テルマエ(公衆浴場)は本当にブルガリアにあった!古代ローマ人の生活【ヴァルナ】

公開日 : 2014年05月11日
最終更新 :
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に引き続き、黒海沿岸都市ヴァルナ(Варна)に残る、古代ローマの浴場跡を紹介します。

前回の説明では、

・映画テルマエ・ロマエ2は首都ソフィアで撮影された。

・ブルガリア出身の元大相撲力士、琴欧洲さんも映画出演。

・実際にローマの浴場跡は現在のブルガリアのヴァルナにある。

・この浴場は2世紀末に古代都市オデッソスに建てられ、ヨーロッパで4番目に大きい。

でした。さっそくローマの浴場跡の中に入って当時の施設をのぞいてみましょう。

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入り口に入るとすぐ、こちらは脱衣所です。ここでも古代ローマ人たちは、

気の置けない友人たちとの会話を、繰り広げていたのではないかと推測されます。

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各地点にこのような看板が立っています。毎度思うのが、ブルガリアの観光地の説明は素朴で

その場所の雰囲気を壊さずに、存在していて良いと思います。

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この図を見てください。お湯を浴びる (tepidarium) ところです。

そしてこの場所があったのが、

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現在このようになっています。

また別の箇所に湯沸し室 (praefurnium) も設置されています。

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こちらは冷たい水を浴びる (frigidarium) ところです。

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この浴場には、暖かい空気を浴場のいたるところへ巡らす、床下暖房(hypocaust)の設備がありました。

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下の様子も見ることができ、図のような仕組みになっていたことがわかります。

最新の技術を駆使していました。

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地下にもぐったあと、再び地上に出ると、

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熱めのお湯を浴びる (caldarium) ところです。

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たくさんの部屋に分かれています。

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豊富な緑のつたが壁じゅうを覆い、この地が長い年月が経っていることをよく表していました。

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低い浴場跡の地から、周りの新しいアパートがよく見渡せます。

時々角部屋は円形になって、西洋のお城のような外観をしているのが特徴です。

ここは周りの住民の庭のようなところです。贅沢な庭ですね。

ところでここの施設は周りが柵が立っているのみで低い位置にあるので、

通行人の方々が柵の隙間から、こちらを覗いていました。

純粋に浴場跡を眺めているのか、入場客が中にいるのが珍しいのかわかりません。

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濃い青い空と、影を落とす詰まれたレンガが頭上に見えます。

今でもブルガリアの建築は壁にこのようなレンガを使用しています。

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舞台裏のような、木材で支えられた箇所です。

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ぬるま湯を浴びる(tepidarium)ところです。

様々な温度設定のお湯が用意されていたことがわかります。

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バシリカ・ホールと書かれています。この広い廊下は控えの間です。

天井に近い位置には窓が設けられ、採光を十分に取り入れていたことがわかります。

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ローマ時代のアーチはどれも美しいです。真夏日のように見えますが、実際は長袖と薄手の上着が必要な涼しさで、見た目より爽やかな気候です。

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浴場の入り口の下、半地下にはお手洗い (latrinae)もあります!

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トイレを用意していたということが発展した都市であるということが

想像できます。混み合っていたに違いありません。

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トイレの場所は広く設けてあります。

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トイレの頭上には現在、雨よけの屋根が付いています。

2世紀に完成したアーチの間から見える、21世紀の建物との融合はいかがでしょうか。

ところでここにいる犬は、野犬で絶え間なく吠えてきます。

私はチケットを購入した立派な客です。彼らはもちろん未払いで、番犬ではありません。

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チケット売り場の側面ではこのような図も見ることができます。

こちらは、北西から見た、浴場の再現図と周りの町並みの様子です。

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また南東から見た、浴場の再現図と周りの町並みの様子です。

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真上からみた見取り図です。

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門から退場しようとすると、さらに野犬が入ってきました。

この犬は、野犬にしては、毛並みがよく、まるっこい熊のような容貌をしています。

この浴場前の門の前で少し立ち止まり、ふらりと入ってきました、

その様子があまりにおかしく動揺してしまい、門をくぐった瞬間が撮影できませんでした。

犬は長くてやわらかそうな毛としっぽをを揺らしながら、構わず中へ進んで行きました。

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いかがでしたでしょうか、古代ローマが好きな方もテルマエ・ロマエファンの方も

ローマに関することが見たいのであれば、ブルガリアも外せません。

オスマン帝国に支配されたイメージの強いブルガリアですが、

かつてはローマ帝国、東ローマ帝国の属州だったので、各地でローマに関する跡地が残っています。

ヴァルナに来たなら、考古学博物館も是非寄りたい所です。貴重な展示物が充実しています。

プレヴェンの地域歴史博物館も町の規模にそぐわず、たくさんの展示物に驚きます。

プレヴェン県のドナウ川付近、ギゲン(Гиген、古代都市ウルピア・エスクスУлпия Ескус)

から発掘された、ローマ時代の石像や柱、モザイク床が展示してあります。

ブルガリアで古代ローマを感じる、そんな旅を提案してみたいです。

ヴァルナ考古学博物館

プレヴェン地域歴史博物館

ローマの浴場跡

■入場時間

5月-10月

10:00〜17:00  休業日:月曜

11月-4月

10:00〜17:00  休業日:月曜と日曜

■入場料

大人4レヴァ(約290円)

学生2レヴァ(約140円)

■考古学博物館のローマ浴場跡のHP

ブルガリア語のままの箇所もあり。Римски терми→Roman baths

当時を再現したイラストもあります。

■住所:ulitsa "San Stefano", 9000 Варна, Bulgaria

地図

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