【マレーシア】ロックダウンまとめ 活動制限令第1期から第4期まで

公開日 : 2020年04月26日
最終更新 :
筆者 : Marina.

マレーシアで新型コロナウイルスに伴う外出制限がはじまってから40日が経過しました。

2020年4月26日現在のマレーシア、ペナンの状況についてお知らせします。

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【マレーシア国内の新型コロナウイルス状況】4月26日12時現在

●総感染者数 - 5,780名

●新規感染者数 - 38名

●回復した人 - 3,862名

●総死亡者数 - 98名

4月26日現在、私が住むペナン州の総感染者数は121名、これまでに112名が回復しました。ペナン州は連日新規感染者ゼロを更新していましたが、本日新たに2名の感染者が出ました。やはりそう簡単にこのウイルスは終息しません。引き続き気をつけましょう。

マレーシアにおける活動制限令(Movement Control Order)は2020年3月18日にはじまり、延長を繰り返し現在のところ5月12日までになっています。4月23日に再々延長がアナウンスされ新型コロナウイルスとの戦いは長期戦になってきました。ここでこれまでの流れをまとめます。

マレーシアにおける、Movement Control Order(活動制限令)

2020年3月18日から5月12日まで

●第1期 3月18日 - 31日 - 3月16日活動制限令発表

●第2期 4月 1日 - 14日 - 3月25日延長決定 

●第3期 4月15日 - 28日 - 4月10日延長決定

●第4期 4月29日 - 5月12日 - 4月23日延長決定

《第1期 3月18日 - 3月31日》

- 宗教、スポーツ、社会文化活動の禁止(私有地含む)

- マレーシア人の出国禁止(外国人の出国は可)

- 外国人観光客、渡航者の入国禁止

- 教育施設、すべての学校の休校、大規模集会は禁止

- 民間企業は水、電気、エネルギー、通信、郵便、輸送、灌漑(かんがい)、放送、金融、保健、薬局、清掃、生活必需品、食料供給スーパー、レストラン(持ち帰りのみ)を除き閉鎖

- 食料品や日用品の購入、医療を受ける場合を除いて外出禁止

※3月25日追加事項

- 公共交通機関の運行時間は時間限定とし午前6時から午前10時、午後5時から午後10時のみ行う

- 自家用車で移動する際の乗車人数は1車両1名(運転手)のみ

3月18日にはじまった、マレーシアの活動制限令。

当初のアナウンスは3月18日から3月31日の2週間ということでした。

しかし第1期では感染者は増える一方。開始1週間が経った3月25日には期間を延長することが早々に発表されました。長い戦いになりそう......これは本当にたいへんなことだと私たちの危機感が高まりました。この頃から制限令があるから外出しないのではなく、感染しないために外出は極力しないようにするとマインドを切り替えた人も多いかもしれません。

3月27日コンドミニアム敷地内でジョギングをしていた日本人4人を含む11名が一時拘束されるという衝撃のニュースが入ってきました。これにより社会活動の禁止事項に敷地内での散歩やジョギングも含まれていることをあらためて認識した人も多かったです。

《第2期 4月1日 - 4月14日》

- 食料の買出し、レストランの持ち帰り販売、配達は午前8時から午後8時まで

- 公共交通機関の運行時間は時間限定とし午前6時から午前10時、午後5時から午後10時のみ行う

- タクシーの運行時間は午前6時から午後10時まで

- ガソリンスタンドの営業は午前8時から午後8時まで

- 自家用車で移動する際の乗車人数は1車両1名(運転手)のみ

- 食料の買い出しは世帯で1名のみ、移動は10km圏内に限る

- 私有地(コンドミアム含む)でのレクレーションおよび社会活動(運動や体操)も禁止

- 強化した活動制限令(EMCO)が適用される地域または建物に住んでいる人は、一切出入り禁止

※4月3日追加事項

国外からマレーシアに帰国・入国した者は保健省により健康検査が実施され14日間の隔離が行われる。

この頃の日々の新規感染者数はマレーシア全土で100から150人前後。

外出制限を守って自宅で過ごしているのに成果が見えているのかいないのか、変わり映えのしない数字に疲れとストレスが溜まってきた頃です。第2期に入り制限が細かく厳しくされたことから車の騒音は減り外出する人も減ったように思います。限定された時間にしか外出できなくなり移動距離についても厳しく制限され検問で軍による取り締まりがより強化されました。第2期では制限令の詳細がより厳しく明示されたことで私たちの危機意識もより強くなりました。

