海外旅行・観光情報の「地球の歩き方」TOP > 特派員ブログ > ヨーロッパ  > パリ特派員ブログ > パリの新スポット「パリ解放博物館」でレジスタンス運...

フランス/パリ特派員ブログ 守隨 亨延

フランス・パリ特派員が現地からヨーロッパ地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2019年8月28日

パリの新スポット「パリ解放博物館」でレジスタンス運動と地下施設を見学しよう


パリの新スポット「パリ解放博物館」でレジスタンス運動と地下施設を見学しよう

5921.jpg


第二次世界大戦のパリ解放から、今年で75年目になりました。


パリが解放された8月25日には、今年もパリ市内では記念イベントがいくつか行われましたが(過去記事「第二次大戦「パリの解放」75年記念パレードが8月25日に開催される 」)、その中の1つがパリ解放博物館(パリ解放博物館 - ルクレール将軍博物館 - ジャン・ムーラン博物館)の、モンパルナスからパリ市内ダンフェール・ロシュローへの移転リニューアルオープンです。


8月25日夕方にプレオープン、そして同27日より一般向けの開館がありましたので、早速見学に行ってきました。

5922.jpg


場所はダンフェール・ロシュロー広場の中央。カタコンブ・ド・パリ(市営納骨堂)入口の、道路を挟んで向かい側です。なぜ同所でのリニューアルオープンになったかというと、ここにはかつて、ドイツ占領軍に対して展開されたレジスタンス運動の活動家アンリ・ロル・タンギー大佐が、作戦本部とした地下遺構があるためです。


元々、パリの地下には採石跡が地下空間として広がっていました。その一部を利用して、カタコンブになっていたりするのですが、その迷路のように入り組んだその地下空間が、第二次大戦のドイツ占領下においては、ドイツに対抗するための活動場所でした。


5923.jpg


ドイツ軍によってパリが陥落したのは1940年6月30日。連合国軍によって、再びパリが解放されるのが1944年8月25日です。ドイツのフランス侵攻後は、独仏休戦協定に基づきフランスの北半分をドイツが、南半分はフィリップ・ペタンを首相とするヴィシー政府(当初の首都はボルドー、後にヴィシー)が治めました。ペタンはドイツと協調していくことで、フランスの地位を確保し続けていこうと考えました。


5924.jpg


ちなみに、ドイツ軍がパリでの本部にしたのがル・ムーリス。現在もパラスホテルとしてや、ミシュラン3つ星を獲得しているレストランとしても有名ですね。すぐ隣にはサロン・ド・テのアンジェリーナもあります。そう聞くと、歴史が苦手な人も少し親近感も湧くのではないでしょうか。


一方で、もっと強固にドイツに対して抵抗姿勢を見せたのが、海外へ亡命したシャルル・ド・ゴールなど自由フランス軍であり、パリなどでのレジスタンスでした。フィリップ・ルクレール(フィリップ・ド・オートクロク)やジャン・ムーラン、ロル・タンギーなどは、その中心となった軍人や活動家でした。ドイツに抵抗し、パリの解放を実現したド・ゴールらの名前は、現在ではフランス各地で通りや広場など地名になっています。パリの空の玄関口も"シャルル・ド・ゴール"空港ですね。


5925.jpg


パリ解放博物館は、地上階と地下の2層で陳列されており、地上階にはルクレール将軍に関連した展示が中心となっています。ドイツ軍のフランスへの侵攻、ヴィシー政府のことなど、当時の政治的情勢や、市民の生活などを順に追いながら進みます。


当時の物資の配給切符の他に、ドイツ軍兵士が百貨店プランタンで買い物をする写真などもあり、現在のパリとの接点を比べながら見学しても、興味深いです。


5926.jpg


続いて階段を降りて地下へ行くと、ジャン・ムーランはじめレジスタンス運動をした活動家たちのことについての説明に入ります。ここにはパリ市内に広がる地下通路の、当時描かれた全体図などもあります。


5927.jpg


地下の展示部分を終えると、地上階と地下がつながる吹き抜け部分に至り、そこではパリ解放の様子が展示されています。シャルル・ド・ゴールがパリ解放後のシャンゼリゼ通りで、凱旋パレードをする有名な映像などが流れています。


