フランスから日本への渡航まとめ、検疫所ホテル隔離なしでの入国最新事情【2021年7月24日時点】

公開日 : 2021年07月28日
最終更新 :
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現在、フランスから日本への入国には、入国後14日間の自宅待機が求められています。以前は必須だった検疫所が指定する宿泊施設(ホテルなど)での3日間待機は、2021年7月9日からフランスは対象国から外されており(参考記事「フランスから日本入国の3日間ホテル隔離がなくなり2週間の全日程で自宅など待機へ【2021年7月9日~】」)、空港到着後は公共交通機関を使わず各自の待機先まで移動し、そこで14日間の待機を行います。

2021年7月24日にフランスから日本へ帰国した際の、最新事情をレポートします。

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日本出発前に準備するもの

フランスから日本への入国には、「1. 出国前検査証明」「2. 誓約書」「3. スマートフォン」「4. 質問票」が必要です。

1. 出国前検査証明

出国前検査証明とは、日本の厚生労働省が指定した検査方式による、出国前72時間以内に実施した新型コロナウイルス感染が「陰性」であることの検査証明です。日本人も含め全ての入国者・再入国者・帰国者に必須となっています。

検査証明書を提出できない(日本人を含む)場合は、検疫法に基づき、日本への上陸が認められません。出発国において搭乗前に検査証明書を所持していない場合には、航空機への搭乗を拒否されます。

検査証明は、原則として厚生労働省の所定フォーマットを利用します。各国・地域の事情などでやむを得ず所定のフォーマット以外を使用する場合(任意のフォーマットの場合)、搭乗手続および日本上陸時の確認に時間がかかることがあり、不備があれば搭乗拒否や日本への入国が認められないことがあります。

所定のフォーマットは、日本の厚生労働省のウェブサイト からダウンロードできます。フランス語版もあります。

今回、私はパリ市内のラボを訪れ、そこで検査。検査を受ける前に、「日本への渡航であること」「日本の厚生労働省が定めるフォーマットの取得を希望すること」を受付で伝えました。すると受付の人から「検査結果が出た後、明日また来てください」と返答をもらったため、翌日に再度ラボへ赴き、所定のフォーマットに必要事項を記載してもらいました。

なお、所定のフォーマットでの陰性証明の取得方法については、以前の特派員ブログの記事「フランスから日本への帰国体験談、出発72時間前PCR検査証明の取り方」にいくつか選択肢を記載しましたので、こちらをご参照ください。

2. 誓約書

日本行きのフライトの機内で配られます(もしくは日本到着後にも受け取り可能)。事前の準備は必要ありません。

3. スマートフォン

日本でも使用可能なスマホの用意が必要です。スマホが用意できない場合は、日本到着後にレンタルする必要があります(日本到着後にレンタルできる受付があります)。スマホには入国者健康居所確認アプリ「MySOS」と接触確認アプリ「COCOA」のふたつのアプリのインストールが必要です。

なお、以前はインストールが必須だった位置情報アプリ「OEL」は、新しく開発された「MySOS」に役割が統合され、現在は使用されていません(過去すでにOELをインストール済みの場合、削除しても構いません)。またテレビ電話などによる位置確認も、以前はSkypeやWhatsAppを通して行っていましたが、これも「MySOS」内の機能を使って行っています。

これらアプリは、日本入国後にインストールしてもいいですが、私は日本到着後の空港係員の確認時間短縮のために、事前にインストールしておきました。インストールについては、日本の厚生労働省のウェブサイトに説明があります。

4. 質問票

日本に入国する際に、新型コロナウイルス感染症の検疫手続として、滞在歴や健康状態を記入した「質問票」を検疫官に提出する必要があります。質問票には事前にウェブからアクセスし、QRコードを取得します。アクセス方法は、日本の厚生労働省のウェブサイト に書かれています。

入力項目には搭乗フライトの座席番号などもあるため、これは出発当日のチェックイン後(座席確定後)に記入します。記入後に生成されるQRコードは、スクリーンショットをとって保存しておきます(ブラウザから消えてしまうといけないため)。

記入は搭乗の待ち時間でもいいですし、日本到着後でもいいです。フライト中の機内WiFiを使って行う場合、インターネットの速度の関係上、ページを開くことができない可能性が高いため、空港内での記入をおすすめします。私は出発時の搭乗待ち時間に行いました。

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シャルル・ド・ゴール空港までのアクセス

2021年7月24日現在、パリ市内からシャルル・ド・ゴール空港までは、パリ市内と空港を結ぶバス「Le Bus Direct」以外の各公共交通機関は動いています(ロワシーバス、RER B線、タクシーおよびUberなど配車アプリなど)。

