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イタリア/パルマ特派員ブログ 西村 明美

イタリア・パルマ特派員が現地からヨーロッパ地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。


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前回に続いてパルマの名産品をご紹介します。
プロシュット・ディ・パルマ(パルマ産生ハム)は、日本でも大型スーパーなどで見かけるようになりましたね。
日本ではイタリアンレストランに行かなければなかなかスライスしたばかりの生ハムは食べることが難しいかもしれません。
イタリアにいらっしゃったら、ぜひ、スライスしたばかりの香り高いパルマの生ハムを食べるのをお忘れなく!!
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プロシュット・ディ・パルマは、パルマの南、アペニン山脈の麓の丘で作られています。
パルミジャーノ・レッジャーノ同様、EUからDOP(原産地保護保証)に指定されている食品です。原産地保護保証は、伝統的な方法で、その地方独特の地域性を生かして生産された食品に与えられます。生産方法、生産地など、規律があり、それに従って生産され、最終的に検査に合格したものしかプロシュット・ディ・パルマと名乗ることができないのです。
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パルマの丘。アペニン山脈からリグリア海からの海風が川を通って降りてきます。その風を浴びて熟成されるのが、パルマハムの特徴です。
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パルマハム、豚の後ろ足で作られます。
豚は、イタリア産、そしてイタリアの10の州の中で生まれ育ったものと決められています。
パルマハム用の豚として生まれ、生まれた月と養豚場番号が、刺青されます。それはハムとなっても残り、トラッサビリティー(原産地としてわかるようになっている)が取れる仕組みになっています。と畜場も同様に、屠畜月とと畜場番号が焼印として残ります。
ハムの工場に入ると、工場番号と工場に入った月が焼印され、塩漬けされます。
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その後は、乾燥を待ち、熟成させるというローマ時代からされている単純なハム作りです。
自然の環境を生かして、自然の酵母がハムを熟成させます。
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こちらが熟成庫。
わーと思わず声が出てしまう大量のハムと熟成香。
塩漬けしてから12ヶ月経つと、パルマハムの検査員が工場で検査します。
こちらの針で検査します。
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これは馬のアキレス腱でできているもので、目に見えない小さな穴がたくさんあり、一瞬にしてハムの内部の香りを閉じ込め、一瞬にして外に出すのだそう。検査員は、この針をハムに刺して、欠陥がないのを確認します。
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そしてこの冠の焼印が押され、初めて、プロシュット・ディ・パルマとして世に出ることができるのです。
パルマのこの土地で生まれたプロシュット・ディ・パルマ。
生まれた土地でスライスしたての生ハムは、脂肪分が口の中でとろけて、格別です。
是非お試しください。お土産としては持ち帰れませんのでご注意ください。(税関で没収されてしまいます)


2017年9月 7日

8月も最終週ですが、パルマはまだまだ暑い日が続いています。

今年は、雨が少なくて、暑くて、海、山はバカンス客で大繁盛だったようです。暑さが続いているので、週末、海、山に出かける人も多く、街はまだ人が少ないように感じます。

さて、今回はパルマ人の生活になくてはならないもの、パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズのお話をしようと思います。
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日本ではスーパーなどで、真空パックになって売っているのを見かけられるのではないでしょうか。
パルミジャーノとは、「パルマの」、そしてレッジャーノとは「レッジョ・エミーリアの」という意味のイタリア語です。
パルマとレッジョ・エミーリア近郊で生産されるチーズです。

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これが原型。一つ40kgもあります。「チーズの王様」とも言われています。味、栄養価とも子供からお年寄りにまで愛される食品で、イタリアでは子供の離乳食として、また病院でもおかゆにパルミジャーノを削ってかけたものが食事に出るほど、体に優しい健康食です。

パルマ人は、何にでもパルミジャーノ・レッジャーノをかけて食べると言われる程、このチーズを好んで食べます。

このチーズは1200年代から教会の修道士によって作られるようになりました。昔パルマは、沼地が多く、それを開拓して行くのに多くの牛を使っていました。この多くの牛の乳を使って乳を保存できる形をと、この大型のチーズが作られ始めました。長期熟成ができ、さらに削ってお料理にも使えるということで、重宝されました。

現在ではヨーロッパからDOP(原産地保護保証)という伝統的に地域で生産されている食品として生産法、生産地域など、細かい規律に沿って作られなければなりません。

この大型チーズなんと1100リットルの牛乳が原料です。それに子牛の胃を乾燥させたもの(乳を固まらせる役目をします)を入れて、温め、形を作って固まらせた後、約20日間塩水につけて塩を内部に入り込ませ、さらに熟成させ、12ヶ月経って、検査員の合格を得たものだけが、パルミジャーノ・レッジャーノとして、市場に出ることができます。

では順に写真で見ていきましょう。
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これが牛乳を温めるための釜です。銅製で、釜全体に伝熱するようになっています。銅製の釜というのは伝統的に使われているものです。
もたれさせておいてあるのは、凝乳をカットするための道具、スピーノです。
そこに前日搾乳された牛乳を自然に脂肪分を取り除いたものを入れます。
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牛乳を大きなバットに入れて、一晩置くと、自然と脂肪分が浮き上がります。その浮き上がった脂肪を取り除いた乳と朝とれたての生乳を混ぜます。
前日のチーズ作りで出た水分(ホエーと呼ばれます)を加えて、温度を上げていき、33度くらいまで上がったら凝乳酵素となる子牛の胃を乾燥させた粉末を入れます。ヨーグルト状になったらスピーノで凝乳をカットします。最後に撹拌しながら、53度ぐらいまで温度を上げて、乳を温めます。そしてチーズマイスターがOKを出したところで、加温を止め、凝乳が鍋の底にたまるのを待ちます。
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それを引き上げて2つに分けます。
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一つの鍋から2つのパルミジャーノ・レッジャーノができます。
それを型に入れて、3日間ほどおいてから、塩漬けです。
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約20日間、塩水プールに入れて、塩を浸透させます。