すべての展示の終わりには、鉄扉が取り付けられた地下空間へつながるスペースがあります。そこがロル・タンギー大佐の司令室への入口です。


5928.jpg


ここから100段の階段を使い、地下20mまで下ります。司令室へは自由に出入りできるわけではなく、決められた時間ごとに1回の入場が18人までと人数が決まっているため、混み合う場合は入れないことがあります。


5929.jpg


パリとフランスの近現代史をより重層的に知ることができる博物館です。


【データ】
Musée de la Libération de Paris - Musée du général Leclerc - Musée Jean Moulin(パリ解放博物館)
住所:Place Denfert-Rochereau 4 Avenue du Colonel Henri Rol-Tanguy 75014 Paris
開館時間:10〜18時
定休日:月曜
入館料:無料
最寄り駅:地下鉄4、6号線/RER B線Denfert-Rochereau


フランス関連の速報と今のフランスの様子はTwitter(@arukikataparis)から、フランス国内外の取材写真はInstagram(@katoyukinobu)よりお知らせしています。『地球の歩き方』本誌およびフランス/パリ特派員ブログとあわせてチェック!

にほんブログ村 旅行ブログ フランス旅行へ

記事の商用利用を希望される際はコチラからお申し込みください。
カテゴリー お知らせ 文化・芸術・美術 生活・習慣・マナー 見所・観光・定番スポット
2019年8月28日
« 前の記事「アンジェリーナの絶品ランチ付き!ギャラリー・ラファイエットの新ショッピングサービスがお得」へ
»次の記事「シャルトル大聖堂でお坊さんが読経を披露、桜井市との友好都市で真言宗の僧侶ら」 へ
パリ特派員 新着記事
コロナ入国待機で公共交通機関使えないので羽田空港まで自転車で行ってみた
ワクチン証明提出で待機10日に短縮、フランスから日本への入国最新レポート【2021年10月9日】
パリの最高級ホテル「ブリストル」の看板猫ファラオンが退職し後継に息子のソクラット
ジャン=ポール・エヴァンのクリスマスケーキ予約が開始、2021年テーマは「明日への希望を歌おう」
パリのプランタンにエッフェル塔展望できる新スポットがオープン、世界最大級のサステナビリティフロアも
さよなら紙の回数券、パリ地下鉄で紙の10枚綴りカルネ販売が順次終了しデジタル化
フランスで今も根強いグレンダイザー人気、パリ日本文化会館で特別展が開催中【~2021年10月30日】
ワクチン接種で陰性証明不要、日本からフランスへの入国レポート【2021年9月25日時点】
1年前の同じ月に投稿された記事
ルーブル美術館に隣接、便利なカルーゼル・デュ・ルーブルの使い方
パリで話題、街角にある小用専用トイレ「ユリトロトワール」とは?
フランスのご当地キャラ、アステリックスの世界に浸れる遊園地「パルク・アステリックス」へ行こう
ヤノベケンジ×堀木エリ子「SHIP'S CAT」展がパリのカルーゼル・デュ・ルーブルで2018年8月28日まで開催中【ジャポニスム2018】
パリ5区で開催中のアート企画「Illustres ! C215 autour du Panthéon」でパンテオン周辺を巡ろう
パリを一望しながらくつろげるギャラリー・ラファイエット屋上テラス「ラ・パイヨット」
最新情報満載! 『地球の歩き方 aruco パリ 2019~2020年版』発売中です

