わが家の子供のプロジェクト、「鶏が欲しい!」〜その5〜

公開日 : 2020年07月31日
最終更新 :

鶏を飼い始めて、とうとう3ヵ月半が経とうとしています。

その間、いろいろなことを学びました。

今日は、鶏の生活と今まで知らなかった雑学を織り交ぜて、お伝えします。

鶏は飛ぶ。いや、はばたく。

高いところから周辺を見回したい習性があるらしく、1mを越える高さへジャンプすることができます。

私たちもいろいろな道具を駆使しました。ホウキを柵に立てかけたり、挙げ句の果てには、60cmの幅のホウキ(柄がないもの)を10個も購入して柵の上に登れないようにしたり。

わが家の柵を時系列で見てみましょう。

一番最初は、柵の上にメッシュ上になった針金素材の網をかけていましたが、本当にみっともなかったので、写真さえも撮っていません。

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柵が低すぎて、外に逃げて行くので、急遽ホウキを立てかけました。これでかなり逃亡を防ぐことはできたのですが、少し体裁が悪いので、新しくホウキを10個分(柄がない状態です)を買い、子供たちが取りつけました。購入費用5000円強。

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最初はこれで大丈夫と思っていましたが、鶏の方が一歩も二歩も上です。そのうち、赤いホウキの上に乗るようになりました。すると柵の外にも簡単に出ることができます。

なので、再度、メッシュ上の針金のネットを上に延長。

がしかし、鶏はさらに上を行きます。細身でスポーツウーマンの黒い鶏は、いつもどこかで抜け道を見つけ出すのです。もちろん、羽根を少し切って飛べないようにするという選択肢もありますが、かわいそうなのでそうしたくない、という気持ちのほかに、4羽のうち唯一この鶏だけは、撫でることも捕まえることもできない、人懐っこくないタイプなのです。なので、鶏と人間の意地比べ。高く飛ぶ、または抜け道を見つけだすか、それとももっといい柵を作るか。

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現状はこんな↑感じ。これでだいたい大丈夫そうです。結局この柵関連で、5万円はかかっていますね。ちゃんとした扉を買ったのですが(低いものしかないのに)、定価がそれだけで€228。行ったお店に在庫が一個しかな買った上、部品が足りないという状態で、€140という破格で買うことができましたが(不足部品は、主人が工作)。

それにしてもお恥ずかしい限りの庭です。これって、一応玄関がある北側の庭なのですが。いつもこんな汚い状態。

鶏の卵と孵化について

卵を産むのはほぼ毎日。

種類によって異なります。年間に280個とか300個とか。連続2週間以上産み続けたりしています。

若いときは小さくて丈夫な殻の卵を産みます。カルシウム不足だと殻がない卵が生まれてしまいます。鶏の種類によって殻の色が異なります。白い鶏が白い卵、というわけではありません。

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写真ではわかりにくいですが、わが家は毎日このように4個の卵を産んでもらっています。黒い鶏が緑の卵を産んでいます。まだら模様が濃い茶色、薄めの色の2個のうち、ひとつは小さなそばかすのような模様があり、それが白い鶏の卵。(あくまでもわが家の場合ですが)割ってみると、黄身の色も違います。黒くて首が茶色い鶏が産んだものは、いつも黄身の赤みが強いです。ビタミンAの摂取量によるものだそうですが、実際同じ餌で育っているものの、それぞれの鶏に好き嫌いがあるのでしょうか。

卵を誰がいつ産んだか、という表「産卵カレンダー」を作っています。現在こんな感じ。

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上一列にあるApr、 Mai、Jun、Jul、...というのは、4月、5月、6月など月、その下の列のアルファベットは鶏の名前の頭文字。ナゲット、ガグーグ、ジャイ子、チキンXD。左に縦一列に並ぶのが日付です。

ガグーグがずっと卵を産まなかったのは、卵を温めていた時期とその直後です(下で状況を説明しています)。

赤で塗りつぶしてあるのは、双子の黄身を持つ卵です。

たまに、大きな卵があります。普通56〜58g程度とすれば、最も小さいもので35g、最も大きなもので83gを計測しました。産み始めの頃は、卵黄がふたつ入ったものも何度かありましたが、最近はないですね。そんなものらしいですが。

