レーゲンスブルクの玄関、ドイツ最古の石橋 最新ニュース

公開日 : 2018年04月19日
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ドナウの川に架かる、12世紀に造られた石橋は、レーゲンスブルクの玄関です。

8世紀ごろからほぼ同じ場所に木造の橋があったのが、厳しい自然条件の元、度々壊れていて、立派な橋の必要性を感じていた人々が、タイミングを見計らってやっと1135年から建設にこぎ着けたこの橋は、実は2010年からずっと工事中でした。

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皆が待ちわびていた工事完成が、今年2018年6月9日と発表されました(2018年4月18日現在)。

石橋の工事について、少し振り返って見ておきましょう。

下の二枚の写真は、2015年の4月の時点での石橋の様子です。

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1903年以降は、この石橋を路面電車が通っていたのだそうですが、中欧から来た労働者が、奴隷にように石を敷き詰めたと聞いています。そういった人々は、それが、かの有名な石橋だとも聞かされず、何も分からない状態で働かされたのだとか。

現代でも、このような石は、人力で、一つ一つ丁寧に敷かれています。

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私がこの街に来た2002年は、まだ一般のバスもこの石橋を通っていました。自家用車がまだまだそんなに多くなかった時代は、普通乗用車も通行ができたそうです。

ただ、多くのバスが通過することや、冬の凍結防止のためにまく塩によって、石橋はどんどんダメージを受け、かなり状態が悪くなっていたようです。

1135年から1146年までの11年間かけて造られたこの石橋は、2006年にレーゲンスブルクが世界遺産都市となった後、ユネスコの資金協力を受けることになり、2009年から詳細に渡る調査がスタートしました。

2010年から2014年にかけて、4つの段階に分けて工事が進められる予定でしたが、建築技術的な問題、および重要文化財保護の観点からぶつかる問題から当初の予定とは大幅に狂い、やっと今年2018年6月9日に、工事完成を祝うイベントが開催される運びとなりました。

その間、石橋を挟んでレーゲンスブルク旧市街の対岸にある、シュタットアムホーフ(こちらも世界遺産の一部)という地区は、経済的にも大きなダメージを受けつつ、それでもなんとか忍んできた感じが見受けられました。

もちろん、この街を訪れる観光客にとっては、三代観光名所の一つである石橋が工事中であるだけではなく、レーゲンスブルクの絵葉書のような写真を撮るスポットとしては、工事の足場や機材、素材などなど景観を大幅に邪魔し、非常に残念な状態でした。

それにしても、900年も前に11年間で造ったこの石橋を工事するのに8年もかかるとは、ちょっとお恥ずかしい話のような気もしないでもないですが。

やっとやっと、この工事が完成するかと思うと、私達市民もとっても嬉しいです。

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尚、この石橋には、ブリュックマンデルという小僧の像がありました。2012年の12月27日から28日の夜にかけて、目の上にかざした右腕がなくなって大騒ぎになったことがあります。ダイバーが川に潜って探しても見つからず、結局新しく作り直すことになりました。

腕の修理を終え、2016年9月には完成している様ですが、石橋が工事中のため工事完了と共に元にあった場所に戻されることになっています。

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