パリで探すルイ16世の足跡 フランス革命から断頭台に登るまで

公開日 : 2020年04月14日
最終更新 :
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▲コンコルド広場でギロチンにより首を落とされたルイ16世 Paris Musées / Musée Carnavalet

ここ数日、日本で「ルイ16世」という単語をよく聞きますので、ルイ16世を感じられるフランス革命にちなんだパリと、その近郊のスポットを紹介します。ルイ16世(1754-1793)というのは、フランス革命時のフランス国王であり、マリー・アントワネットの夫です。

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▲パリから逃亡するルイ16世 Paris Musées / Musée Carnavalet

バスティーユ広場

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© Paris Tourist Office - Photographe : © Sarah Sergent

1789年7月14日、生活に苦しんでいたパリの人々が蜂起し向かったのが、当時パリ東部サン・タントアーヌにあったバスティーユ(監獄)でした。バスティーユは占拠され、ここから一連のフランス革命につながっていきました。

バスティーユは革命後に解体されたため、現在建物はありません。バスティーユの跡はバスティーユ広場になり、中央には7月革命記念柱が建っています。フランスの国体を変えるきっかけとなったバスティーユ襲撃ですが、当日ルイ16世は日記に「Rien(何もなし)」と記していたそうです。

ヴェルサイユ宮殿

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©︎ Améllie Peingnez

ルイ13世の別荘を、ルイ14世が大規模に拡張し、豪華な建物と広大な庭園を備えた宮殿として整えました。莫大な財力と労力が宮殿建設に費やされ、続くルイ15世、そしてルイ16世の治世下でも改装は続きましたが、1789年に始まったフランス革命で、その絶対的権力の中枢としての役割は終えました。

チュイルリー公園

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© Paris Tourist Office - Photographe : © Studio TTG

かつてパリにあったチュイルリー宮殿の庭として、ヴェルサイユ宮殿の庭園設計者と同じル・ノートルによってデザインされました。チュイルリー宮殿自体は1564年に宮殿造営が開始され、その後も増改築がされていきましたがフランス革命により蜂起した民衆は、1792年の「8月10日事件」でチュイルリー宮殿を占領。王権は停止しました。

フランス革命に際し、1791年6月20日にパリからの脱出を企てたルイ16世は、フランス東部ヴァレンヌで捕らえられ、チュイルリー宮殿に軟禁されました。宮殿自体は1871年、パリ・コミューンの鎮圧時に焼失しています。

タンプル広場

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© Paris Tourist Office - Photographe : Daniel Thierry

民衆と軍隊のチュイルリー宮殿の占領により、ルイ16世など国王一家はタンプル塔に幽閉されました。タンプル塔は、元はテンプル騎士団の本拠地であり、その後はおもに修道院として使われていました。場所は現在のパリ3区のタンプル広場辺りですが、1808年のナポレオンの時代に取り壊されたため、現在建物は残っていません。

・住所: Square du Temple - Elie Wiesel 75003 Paris

コンコルド広場

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© Paris Tourist Office - Photographe : © Sarah Sergent

シャンゼリゼ通りの東端にある広場で、ここでルイ16世はギロチンで処刑され生涯を終えました。ギロチンの刃は向きが斜めになっていますが、革命前に処刑具としてギロチンを導入した際に、この刃の向きの改良を助言したのは、ルイ16世自身でした。

▲フランス革命の時代を描いた映画『レ・ミゼラブル』(2012年)

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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