普段は非公開!---12世紀の家を見学
レーゲンスブルクは、13〜15世紀に建てられた家が旧市街の大半を占める町。このレーゲンスブルクの「すてき!」を、今回もご紹介します。
この家は12世紀後半に造られたもので、レーゲンスブルクの貴族が住んでいました(1674年および18世紀に改築)。
長い間、教会関係者が使用していたのですが、そこが空いたので、それを機に重要文化財としての詳細を調査し、その後リフォームしようということだそうです。そんな中、私たちレーゲンスブルクの公認ガイドが、この家の内部を案内してもらったわけです。
実は、まだ重要文化財という対応がなされていない昔に、いじられているので、本来天井が非常に高い、1階のど真ん中に、もう一枚床を入れ、2階に分けてしまったということで、フレスコ画が途中で切れていたり、元々あったハウスチャペルが、上下に分断されていたりしています。
このハウスチャペルは、12世紀後半から1210年頃に造られたもので、Galluskapelleガルースカペレといわれます。この建物のある通りには、ロマネスク様式の入り口が目を惹きますが、その内部に当たる場所です
(レーゲンスブルク内には、聖ヤコブ教会(別名ショッテン教会)がありますが、そこにある有名なロマネスクの入り口と同じ頃に造られています)。聖ヤコブ教会については、こちらのブログ(ビストロ・ロザリウムの周辺の紹介で登場します。)をご覧ください。
上の写真は、イエス・キリストがエルサレムに向かう場面だそうです。一番上が途切れていますが、色もまだ鮮明に残っています。このフレスコ画は15世紀のもの。
これは、悪魔が石を指差している図です。
新約聖書のエピソードのひとつで、荒野の誘惑(ウィキペディアにリンク)、というのがあります。悪魔がイエス・キリストにいった言葉、
「もしあなたが神の子であるなら、この石に、パンになれと命じてごらんなさい」。これを描いたものだそうです。
ここには祭壇が置かれていますが、本来ハウスチャペルがあった場所。祭壇の上に弧を描いた壁がありますが、それとは別にもう一段、祭壇の背景に同様の弧があります。その弧の延長上一番下の部分に装飾が見られます。この背景にある方がオリジナル。
部屋の入口の上や壁などに、家紋があります。
2階から階段を見下ろしたところです。立派なものです。こういうすてきな階段は、旧市街内の建物であちこち見かけます。
この写真を撮った場所は大きな広間になっていて、そこをぐるりと取り囲むように、たくさんの部屋があります。迷路のような感覚に襲われるのですが、この中心にある広間は窓がありません。日中でも薄暗いのですが、これが、建物を賃貸する際に大きな問題のようです。周りを取り囲む部屋の中のひとつに、先ほどの祭壇が置かれた部屋がありますが、それ以外は今現在ほぼ空っぽです(建物は3つの建物のコンプレックスですが、左右の建物の1階は、現在でも店舗が入っています)。
ひとつの部屋には、古い暖房施設が残されています。
この部屋の床については一切説明がありませんでしたが、19世紀のものでしょうか。この模様は、ドイツ語直訳ですと「魚の骨」となります。
中庭はこんな感じです。木掘りの美しい二枚扉が道路に面していますが、そこを開けて中に入ったところは石畳です。
奥の方まで入って行くと、そこには金属製の門があって、中庭に出られます。
旧市街のど真ん中にこんな大きな庭があるなんて(夜19時ごろの見学のため、暗くて写真では何も見えないため掲載していません)。
ブナの木やリンゴの木もあります。昔はここにももう1棟建物があったのだそうで、いずれその跡地に新たに建設される方向で現在話が進んでいるのだそうです。
先程の建物への(中庭からの)入口と庭へ行くための金属製の扉の間に、もうひとつ入口があり、地下に導いています。ここは、なんと、第2次世界大戦中に防空壕として使われていたところだそうです。
↑ピントが合っていなくて残念(20人くらいの団体なので、ささっと写真を撮らなきゃ駄目なんです)。
かなりの大きさです。天井の高さもお分かりになりますね。
写真の左右中央に、コンクリートの柱が2本突き抜けているのをご覧いただけると思います。これは建物のすべてを地下から最上階まで貫通しているのだそうです。
地下の天井はコンクリートで覆われていますが、隙間に木が覗ける場所もありました。このコンクリートは大聖堂の石工さんの新米が、1950年頃に修復作業として塗りたくったものだそうです。
このように、ロウソクを置くための場所も所々にあります。
さて、ここはいったい何処でしょう?
この記事を読んでくださっているレーゲンスブルク在住の皆様は、いったいどこか、ドキドキされていると思います。
ノイプファー広場から東に入った通り、Schwarz-Bären-Strasse 2(黒熊通り)です。こちらの写真をご覧ください。夜の写真で分かりにくいですが、ああ!!! って思われることでしょう。
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