きれいな黄緑の外観・貴重な展示物でいっぱいプレヴェン地方歴史博物館

公開日 : 2014年09月29日
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2013年に外壁工事の為に閉館していた地方歴史博物館は、今はすっかり美しい黄緑色の素敵な建物として市内に存在しています。この横に長い建物はプレヴェンのルーブル博物館と私が心の中で呼んでいるくらい、日中も建物全体から品が漂い、夜はライトアップが美しく市内でも重要な見所の一つです。

毎週月曜が無料なので立ち寄りました。しかし中の展示物は素晴らしいので、今度は寄付金のように入館料2レヴァ(約141円)払いたいと思います。館内は各棟ごとに施錠されているので、まず訪れたら扉の鍵を開けてもらいます。入って左側の棟が「動物の剥製」エリアで、右が「歴史展示物」のエリアです。中は撮影禁止なので、屋外の展示物のみ撮影してみました。

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鍵を開けて館内へ入ると、中は古い木造の学校や市庁舎のような雰囲気で、年季の入ったガラスの窓に黄ばんだカーテンがかけられ、電気が点いている最中ずっとビーーとうなる音が鳴り続き、少し耳に響きます。ただその古さはもっと古くから存在する歴史物との相性は良く、雰囲気は抜群です。各展示室内は来場者が入るたびに電気をつけてもらい、出るときに消してもらいます。なので少し不満点を言えば、入場客が少ないと監視の方が廊下で客の動きを観察し、どっちに向かうのか注意して見ていて、その動きに合わせて電気を点灯したり消灯したり、扉を施錠・開錠しての繰り返しで少し鑑賞していて落ち着かないことです。

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剥製の展示室は部屋番号3~4から始まり、まず小動物のはりねずみや鴨、いのしし、きつねが展示されていました。次に順路と部屋番号は一致しませんでしたが、

展示室29は鳥の剥製が多く展示され、

展示室28は爬虫類と魚類、両生類である、へび、魚、蛙や土の中の虫の剥製が並び、

展示室27は化石、鉱物のコーナーでした。

途中床にジーンズが脱ぎ捨ててあったのは、謎でよくわかりませんでした。

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剥製展示の棟を出ると、次に歴史展示の方へ向かってみました。

再び別の棟の展示室1から始まり、BC2~3年のローマ時代の土器や、BC1~6年の東ローマ帝国時代の展示、展示室3では初期ビザンチン帝国時代の古代都市ウルピア・エスクス(Улпия Ескус)の柱や圧巻の床のモザイクがありました。

展示室4では、BC2~4世紀ローマ時代のガラスの器や石棺、鉄の装飾器やテラコッタ製の器が見られました。

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展示室6には9~10世紀の漁業の重石、石臼や土器に加え、墓の中の全身の人骨には驚かせられました。ここで気づくのが、前の部屋で見たもっと古い展示物の時代では鉄やガラスを作る技術が発達していたのに、この部屋の展示物は時代が進んだのにも関わらず、土器作りに退化していることがわかります。ヴァルナの考古学博物館(Варненски археологически музей)でも明らかにその傾向はわかりましたが、この時代に多くの民族の入れ替わりがあったことや、技術が受け継がれなかったことが想像できます。

石臼は石のお金と勘違いするくらいたくさん置かれていましたが、これは小麦を挽く道具です。

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また13~14世紀でも土器製品と宝飾品の展示があり、

さらに18世紀のオスマン帝国時代のアラビア文字の入った硬貨や水差しや日用品など、あらゆるもののデザインが中東風に変り展示物にも大きな変化が見て取れました。17~19世紀のピストルも展示されています。

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展示室7では16世紀の家屋の再現や小麦栽培の農耕具、伝統衣装や婚姻衣装があり、民族資料としても重要な展示となっていました。

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展示室8では雰囲気が変り19世紀のイコン画、十字架や礼拝の為の書物がありました。

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展示室9では棟を移動し先に進むと、展示品がだいぶ現代に近づき、工業製品や鉄、工具、手書きのノート、ヨーロッパ諸国のお金、高級なトランクケースが展示され、廊下のニコライ教会の扉もまた存在感を放っています。

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展示室10では貴族の生活が主な展示で、立派な応接間の再現に、貴族の服が展示され、廊下には伝統衣装が人形に着せてありました。

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展示室11では本、書物や重要であろう手書きのノート、レースの手編みがあり、

展示室12では鉄砲や剣といった武器、革命化で英雄ヴァシル・レフスキ(Васил Левски)に関する資料がたくさん展示され、彼に関連する人物の集合写真も多く残っていました。

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以上この博物館の1階の展示室はすべて見終えました。とても充実した多くの展示品に満足です。少し気になる点といえば、監視の方か職員が中庭で常にくつろいでいることで、来場者が私たち一行のみの時、館内から出ようとすると、展示室の施錠を終えたここの関係者が一気に館内から出てきて、雑談タバコ休憩となって驚いたことがあります。

ここは冬季11月から3月は17時30分まで、夏季は4月から10月は18時まで開館していますが、17時過ぎても館内に残っていると、2階から仕事を先に終えた職員らが階段を下りてきて帰宅していき、監視の方もますます早く仕事を切り上げたいような態度になり、まだ17時なのにだんだん出口に誘うような案内になり、その時イコン画の部屋を見落とした私は、後ろを振り向いて展示室に近づくと、しぶしぶ電気を点けてもらいました。そしてこれ以上の滞在はやはり悪い気がして時間もないので、これ以上の先の棟へ向かうのは諦め、すぐに出口から出て中庭に出ました。この中庭は狭い館内に比べれば開放的で、展示品もいくつか置かれ気持ちが良く確かに素晴らしいです。

この教訓を生かしてこの次にもっと午後の早い時間に来たところ、親切な監視員と少し和んで話ができたり、英語を授業で習って少し話せる日本の小学6年生と同じ年の男の子に話しかけられたり、閉館に切羽詰ることはありませんでした。プレヴェンに来る外国人といえば大半がプレヴェン医大生なので学生かと聞かれます。

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チケット売り場では面白そうなプレヴェンにまつわる歴史本が販売されています。見本は色あせていますが、実際の商品と中身は確かです。ブルガリアや他の国でも、自分の育ってきた国とは違う歴史を学ぶと、様々な文化や経緯があって今の国があるのだとか、同じ時代の日本とは全く違う道具が使われていたとか、どこが当時の先進国だったとか、異なる生活の様子とか、新たな発見が一気に視界に飛び込んでくるので、どこの国の博物館も興味深いと思います。

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プレヴェン地方歴史博物館(Регионалния исторически музей в Плевен)

開館時間:11月1日~3月31日、月~土9:00-12:00 12:30-17:30

       4月1日~10月31日、月~土9:30-12:00 12:30-18:00

入場料:大人2レヴァ(約141円)、学生、年金生活者、障がい者1レヴァ(約70円)

     月曜日は無料

案内:ブルガリア語5レヴァ(約354円)、外国語(英語、ロシア語)10レヴァ(約708円)

住所: ulitsa "Pirot", 5804 Pleven, Bulgaria

e-mail: plevenmuseum@dir.bg

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