じつは飲めます! パリ市内各所にあるワラスの泉

公開日 : 2012年08月15日
最終更新 :
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パリを歩いていると、至る所で水が湧出している箇所を見つけることができます。例えば、4体の女神像が屋根を支えるデザインのものや、ギリシャ神話の水の精ナイアドの口から、水が流れているものなど。これらは全て「ワラスの泉」と呼ばれるもので、水道水のため飲用として利用可です。一体どのような経緯で設けられたのでしょうか?

発端はフランスとプロイセンの間で1870年に起こった普仏戦争。結果はプロイセンの勝利に終わったのですが、戦争でパリの水道設備は大きな被害を被りました。その時の深刻な水不足の解決に、一役買ったのが英国人リチャード・ワラスです。資産家だったワラスは、パリの各所に無料の給水設備として「ワラスの泉」を建設したのです。美術品のコレクターであり文化人だったワラスは、機能性だけではなくデザインにもこだわり、それらを市内の目立つ場所に次々と配置しました。

当時より数は減りましたが、現在でもパリ市内には約100のワラスの泉が、現役で残っています。

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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