プルーフニング城
名前は聞いていましたが、6年もの改築のため、ずっと閉鎖されていたお城。
先日内部を見学してきましたので、ご報告します。
レーゲンスブルクの外れ、すぐ西にある地区、プルーフニング。
そこは、新石器時代も、青銅器時代後期も、ケルト人の時代も、ローマ時代も、ずっと人が居住していた、そんな歴史的な地区なのです。
12世紀の頭に建設が始まった、修道院プルーフニング。この辺り一帯で、最も古いロマネスク様式の教会です。
ベネディクト会の修道会ですが、ベネディクトは、ドイツでは最も古い修道会なのだそうですね。レーゲンスブルクにあるお城、トゥルン・ウント・タクシスのところにある聖エメラム教会と共に、天文学や自然科学の中心となっていたようです。
レーゲンスブルクには昔8個の水源があったようです。ところが、細菌が繁殖し、病気が流行したことがあったのですが、その時、プルーフニングの水だけは無事だったそうです。配管が他の水源とは異なるもので、深いところに張られていたために、菌が入ることがなかったからなのですって。
神聖ローマ帝国の時代には、皇帝代理として議会に立っていたトゥルン・ウント・タクシスがこの建物を買い取り、帝国議会出席者のための宿泊の場としました。
当時のフレスコ画の一部は、18世紀、19世紀に色が塗り直されていますが、その他は、保存加工がなされただけで、オリジナルが残っているというから、すごいですね。
例えば、上の写真も、そんなオリジナルな絵の一つです。補足したり、色を追加せず、保存加工のみ、というものです。
修復はされていますが、素晴らしいロマネスク様式のフレスコ画もたくさんあります。
この彫刻は、初期ゴシックの当時の作品の中でも、最も有名なものの一つだそうです。
作った人は、レーゲンスブルクの大聖堂の彫刻にも携わっていると言います。
祭壇は、1610年のルネッサンス様式。当時、プルーフニングは、芸術と一般教養の中心であった、そんな時代なのだそうです。
椅子は、バロック。
パイプオルガンもなかなか立派なものです。レーゲンスブルクにあるオルガンの中でも最も古いものの一つ。
今回6年間に及ぶ大掛かりな修復作業を行う際、いくつかの大きな問題にぶち当たったようです。例えば、屋根の修復などのために必要な外側の足場の設置そのもの。なんせ土地が、トゥルン・ウント・タクシス公爵一家に所属しているということ、修復作業そのものより、足場を組むこと自体が、より高額だったとか。
2018年5月に900周年を迎えたこの教会、皆さんももし機会に恵まれたら、是非是非見学してください。(普段は一般公開をしていませんが、もしかしたらお友達の結婚式などで内部に入るチャンスがあるかもしれません。)
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