ただし、RER B線は夏期の工事(2021年7月1日~8月27日の月~金曜)のため、Aulnay-sous-Bois駅とAéroport Charles de Gaulle 2駅の間は、工事期間中はバスによる代替輸送となっています。

交通状況は刻々と変化しますので、パリ交通公団(RATP)や各交通期間のウェブサイトを出発前に、あわせて確認することをおすすめします。

搭乗手続きと機内での日本入国準備

空港での搭乗手続きは、通常通りのパスポート確認とあわせて、上記「1. 出国前検査証明」の確認が行われます。ここで要件を満たした出国前検査証明を所持していない場合、航空会社により搭乗が拒否される可能性があります。

チェックインカウンターですべての確認が終わり無事チェックインが終われば、出国。シャルルドゴール空港の出国審査場のレーンに並ぶ際に、空港係員から「ワクチン接種済みか否か」を聞かれ、それによってレーンを分けられました。2021年7月24日時点では、それ以上の確認はありませんでしたが、今後、もしかしたら出国の際の動線に変化があるかもしれません。

ワクチン接種証明や陰性証明などの衛生パスポートについては、特派員ブログの記事「新型コロナ衛生パスポートの使い方まとめ、飲食店や商業施設での確認が順次開始【2021年7月21日~】」をご参照ください。

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制限エリアに着いたら、フライトを待つ間に上記「4. 質問票」をスマホで記入しておきましょう。なお2021年7月24日現在、すべての免税店は開いており、ラウンジも営業しています。

機内では、通常通りの税関申告書に加えて、「2. 誓約書」が配られます。到着後の検疫手続きをスムーズに済ませるため、誓約書は機内で記入しておくといいです。感染防止のため各座席に雑誌などはなく(頼めば出してくれます)、例えばエコノミークラスの場合、ギャレーに飲み物やお菓子は出されていません。ほしい場合は客室乗務員の方に尋ね、サーブしてもらいます。

日本到着後の検疫手続きの流れ

飛行機が羽田空港に到着すると、入国前に検疫があり、必要書類の確認および新型コロナウイルスの抗原検査が行われます。表記された道順に従って、個別に進んだ以前(2021年4月時点)と異なり、今回は一般旅客をひとまとめにして、係員が検査場まで誘導してくれました。

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検査場では、「出国前検査証明の確認」「記入済み誓約書の回収」「質問票で回答した後に出るスマホQRコードの確認」があります。唾液による抗原検査を行い、結果が出るまでターミナル内の指定された制限エリアにて待機します。検査までにかかる時間は1時間ほど、その後、検査が終わって結果が出るのが1時間で、合計2時間で羽田空港の到着ロビーに出られました。検査結果を待つスペースには、今回は自動販売機とトイレがありました。

ターンテーブルから出てくる預け荷物は、私が乗ったANAパリ・羽田便の場合は、すでに地上係員が名前別にカートに載せ、整えておいてくれました。

空港から14日間の待機場所までの移動

待機場所(自宅や自ら手配したホテルなど)への移動に公共交通機関は使えません。公共交通機関を使わない移動とは、家族などの車による出迎え、ハイヤーの手配、検疫所が用意した巡回バス(海外からの待機帰国者専用:無料)などです。空港に乗り入れている列車、バス、モノレール、飛行機、タクシーは使えません。

私の待機場所は、検疫所が用意した巡回バスが通るルートにありますので、そのバスを使いました。同バスは空港周辺を定期的に2ルートで回っています。時刻表と乗車に際しての注意は、東京検疫所のウェブサイトをご覧ください。

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▲検疫所が用意したバスの時刻表(東京検疫所のウェブサイトより)

自主待機中は入国者健康居所確認アプリ「MySOS」による位置情報の確認とビデオ通話がランダムに行われます。ビデオ通話は、AIによる連絡と人間による連絡があり、それらが不定期にアプリを通じてかかってきます。

【14日間の待機中に必要な報告】

- 健康状態の報告

- 位置情報による現在地の報告

- 通話による現在地報告

現在地の報告については、私自身もどのような判断とタイミングで実施しているかはわからないため、時間などは詳細にお伝えすることができません。決められた通りに自主待機している分には、特に負担になるような通知と内容ではありません。

*同記事は2021年7月24~25日に移動した時点のものであり、出入国のシステムは今後も変更が予想されます。日本行きの準備には、日仏関係当局のサイトをあわせてご参照することを強くおすすめします。

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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