさよりも、暗さを見事に表現している。40年代の作品は、難民や戦争をテーマにしたものが目立つ。今回、私が展示をみにこようと思った理由も、『難民の帰還』(1944)という作品が気になったからだった。青白い顔の女性たちが、こちらを無言でじっと見つめている。なぜ、こんなにも強い印象を与えるのだろうか。
昨年以降、難民申請者の受け入れや、移民がどう社会に溶け込むかという話題が活発になっているノルウェーで、カイ・フィエルの作品は非常に現代的だともいえる。 ノルウェーの最大手全国紙アフテンポステンの評論家も、「第二次世界大戦の時代の絵にも関わらず、今でも現実味を帯びている」と評価している。
Flyktninger vender hjem, 1944. Olje på lerret122 x 170 cm
Foto: Thomas Wideberg / Nordea Norge Kunstsamling
展示は、オスロ・フィヨルド沿いにあるビョルビカ地区、ムンク美術館などが所有する特別な館内で開催されている。
中央駅から、オペラハウスがある方面へと徒歩で向かうのだが、アクセスが多少わかりにくい。日本の観光ガイドブックなどには掲載されておらず、スマートフォンなどで地図を検索した場合、グーグルマップでは多少ずれた位置を指したので、注意が必要だ。ノーベル平和センター、市庁舎、オペラハウスなどの観光ついでに立ち寄ることができる。
美術館の入場料といえば、100ノルウェークローネを超えることもあるが、今回は規模が小さいため、30ノルウェークローネと、現地のカフェでコーヒーを1杯注文するほどの価格でチケットが購入可能。
9月30日~11月27日
住所:Dronning Eufemias gate 34, 0191 Oslo
営業時間: 火~金曜11~17時、土・日曜12~17時、月曜は定休日
入場料:30ノルウェークローネ。クレジットカードは利用可能だが、現金のほうが安心
Photo:Asaki Abumi
Photo:Asaki Abumi
現地で「バーコード」と呼ばれている、お洒落な現代建築のビル群をずっと歩いていく。中央駅方面から歩いてきたとき、DNB銀行を通り過ぎたあたりで、会場は見つかる。
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