ポルトガルの修道院菓子の教室に行ってきました!
みなさんこんにちは、ポルト特派員のYukaです。
4月に入りここポルトでは、春の花が咲き始め少しずつ緑が生い茂り始めました。
とはいっても春はまだまだ雨の多いポルト。
このままだと暖かい春をすっとばしてそのまま夏に突入しそうです。
さて今回は、先日参加したポルトガルの修道院菓子の教室の様子を紹介します。
ポルトガルにはたくさんの修道院で生まれたお菓子があり、伝統菓子として現在もカフェやレストランなどで食べられています。
修道院菓子は卵黄がふんだんに使われているのが特徴。
特にポルトガルの修道院菓子は「卵黄・砂糖・アーモンド」この三つの食材が使われていることが非常に多いです。
今回私が修道院菓子を習ってきたのはポルト中心地区「ボリャオン/Bolhão」にある「Escola Pasgelpan」というお菓子教室です。
「Pasgelpan」では教室の他に結婚式などのためのケーキや料理機材の販売なども行っています。
今回参加したのは9:30~18:30(昼休憩1時間)で12個の修道院菓子を作るクラスです。
授業料は80ユーロ、ポルトガル語で行われます。
参加者は4人でした。
↑教室の様子。
写真右には大量の卵が積まれており今回のクラスで100個以上の卵を使いました。
ここからは今回作ったお菓子を順に紹介していきます。
特定の地域の伝統菓子の場合、その地域名をお菓子名の下に記載しています。
①『クレーム・デ・オヴォシュ/Creme de Ovos』
ポルトガルの伝統菓子の基本となる卵黄クリームです。
材料は卵黄、砂糖、水といたってシンプル。
↑「アベイロ」という街の最中のような皮で包まれた伝統菓子「オーヴォシュ・モーレシュ/Ovos Moles」の中身もこの卵黄クリームです。
②『フィオシュ・デ・オヴォシュ/Fios de Ovos』
日本でいう鶏卵素麺。
ポルトガルから日本にやってきたお菓子はいくつかありますが鶏卵素麺もその一つです。
↑沸騰させた砂糖水に細く卵黄を流して作ります。
③『トロウシャシュ・デ・オヴォシュ/Trouxas de Ovos』
地域:カルダシュ・ダ・ハイーニャ/Caldas da Rainha
卵黄を焼いた生地を薄く延ばし、鶏卵素麺を巻いたお菓子です。
④『トルタ・デ・ラランジャ/Torta de Laranja』
地域:アルガルベ/Algarveもしくはセトゥーバル/Setúbal
卵黄と砂糖の生地にオレンジの皮と汁を混ぜて焼き、タルト状に巻いたお菓子です。
オレンジの風味が効いていてさわやかでおいしいです。
⑤『パン・デ・ハーラ/Pão de Rala』
地域:アレンテージョ/Alentejo
アーモンドのペースト、鶏卵素麺、かぼちゃのペーストで層を作ったケーキです。
粉砂糖、鶏卵素麺で飾っています。
⑥『パンピーリョシュ/Pampilhos』
地域:サンタレン/Santarém
全卵、小麦粉、バターでできた生地を薄く延ばし卵黄クリームを塗り丸めて焼いたお菓子です。
↑クリームがはみ出ないように丸めるのが難しい!
外側の生地がサクサクしていてとても美味しいです。
⑦『パン・デ・ロー・ウミド/Pão de Ló Húmido』
地域:オバール/Ovar
「ウミド」は「湿った」という意味で、このお菓子はカステラの起源となったと言われる「パン・デ・ロー」の中が半生のタイプです。
以前のブログで紹介した「パン・デ・ロー・デ・オバール/Pão de Ló de Ovar」のことですが、オバールで作ったものでないと「パオン・デ・ロー・デ・オバール」と名乗ることはできません。
焼く時間を長くすると普通の「パン・デ・ロー」になります。
⑧『フォゲッテシュ・デ・アマランテ/Foguetes de Amarante』
地域:アマランテ/Amarante
ウエハーペーパーという食べられる紙でアーモンドの生地を包み、両端に鶏卵素麺を詰めたお菓子です。
↑かなりほろほろのアーモンドの生地を手でぎゅっと固めて紙で包みます。
⑨『カスターニャシュ・デ・オヴォシュ/Castanhas de Ovos』
地域:ヴィゼウ/Viseu
アーモンド粉と卵黄、砂糖でできた生地を丸めて焼いたお菓子です。
写真手前は焼かないバージョン、奥は焼いたバージョンです。
焼かない方にはシナモンをふりかけました。
⑩トウシーニョ・ド・セウ/Toucinho do Céu
アーモンドのスライス、卵黄、砂糖の生地を焼いたケーキです。
上には粉砂糖、シナモンがかかっています。
ポルトにあるレストランでよく見かけるお菓子です。
⑪バヒーガシュ・デ・フレイラ/Barrigas de Freira
バゲットの外側を包丁でそぎ中身を削ったものと卵黄、砂糖水を混ぜ小さなカップに盛り付けたお菓子です。
パンが入っている面白いお菓子ですが、食べてみるとあまりパンの味はしません。
⑫『ピートシュ・デ・サンタ・ルジーア/Pitos de Santa Luzia』
地域:ヴィラ・ヘアル/Vila Real
卵黄、かぼちゃのペーストを混ぜたクリームを小麦粉、砂糖、ラード、牛乳でできた生地で包んだ焼き菓子です。
以上が今回の教室で習った修道院菓子の紹介です。
↑今回作ったお菓子。
一回のクラスでこれだけのお菓子を習えると思うとかなりお得です!
どのお菓子も基本的な材料は卵黄、砂糖、アーモンドといった感じで変わらないのですが、鶏卵素麺のように細くしたり、ロールケーキのように巻いてみたりなど形を変え、様々な種類のお菓子が生まれたのだなと思うと興味深いです。
修道院菓子は卵黄と砂糖たっぷりでできているのでとても甘いのが多いのですが、今回習ったお菓子の中では
⑥パンピーリョシュ
⑬ピートシュ・デ・サンタ・ルジーア
は小麦粉の生地で包んであるので甘味が抑えられとても美味しかったです。
④トルタ・デ・ラランジャや⑦パン・デ・ローもおすすめです。
ポルトガルのお菓子屋さんやレストランでこれらの修道院菓子を見かけたらぜひ食べてみてください。
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・お菓子教室
<Escola Pasgelpan>
※授業はポルトガル語です。
【住所】Rua da Alegria 221 4000-043 Porto, Portugal
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