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鶏の餌について

鶏は雑食。肉の筋や、魚など、調味料がついていなければあげるとものすごい勢いで食べてくれます。スイカの皮や、焼き魚の残り、海老の甲羅なども好きですね。

人間を見ると、何がもらえるかと思って、寄ってきます。かわいいものですよ。

土をかき回します。足で上手に土を掘り起こし、虫を探しては食べます。今では芝生がなくなったばかりでなく、床はデコボコです。

鶏の1日

朝早く起きますが、メスだけを飼育するなら、鳴き声はほとんど気になりません。

夜は暗くなると、自分たちで勝手に小屋に入ります。夏に近づくにつれ、日が長くなると、薄暗くなっただけでも小屋へ入って行きます。朝5時前後に日の出ですから、夜9時すぎに疲れてしまうのもわかります。

イタチやキツネなどの外敵から守るために、そのあと扉をきちんと締めることが大切。

それにしても、鶏は、ときどき休憩していることはありますが、本当によく食べるし、よく動きます。土をかいてミミズを探したり、芝生や葉っぱを食べたり、砂浴びをしたり、毛繕いをしたり、羽ばたいてみたり、人の出入りがあると食べ物を期待して、一斉に集まったり。

狭い庭では緑が足りないので、レタスを鶏のために栽培しようかしら、と思うくらいです(今あるものは、一応人間用に育てているので)。ルッコラなど、わが家の家庭菜園も、結局は鶏のためのようなものです。市場でもらってきた外側の葉っぱだけではまったく足りませんし、いくら鶏でも、できるだけ新鮮なものをあげたいし。幸い仲良くしている農家さんから、売れ残りや商品にならないレタスなどをもらうこともありますので、ありがたいです。

鶏の飼育につきものな糞の始末について

飼育するための土地が大きければ問題ないでしょうが、一般の庭で飼うときにたいへんなのは、糞の始末です。こまめに一つひとつ取らないと、ハエがたくさんたかります。

でも、糞を取るときに、鶏がそばにまとわりついてきて、とても心が温まる。「生きている」喜びを感じる。犬や猫とは違うコミュニケーション。

なんていいながらも、3ヵ月も毎朝、糞の始末に追われていれば(子供は時間のあるときにしか仕事しないので)、ふと情けないなと思うこともあります。いい大学を出て立派な大人となってなんでこんな糞を追いかけ回すのやら?と。でも、これも大事な仕事です。立派な仕事です。ハイ。

自然と庭で過ごす時間が長くなるので、自然の変化をつぶさに見ることができる。ただし、丈の低い植物はすべて廃棄となる覚悟が必要。わが家には毎年大量の木苺の収穫がありました。2020年の今年は、ほんの片手ほどしかありません。りんごや梨は順調ですよ。木の類は問題ありません。

鶏について勉強不足だった私たちがびっくりした予想外の出来事

実は1羽が巣にこもってしまいました。卵を孵化しようとする本来の姿が、卵が無精卵にもかかわらず、毎日私たち人間に取り上げられるにもかかわらず、巣に閉じこもってしまうのです。

それはわが家の場合6月2日のことでした。とても暑く、小屋には日中太陽が当たるので、室内の気温が30度近くまで上がっていました(産卵カレンダーをご参照ください)。

息がゼーハーゼーハーしているので、病気かと思い大騒ぎ。ところが孵化しようとしているということがわかり、ひとまず安心。

餌だの水だの運び込んで、一生懸命日陰を作って、頑張っていたのが馬鹿みたいでした。

涼しい日もありましたが、暑い日は35度にまで室内の温度が上がり、うちわで扇いだり、扇風機をかけたり。こういった状況を想定していなかった(勉強不足だった)ので、いろいろ試行錯誤です。この期間中は、鶏は1日に1、2回小屋から出て、餌を食べます。それ以外は昼夜問わず卵を温めるわけです(無精卵しかありませんから、卵は取り除いているので、諦めるはずなのですが)。結局孵化に要する21日を過ぎてもまだ諦めることなく、しばらく続きましたので、こちらも仕方なく、鶏が小屋の外に出た瞬間に扉を締めて追い出したりすること数日。そのうち、やっと落ち着きました。

このプロジェクト、その6は冬のために作り直す予定の小屋が完成してからの予定です。それをもって、多分最終回でしょうね。いずれにせよ、コロナが落ち着けば、私もこんな身近な生活をネタにしなくても、町に繰り出すことも多くなることでしょう。そしたら、またレーゲンスブルクを一緒に楽しみましょうね。

この鶏プロジェクトをシリーズとして読みたい方、こちらからどうぞ。

その1 、2020年4月17日

その2、 2020年4月18日

その3、2020年4月19日

その4、2020年5月6日

その5、2020年7月31日

その6、2020年12月31日

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