パルマで見逃したくないところ、ファルネーゼ劇場
私の両親が初めてパルマに来た時、一番最初に連れて行ったのが、ここ、パルマ国立美術館の一部であるファルネーゼ劇場です。見逃して欲しくない、ヨーロッパに数少ない完全木造、そして世界で初めて額縁型デザインで作られた劇場です。
ピロッタ宮殿の中、2階にあります。パルマ国立美術館の入り口は、大きな建物の陰になり、真夏でも少し涼しく感じます。
入ると、木造の木の温かい雰囲気を感じる事が出来ます。ヨーロッパで普通に見るきらびやかな劇場の華やかさとは違い、日本人にはほっとする感じでしょうか。
この劇場は1618年、パルマ・ピアチェンツァ公国のファルネーゼ家ラヌッチョ公爵によって建設されました。トスカーナのコジモ2世にミラノに行く際、是非パルマにも立ち寄ってもらおうと、ヴィチェンツァにあるオリンピコ劇場(イタリア建築家パラーディオによる設計)をヒントに建設されたという事です。実際にはコジモ2世は病気のため、訪問はキャンセルになり、1628年までの10年間ほとんど使われる事なく放置されていました。
1628年12月21日、ファルネーゼ家ラヌッチョの息子オドアルドがメディチ家コジモの娘マルゲリータと結婚する事が決まり、その祝いにこの劇場で「メリクリウスと戦闘の神マルスの船上での戦い」を実演しました。海上での戦いを、実際に水をはって催し、それがこけら落としという事になりました。劇場にはフレスコ画や大理石の様に魅せるために使われた石膏の像があります。劇場裏にも入ることが出来、木組みの舞台裏が見られます。
当時3000人収容の劇場は、1732年に公開されるまで100年以上で、なんと8回しか使われる事がなかったそうです。
その後1944年5月13日、第2次世界大戦の爆撃により破壊され、1956年、1960年と2回の修復が行われました。
修復後は、パルマ国立美術館の一部として公開されていました。
この劇場が陽の目を見るようになったのは2011年のヴェルディ−フェスティバルで、今は亡きクラウディオ・アッバード氏の指揮でヴェルディーのレクイエムが演奏されてからです。
1年に何回か劇場として使用されているようです。木造ならではの音響の素晴らしさ、チャンスがあれば聴いてみたいものです。
劇場はパルマ国立美術館の一部ですが、劇場のみの入場券もあります。
パルマ国立美術館
月曜休み、火曜日−土曜日8時30分−19時
日曜日8時30分−14時
入場料10ユーロ
テアトロファルネーゼのみ
入場料2ユーロ
毎月第1日曜日は無料で公開されます。
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