フランス ツアー最安値


2021/3/31更新

フランス 航空券情報


フランス旅行 旅スケジュール

旅行者の作る、新着!旅スケジュールをご紹介します。 ■フランスの旅行記・口コミ「旅スケ」へ

ヨーロッパ特派員ブログ一覧

アイスランド/レイキャヴィークアイルランド/ゴールウェイイギリス/イーリーイギリス/ウェルシュプールイギリス/エディンバライギリス/カーディフイギリス/ギルフォードイギリス/グラスゴーイギリス/ケンダルイギリス/ケンブリッジイギリス/コッツウォルズイギリス/ヒースローイギリス/ブリストルイギリス/ベルファストイギリス/ヨークイギリス/ロンドンイギリス/ロンドン2イギリス/ロンドン3イギリス/ロンドン4イタリア/アンコーナイタリア/アンドリアイタリア/シチリア島イタリア/ジェノバイタリア/トリノイタリア/ナポリイタリア/ナポリ2イタリア/ナポリ3イタリア/パルマイタリア/フィレンツェイタリア/ベネチアイタリア/ボローニャイタリア/ミラノイタリア/ミラノ2イタリア/ラ・スペツィアイタリア/ローマイタリア/ローマ2イタリア/ローマ3ウクライナ/オデッサエストニア/タリンエストニア/タルツオランダ/アイントホーフェンオランダ/アムステルダムオランダ/デルフトオランダ/デンボスオランダ/ライデンオーストリア/ウィーンオーストリア/ウィーン2オーストリア/チロルオーストリア/リンツキプロス/ニコシアギリシア/パロス島ギリシャ/アテネクロアチア/コルチュラ島クロアチア/ザグレブクロアチア/ドゥブロヴニクジョージア/トビリシスイス/アッペンツェルスイス/チューリヒスイス/ベルンスウェーデン/ストックホルムスペイン/イビサ島スペイン/バルセロナスペイン/バルセロナ2スペイン/バレンシアスペイン/バレンシア2スペイン/ビトリアスペイン/ビルバオスペイン/マドリッドスペイン/マドリッド2スペイン/レオンスロヴェニア/リュブリャナセルビア/ベオグラードチェコ/ブルノチェコ/プラハチェコ/プラハ2デンマーク/コペンハーゲンドイツ/ケルンドイツ/ケルン2ドイツ/シュタインバッハドイツ/デュイスブルクドイツ/デュッセルドルフドイツ/ハノーファードイツ/ハンブルクドイツ/フライブルクドイツ/フランクフルトドイツ/ブレーメンドイツ/ベルリンドイツ/ボンドイツ/ミュンヘンドイツ/ミュンヘン2ドイツ/ミンデンドイツ/ライプツィヒドイツ/レーゲンスブルクドイツ/ワイマールノルウェー/オスロノルウェー/オスロ2ノルウェー/オスロ3ノルウェー/ベルゲンハンガリー/ブダペストフィンランド/サヴォンリンナフィンランド/トゥルクフィンランド/ヘルシンキフィンランド/レヴィ・サーリセルカフランス/アヌシーフランス/アンボアーズフランス/カンヌフランス/コートダジュールフランス/ストラスブールフランス/トゥルコアンフランス/トゥールーズフランス/ナルボンヌフランス/パリフランス/パリ2フランス/パリ3フランス/ブールジュフランス/ボルドーフランス/マルセイユフランス/リヨンフランス/リヨン2フランス/レンヌブルガリア/ソフィアブルガリア/プレヴェンベルギー/アントワープベルギー/ゲントベルギー/ブリュッセルベルギー/ブリュッセル2ベルギー/ルーヴェンポルトガル/ポルトポルトガル/リスボンポーランド/カトビッツェマケドニア/スコピエマルタ/マルタ島モンテネグロ/ポドゴリツァヨーロッパ/バルカンラトヴィア/リーガルクセンブルク/ルクセンブルクルーマニア/ブカレストロシア/サンクトペテルブルグロシア/モスクワ

ヨーロッパにもどる

  • 特派員プロフィール
  • パリ特派員

    パリ特派員
    守隨 亨延
    ジャーナリスト。愛知県出身。ロンドンにて公共政策学修士を修めた後、日本でガイドブックおよび雑誌記者として活動する。2009年に渡仏。ANNパリ支局勤務を経て、現在は株式会社プレスイグレック代表。専門は日仏比較文化と社会、ツーリズム。取材経験はカンヌ国際映画祭、ユネスコをはじめ国際機関、パリ同時多発テロ事件、フランス大統領選など。欧州を中心に約60カ国800都市に渡航経験あり。フランス外務省発行記者証所持。フランス/パリの旬の話題を中心に更新していきます。お仕事などのお問い合わせは株式会社プレスイグレック、またはメールにて。
    Twitter
    Instagram DISQUS ID @arukikataparis

  • リーダーに登録

地球の歩き方Web特派員募集