オスロなどの大都市で冬の大気汚染問題が始まっています

公開日 : 2016年11月30日
最終更新 :
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寒い冬の季節となり、オスロやベルゲンなどの大都市では大気汚染が悪化する日々が出てきています。28日(月)からは大気汚染度の深刻度を示す、最も最悪な「紫色」の次である「赤色」警報が続いています。

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写真:大気研究室からの29日のオスロの様子。情報やグラフがメールで毎日このように配信されています。夏は緑色かオレンジ色の深刻な問題ではないとされるレベルです。寒い冬になると、赤色の日がでてくるようになり、ニュースで報道され、めったにない紫色が続くと深刻な状況を示します。

大都市での大気汚染は、冷気と山々に囲まれた独特の地形が原因したもので、加えて車からの排ガス、ノルウェー人の多くが使用する家庭での古い暖炉からの煙、スパイクタイヤの使用などがあります。

ノルウェー大気研究室 広報クリスティーネ・F・ソルバッケンさんは、「赤色警報がでている日でも、オスロや他の都市に2日ほど滞在するだけであれば、問題はありません。ですが、呼吸器疾患、心血管疾患の症状がある人は、体調が悪化する可能性はあります」と昨年の取材で答えました。

大気汚染警報が出ている自治体にお住いの在住者の方々で、呼吸器系の問題を抱える小さなお子様や大人においては、車の出入りが激しい通りやラッシュアワーの時間帯の外出は避けることが推奨されています。ノルウェーの大気汚染問題は、現在健康な子どもや大人も、長期的に影響を受けており、後々の健康状態に影響が出る恐れが指摘されています。

オスロで最も問題とされているエリアは、地元で「セントラム」と言われている中心地の周辺(中央駅、国会、王宮などがあるエリア)です。

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写真:大気汚染研究室の公式HPではオスロの各通りの大気汚染度が頻繁に更新されています。車の出入りが少ないはずの29日夜23時30分でも、赤色警報が出ている通りがあります。

ノルウェーの政治家は大気汚染問題は長年議論していますが、各政党が対立している背景もあり、問題は改善されていません。 

オスロでは、最も最悪な紫色警報が続いた場合は、バス、路面電車、地下鉄などの公共交通機関のチケット料金を無料にし(ベルゲンも同様)、有料道路を走る運転手への課金料金は5倍とすることを決定しました。しかし、これはまだ一度も試されていないため、初日には乗り物が混雑して、全員が乗車できる可能性が低い、車両の渋滞がさらなる排ガス排出を起こす問題も指摘されています。

しかし、いつ紫色警報が発せられているかを把握することは、ノルウェー語がわからない外国人在住者には難しい状態です。 

政治家などは、現地報道や自治体の公式HPを確認することを推奨していますが、それはノルウェー語で記載されており、忙しい朝にわざわざ確認する人は少ないのではないかと思われます。

冬の毎日の各都市の大気汚染状態は、ノルウェー大気研究室が運用する公式HP「Luftkvalitet.info」 で最新情報が確認できます。メール配信、携帯電話にSNSを毎朝送信してもらうサービスもありますが、ノルウェー語です。

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このようなSNSが携帯電話に毎日届いています。

Pohoto&Text: Asaki Abumi, Screen shot from an email and SNS from Luftkvalitet.no

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