パルミジャーノ・レッジャーノチーズ

公開日 : 2017年08月25日
最終更新 :

8月も最終週ですが、パルマはまだまだ暑い日が続いています。

今年は、雨が少なくて、暑くて、海、山はバカンス客で大繁盛だったようです。暑さが続いているので、週末、海、山に出かける人も多く、街はまだ人が少ないように感じます。

さて、今回はパルマ人の生活になくてはならないもの、パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズのお話をしようと思います。

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日本ではスーパーなどで、真空パックになって売っているのを見かけられるのではないでしょうか。

パルミジャーノとは、「パルマの」、そしてレッジャーノとは「レッジョ・エミーリアの」という意味のイタリア語です。

パルマとレッジョ・エミーリア近郊で生産されるチーズです。

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これが原型。一つ40kgもあります。「チーズの王様」とも言われています。味、栄養価とも子供からお年寄りにまで愛される食品で、イタリアでは子供の離乳食として、また病院でもおかゆにパルミジャーノを削ってかけたものが食事に出るほど、体に優しい健康食です。

パルマ人は、何にでもパルミジャーノ・レッジャーノをかけて食べると言われる程、このチーズを好んで食べます。

このチーズは1200年代から教会の修道士によって作られるようになりました。昔パルマは、沼地が多く、それを開拓して行くのに多くの牛を使っていました。この多くの牛の乳を使って乳を保存できる形をと、この大型のチーズが作られ始めました。長期熟成ができ、さらに削ってお料理にも使えるということで、重宝されました。

現在ではヨーロッパからDOP(原産地保護保証)という伝統的に地域で生産されている食品として生産法、生産地域など、細かい規律に沿って作られなければなりません。

この大型チーズなんと1100リットルの牛乳が原料です。それに子牛の胃を乾燥させたもの(乳を固まらせる役目をします)を入れて、温め、形を作って固まらせた後、約20日間塩水につけて塩を内部に入り込ませ、さらに熟成させ、12ヶ月経って、検査員の合格を得たものだけが、パルミジャーノ・レッジャーノとして、市場に出ることができます。

では順に写真で見ていきましょう。

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これが牛乳を温めるための釜です。銅製で、釜全体に伝熱するようになっています。銅製の釜というのは伝統的に使われているものです。

もたれさせておいてあるのは、凝乳をカットするための道具、スピーノです。

そこに前日搾乳された牛乳を自然に脂肪分を取り除いたものを入れます。

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牛乳を大きなバットに入れて、一晩置くと、自然と脂肪分が浮き上がります。その浮き上がった脂肪を取り除いた乳と朝とれたての生乳を混ぜます。

前日のチーズ作りで出た水分(ホエーと呼ばれます)を加えて、温度を上げていき、33度くらいまで上がったら凝乳酵素となる子牛の胃を乾燥させた粉末を入れます。ヨーグルト状になったらスピーノで凝乳をカットします。最後に撹拌しながら、53度ぐらいまで温度を上げて、乳を温めます。そしてチーズマイスターがOKを出したところで、加温を止め、凝乳が鍋の底にたまるのを待ちます。

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それを引き上げて2つに分けます。

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一つの鍋から2つのパルミジャーノ・レッジャーノができます。

それを型に入れて、3日間ほどおいてから、塩漬けです。

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約20日間、塩水プールに入れて、塩を浸透させます。

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最後に、棚に置かれて最低12ヶ月の年月を待ってやっと私たちの食卓に載ることができるのです。

製造過程では、チーズマイスターが加熱から凝乳のカッティング、全ての点で、最新の注意を払っています。なぜなら、12ヶ月後の検査で合格しなければ、パルミジャーノ・レッジャーノとして販売することができず、販売価格がどーんと下がってしまうからです。工場のオーナーは、チーズマイスターとの契約時に合格パーセンテージを入れている場合もあるということ。厳しい世界です。

日本でも手に入りやすくなったパルミジャーノ・レッジャーノ、ぜひご自宅の食卓でパルマの味をご賞味ください。

パルマで実際に職人さんのチーズ作りを見学して見ませんか。工場見学オーガナイズしています。

http://akemi-nishimura.wixsite.com/sapore-italiano

イタリア旅行のお土産にも喜ばれるものの一つです。

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