《第3期 4月15日 - 4月28日》

- 4月14日違反者に対する反則金の運用が停止され制限令に違反したものは例外なく逮捕と刑事手続きに進む(以下参照)

- なんらかの必要不可欠なサービスの提供または必要不可欠なサービスに関する職務の遂行のための移動には所要の証明書を提示しなければならない。

- 政府の承認が得られた一部企業の操業を段階的に再開

*必要不可欠なサービス(essential services)

1.食品(Food)

2.栄養補助食品を含むヘルスケアと医療(Healthcare and medical including dietary supplement)

3.水(Water)

4.エネルギー(Energy)

5.治安と防衛(Security and defence)

6.固形廃棄物と公共の浄化管理及び下水道(Solid waste and public cleansing management and sewerage)

7.陸・海・空における輸送(Transportation by land, water or air)

8.港湾、ドック、空港のサービスおよび事業(積み込み、積み下ろし、貨物の取り扱い、伐採、商品の保管または保管を含む)(Port, dock and airport services and undertakings, including stevedoring, lighterage, cargo handling, and pilotage, and storing or bulking of commodities)

9.コミュニケーションとインターネット(Communication and internet)

10.銀行・金融(Banking and finance)

11.電子商取引(E-commerce)

12.燃料および潤滑油の生産、精製、貯蔵、供給、流通(Production, refining, storage, supply and distribution of fuel and lubricants)

13.ホテルと宿泊施設(Hotels and accommodations)

14.当該サービス,業務または産業の規制当局と調整した結果,保健大臣が決定したサービス,業務または産業(Any services, works or industry as determined by the Minister after consultation with the authority regulating the services, works or industry)

15.必要不可欠なサービスの提供に関連した流通(Logistics confined to the provision of essential services)

【活動制限令に違反した場合の罰則】

活動制限令に違反し有罪が確定した場合は,1,000リンギットを超えない罰金若しくは6か月を超えない期間の禁錮又はそれらの両方が課される。

活動制限令第3段階における感染症予防管理法に基づく規制

在マレーシア日本大使館 2020年4月16日掲載

第3期に入り取り締まりはさらに厳重になっています。

これまで違反者は罰金RM1000「約2万5000円)もしくは拘留ということでしたがこれまで恩赦を与え勘弁されていたものが第3期からはなくなりました。すべての違反者は拘留ではなく逮捕され裁判にかけられることになります。酌量なく高額の罰金と3ヵ月の禁固刑もありえるとのことです。気をつけましょう。

第3期に入ってから新規感染者数は目に見えて減ってきました。4月17日以降の日々の新規感染者数はマレーシア全土で100人以下が続いています。

《第4期 4月29日 - 5月12日》

4月23日、活動制限令は5月12日まで延長されることが発表されました。

さらにその後も活動制限令を延長させる可能性があることが言及されており、新型コロナウイルスの拡大が完全に阻止されたと確信するまで続くということです。マレーシアでの活動制限は現在発表されている期間よりさらに長いものになりそうです。

強化した活動制限令(EMCO)

- 指定エリアに住む全ての居住者はEMCO期間の外出禁止

- 非居住者、および訪問者はEMCO期間の指定エリアへの立ち入り禁止

- 該当エリアへの出入域に関する道路を全て封鎖

- 敷地内の生活必需品を販売する店舗以外は閉鎖

- 居住者は配達サービスで食品を注文することができる

- EMCOエリアには医療拠点が設置される

Prime Minister's Office of Malaysia Official Website 2020年4月7日掲載

EMCOは感染者数が急増しクラスターが発生した地域にて期間限定で強化して行われる活動制限令で、これまでにマレーシア国内で6例発令されています。

対象地域居住者は一切外出が禁止され非居住者の立ち入りも禁止されます。出入域に関する道路はすべて封鎖され、国家警察、国軍、民間防衛隊、RELAが地域全域をパトロールを行うとても厳しい措置になります。

マレーシアでの新規感染者数はかなり減ってきましたが、第3期で終えることはできず第4期へ続くことが決定しています。検問も増え罰則も厳しくなり長期戦で疲れてきましたが、承認された一部企業の操業が段階的に再開されるというポジティブな動きも出てきています。これからよくなると信じてがんばりましょう。

■マレーシア首相官邸公式ウェブサイト

■マレーシア保健省

■ペナン州コロナウイルス関連最新情報

■外務省海外安全渡航情報マレーシア

※2020年4月26日現在、活動制限令中の外国人観光客および渡航者のマレーシアへの入国は禁止されています。

筆者

旧ペナン特派員

Marina.

日本をはじめ海外多数の展覧会、美術館を中心にアート活動を行うジュエリー作家。

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