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最後に、棚に置かれて最低12ヶ月の年月を待ってやっと私たちの食卓に載ることができるのです。

製造過程では、チーズマイスターが加熱から凝乳のカッティング、全ての点で、最新の注意を払っています。なぜなら、12ヶ月後の検査で合格しなければ、パルミジャーノ・レッジャーノとして販売することができず、販売価格がどーんと下がってしまうからです。工場のオーナーは、チーズマイスターとの契約時に合格パーセンテージを入れている場合もあるということ。厳しい世界です。

日本でも手に入りやすくなったパルミジャーノ・レッジャーノ、ぜひご自宅の食卓でパルマの味をご賞味ください。


パルマで実際に職人さんのチーズ作りを見学して見ませんか。工場見学オーガナイズしています。
http://akemi-nishimura.wixsite.com/sapore-italiano
イタリア旅行のお土産にも喜ばれるものの一つです。



2017年8月25日

こんにちは。
あっという間の2週間の休暇を終えて、猛暑のパルマから書いています。

毎年行くドロミテの山ですが、その魅力にどんどん惹きつけられています。
猛暑のパルマから逃れて、太陽は強いけれど、日陰に入るととっても快適。そして、汗をかく事なく歩き、小川には冷たい水が流れる、、、。

さて、ドロミテの中でも世界的に有名な、(世界でもっとも写真の被写体となっている山の一つ)tre cimeトレチーメ。
トレとはイタリア語で3。3つの山頂という意味です。
その魅力は、イタリア側からみる姿とオーストリア側から見る姿の違いとも言われています。
trecime.jpgイタリア側
trecime2.jpgイタリア側
trecime3.jpgオーストリア側(山だけの写真が見つからなかったので、夫と我が家の犬「くま」が入ってしまいました。。。

オーストリアの方向からみた方が、3つの山というのがはっきりとわかりますね。


このトレ・チーメには麓の美しい湖、ミズリーナ湖から自動車、もしくはバスが出ています。
ミズリーナ湖
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写真の左側に見えるのがトレ・チーメです。標高1754mですから、かなり涼しいです。

ミズリーナ湖からさらにぐんぐん上がるとトレ・チーメに到着します。
バス、車の駐車場近くから、アウロンツォ小屋へ。そしてラヴァレード小屋、さらに歩き続けてロカテッリ小屋へ。rifugioリフージョというのが山小屋という意味なのですが、この3つの山小屋を回って、アウロンツォ小屋まで戻ると1周です。

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富士山に登るような感じで、子供から老人まで周っています。もちろん登山用の格好に、登山靴は必要です。
そして山のお天気は変わりやすいので、スエットのような上に羽織るものや、雨具もリュックには入れておきます。

こうやってしっかり歩いた1日の後には、美味しいご飯が待っています。
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上からカズンツェイという赤カブの入ったラビオリ、サーモンときのこのニョッキ、ハム、サラミ、チーズの盛り合わせ。
山のお料理は美味しく、たっぷりです。1人前を2人で分けるぐらいでちょうどいいかもしれません。

また別の日はサイグリング。コルティーナという街は観光地(避暑地)として日本でも知られてきていますね。インフォメーションセンターに情報はしっかり発信しています。コルティーナからドビアッコという街までサイクリング道があります。片道31kmと長いのですが、トレーニングしている人にはおすすめです。
レンタサイクルもあり、1日25ユーロから35ユーロくらいです。

サイクリングコースは沢山ありますが、オススメは、サン・カンディドという街からオーストリアのリンツまで43kmのコースは、比較的下り坂で、人気コースです。そしてリンツでレンタルサイクルを乗り捨てもしくはレンタサイクルごと電車に乗ってサン・カンディドまで戻るのです。子供を乗せるためのサイドカー付きの自転車までレンタルであります。そして最近流行りは、エレクトリック自転車。上り坂は電動で補助してくれるので楽なのだそうです。

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コルティーナのレンタサイクル。
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サン・カンディドのインフォメーション

街のインフォメーションは親切で、様々な情報があります。
山の家でのんびりもよし、スポーツもあり、そして観光も。

www.dolomiti.org
イベントなどの情報もあります。(英語、イタリア語、ドイツ語)

夏の間は、イタリア国鉄でもヴェネツィアからバスが出ているようです。
www.trenitalia.com/Freccialink/Cortina


2017年8月18日
2017年8月 8日
2017年7月29日
2017年7月20日
2017年7月 1日
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  • 特派員プロフィール
  • パルマ特派員

    パルマ特派員
    西村 明美
    1996年よりパルマ在住。イタリアの食に魅せられ、ワイン、ハム、チーズ等のイタリア食材を勉強しています。地元で築いた人脈を生かし、一般の方からメディア向けまで、様々なコーディネートをしています。 AISソムリエ。APRパルミジャーノ・レッジャーノチーズテイスター。イタリアジャーナリスト協会会員。特派員ブログでは食だけではなく、様々な角度からイタリアをお伝えします。 ホームページはこちら DISQUS ID @akemi nishimura

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