レーゲンスブルクに高級な寿司屋が登場! 日本人シェフがいる「ASKA」
ドイツで諦めていた、おいしい寿司を食べること。こんな身近で味わえるなんて。
バイエルン州という、お魚には縁のない地区で、世界遺産のど真ん中で、ドイツ語の環境で、すごく不思議な空間に出あいました。
「食」がこんなに日常に喜びを与えるなんて、輝きを与えるなんて!
忘れかけていた、「食」=「生きる歓び」、あはは、なんか大げさですが、そんな夢の世界に行って来ましたので、皆様におすそ分け。
まず、何が凄いか。
この店は、大聖堂からほど近い場所にあること。
アントン・シュマウス氏というドイツのサッカーのナショナルチームの料理長を2017年8月から務めている人がいます。2011年以降ミシェランの一つ星を持っており、同様にフランス発祥のレストランガイド「ゴ・エ・ミヨ」で2015年に20点満点中の17点を獲得した人物です。
このシュマウス氏は、Storstad(スウェーデン語で大都市という意味)というレストランを2014年6月にオープンさせ、ほかもいくつかのカフェやレストランを経営しています。そのシュトーシュタットのとなりに、寿司店を11月に開店させました。それが、今日ご紹介するこのASKA(スウェーデン語で「灰」)です。そして、その料理長がこのSugimoto Atushi氏。つい最近までロンドンにいたのですが、シュマウス氏から大使館経由でヘッドハンティングされたそうです(注 : 今回の記事は地元のネットで報告されている情報を頼りに、加えて体験したこと、サービスをしてくれた女性との会話から得た情報などを含めて書いています)。
ASKAに行くためには、まずインターネットで予約をします。12席しかないので、予約制です。24時間を切ると高価なキャンセル料が発生します。その代わり、予約すると前日に本当に来られるかどうか確認のメールが来るので親切だな、と思います。
5階までエレベーターで上がると、まずエレベーター前ですぐ迎えられ、コートとカバンを預けます。
席に着くと、シャンパンか、ワインか、と聞かれましたが、私たちはビール(ピルス)を頂きました。
ビールはヘレスでしたら、銘柄はTegernseer だったようですが、私たちはピルスを注文しました。銘柄を確認しなかったのですが、Thurn und Taxisのピルスが出てきました。知っていたら違うビールにしたでしょうが(私は正直ここの銘柄のファンではないので)、飲んでみるとピルスとしては少し薄くてパンチがないと思いつつ、逆にクセがなく、それはそれで良かったかなとも。
メニューはありません。6品か10品かと選べるだけ(もちろん、追加での注文は可能です)。ビール、ワイン、日本酒とありますが、私たちは最初にピルスを頂いた後、10品コースに合わせて日本酒を注文しました。4dlのお酒が6種類。
ドイツにも日本酒のソムリエがいるそうで、料理に合わせて選び出したものなのだそうです。最後のデザートに合わせて出てくる酒はシャンパンのようなスタイルで、日本酒といって欲しくない感じもありますが、それはそれでおいしかったです。一番おいしかったものの瓶を後でもう一度見せてもらいました。山形県の出羽桜酒造、純米大吟醸酒「一路」でした。帰宅後に調べてみると、毎年ロンドンで開催されるインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)のSAKE部門で最高賞「チャンピオン・サケ」に輝いた、海外でも高い評価を受けている日本酒だと分かりました。
料理は、サービスの度に説明がなされます。
マグロの握りでは3貫が並び、左から右にいくに従って脂肪分が高い、つまり右に行くに従って高級なマグロとなっているので、左から順に食べるようにとすすめられました。私は真ん中のマグロを食べて、夢見心地。右のマグロで失神寸前!
目の前で美しく整えられた寿司。わさびも目の前で擦っていらっしゃいます。ひとつひとつが贅沢です。これ以上のものはありません。
料理のサービスは、食べ終わる頃を見計らって、皿が下げられ、すぐに次の料理が運び込まれる。
その絶妙なタイミング。急かされることもなく気分良く食べられる。そして、それぞれ運び込まれた料理についての説明が丁寧にフレンドリーになされる。魚の種類だけでなく、どこで採れたものかも。
ネット情報によると、地元のものを使っているとのこと。オーバープファルツ県(県庁はレーゲンスブルク)産の雨鱒(Saibling)やチョウザメ(Stör)、ミュンヘン空港の近くの地域・エアディング(Erding)のエビ (Garnelen) など。
こちらのコメントや質問にも丁寧に対応してもらえ、若い女性店員のサービスの質の高さを感じます。そして彼女たちは英語も達者なようでしたので、ドイツ語ができなくても大丈夫だと思います。
お茶碗もすてき。黒い机、黄色の照明にピッタリ。黒っぽい食器に金色の縁取り。写真映えには最高ですが、お茶を飲むときなど味に影響するような気がします。失礼ながら、皿をひっくり返して見せていただきました。どうやら食器はスウェーデン製。店名のASKAもスウェーデン語だそうですし、シュマウス氏の奥様もスウェーデン人ですからね。ちょっと気になったのは、おちょこがガラスではないこと。中にはロゼと表現されるくらい赤みを帯びた酒もあったようですので、本当はそういう色も楽しみたかったです。サービスの女性もおちょこ? を下げるタイミングを見計らうのが難しいでしょうし。
そういう私も、また温かい季節にお邪魔したいと思います。お財布にゆとりがあれば(苦笑)。
なんと建物の上のベランダで食事をできるそうです。見えるのはレーゲンスブルク旧市街の屋根だそうです。その雰囲気はきっと最高のものでしょうね。隣のレストラン、Storstadのホームページから、雰囲気は十分に伝わってきます。
トイレもスタイリッシュです。便器も洗面台もちょっと角張った、ああ、こういうのは高いなと思わせる(笑)。
鏡の奥に窓があり、レーゲンスブルクの町並みが見えます。手を洗ったあと、ペーパータオルでなく白いハンドタオルが用意されています。そんなすべてが高級感を醸し出します。
今回お邪魔したASKAについて、紹介されているものをリンクしておきます。すべてドイツ語になり、内容はかなり重なっていますがご参考まで。
東京で、私が何軒か寿司屋を体験したのは、今から20年以上も前の話。まだ20代でした。
地方から出て来て、回転寿司しか知らなかった私を魅了した店が今になって思い出されます。
まな板の上で繰り広げられる職人技。
ひとつひとつが丁寧な職人技、一回一回清潔な布巾で拭き取りながら、見ていても美しいその作業。
流石にその20年前と、本日の夢の体験を比較することは難しいですが、まさかまさか、このレーゲンスブルクでそれ以上の体験ができるなんて、誰が予想できるでしょうか。
このASKAは、南ドイツでも最も良い寿司屋さんになるのではということです。それがこの世界遺産都市、レーゲンスブルクにあるなんて。うれしいですね。
ASKA
公式ホームページ(ドイツ語)https://aska.restaurant
住所 : Watmarkt 5
営業時間 : 火〜土曜日18時〜20時45分、 21時からの二巡式。特別営業として12月9・16・23・30日の月曜日と、12月22・29日の日曜日(特別休暇 : 2020年1月1〜6日)
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