決定版 ソーセージ百科事典!【雑学】

公開日 : 2020年11月20日
最終更新 :

ニュールンベルクのソーセージは有名ですが、レーゲンスブルクにもおいしいソーセージがあります。

ソーセージといってもいろいろな種類がありますが、今日はそんなソーセージの雑学をまとめてみます。

それにしても、この記事を書くためにどれだけたくさんのソーセージを食べたことやら。

夏から少しずつ書きためた、超大作です!!

コロナで溜まった旅行に行きたい気持ちを発散させ、南ドイツへ旅行に出かける際には、皆さんもぜひぜひ挑戦してみてください。

または、そうでなくとも写真を見ながら、ドイツのソーセージワールドを一緒に楽しみましょう。

白ソーセージは、バイエルン州南部で食べる

まず、白ソーセージ。これはゆでて食べます。ゆでるというか温かいお湯に泳がせます。お湯が沸騰しないように気をつけないと皮がはちきれるので、ゆっくりと低温で20分ほど。

食べるときは甘いマスタード(ヘンデルマイヤーというメーカーが有名なので、ティッシュがクリネックスであったりするように、この甘いマスタードもヘンデルマイヤーと呼ばれたりします)。

甘いマスタードは、バイエルン州でも南半分でしか普通は食べません。ニュルンベルクではもう見かけない、そんな品物です。ですから、バイエルンでレーゲンスブルクやそれ以南を旅行されている方は、積極的に食べてみてくださいね。

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白ソーセージは皮をむいて食べますよね。ご存知?

ご存知ない場合は、(そうでなくても)ぜひ2018年11月の記事、図解・恥をかかない、白ソーセージの食べ方をご覧ください。

ちなみに、この白ソーセージですがどこででも食べられるものではありません。

ミュンヘンなどをはじめとするバイエルン州でも南の地区で食べられます。レーゲンスブルクは、その北限になるので、例えばニュルンベルクでは普通はお目にかかりません。

ニュルンベルクは、北西、レーゲンスブルクは少し東にあって、ミュンヘンは南です。位置関係をこの下の地図でご覧ください。

さて、バイエルン料理のレストランなどで食べる際も気をつけたほうがいいのは、普通は昼頃のメニューなので、遅めの朝食として、または昼食としての注文になります。これは歴史的な背景があり、昔冷蔵設備が当たり前になかった頃は、12時の鐘を聞いたら、もう白ソーセージは食べないという風習がありました。素材の足が早いから、午後になるともう食されないということだったようです。

外食の場合は、ゆったりとゆでたソーセージはそのままお湯の中に入ったままサービスされます。冷めないようになっているので、食べるタイミングで1本ずつ取り出して、取り皿にのせ皮をむいて食べます。

やっぱりドイツのソーセージといえば、焼きソーセージ

自宅の庭やテラスには、ほとんどの家でグリルの設備があります。夏に友達家族を呼んでのグリルパーティは、ドイツ人は大好き。そんなときに欠かせないのがこの焼きソーセージです。

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上の写真は、遠い親戚の家で誕生会があったときの一場面です。焼きソーセージを焼くときに、ちゃんと一列に整列した状態で焼く人と、そうでない人、性格が出ますね(笑)。焼き加減も人それぞれ。しっかり焼き色がついたものを好む人もいれば、そうでないものを、と言う人も。

焼きソーセージをここレーゲンスブルクで食べるなら、やはり有名な歴史的ソーセージ屋ヒストリッシェ・ヴルストキュッへルです。2019年の11月にこちらの情報を書いていますので、あわせてご覧ください。⇨ 歴史的ソーセージ店「Historische Wurstkuchl 」でのよい体験、おすそわけ

焼きソーセージといえども、実はほかにも食べ方があります。「歴史的ソーセージ屋ヒストリッシェ・ヴルストキュッヘル」でもメニューにあるのですが、サウワレ・ツィップフェル Sauere Zipfel、と呼ばれるものがあります。サウワーというのは酸っぱい、酸味がかったという意味があるのですが、お酢をたっぷり使った料理です。

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↑ちょっとグロテスクな写真ですが、これは具が粗いタイプの焼きソーセージ。調理前です。

お酢をたっぷり入れたスープで、たっぷりの玉ねぎと月桂樹の葉っぱと、Wacholderbeeren(英語圏では、ジュニパーベリー、日本語だとネズの実)、お塩を入れて煮込んで......

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はい、できあがり。

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別の食べ方もあります。例えばジャガイモのクリームスープを使いましたが、クリアスープでもOKです。

このように、ソーセージの具を、指で腸から丸っこく絞り出し、

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パセリを彩りに加えて(ちょっとたくさんすぎかも、でもたくさんあるとおいしいです)、

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普通のジャガイモのスープなのに、ソーセージの独特な味が滲み出て、とってもおいしい。

日本でソーセージといえばウインナーソーセージだけれども

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同じソーセージでも、ところ変われば名前も変わる。

これは、私たちレーゲンスブルクに住む人にとっては、ヴィーナーヴルスト、つまりウィーンソーセージ。でもオーストリアのウィーンに行けば、これはフランクフルター、つまりフランクフルトソーセージ。

それでは、レーゲンスブルガー(レーゲンスブルクのソーセージ)って??

レーゲンスブルガーといわれるのもあります。太くて短いコロリとしたソーセージです。粗いものと細かいものがあります。そのまま食べるときは、皮が硬いので剥いて輪切りにします。それをバイエルン風またはスイス風サラダとして仕上げてもよし、縦半分に細長く切って(皮ごと)切り込みを入れ、グリルで焼いて食べてもよし。また、このグリルで焼いたものを、センメル(北ドイツでいうブロートヒェン、つまり小型の白いパンで、外はカリカリ、なかはふわふわ)を半分に切って、マスタードをつけ、キュウリのピクルスのスライスとともに、挟んで食べるとこれまた最高です。

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↑これは細かいもの。粗いものが本来のレーゲンスブルガーだと思います。

リング状に繋がったソーセージ、リヨナ

これも、ソーセージのマヨネーズ和え(Fleischsalat、直訳すると肉サラダとなりますが)にしたり、ソーセージのマリネ(Würstsaklat、直訳すると、これこそソーセージのサラダ)にしたりして食べます。

肉屋さんのショーケースの中に、マヨネーズで和えたベチョベチョ?のものが大きなボールに入っていたら、それ。それがまさにこれです。小さな入れ物か大きな入れ物かを伝えて、取り分けてもらいます(または、下の写真のように、最初から持ち帰り用の小さな入れ物に入っていることもあります)。

ホテルに宿泊している旅行客のあなたも、挑戦してみるといいですね。

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わかりやすいように小鉢に入れてみました(ピントが甘くてすみません)。

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このリヨナは皮を剥いで、そのまま食べることもできるし、クナッカーのようにグリルで焼いてもおいしいです。

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肉屋さんに子供がついて行きたくなる理由、黄色いソーセージ

タイトルを見る限り、???ですね。下の写真では黄色ですが、普通オレンジ色のプラスチックで覆われています。太いハムのようにも見えるソーセージ。これは離乳食が終わったばかりの幼児でも食べられるからなのか、買い物についてきた小さな子供は、よく肉屋さんからスライスしたこの黄色いソーセージをプレゼントされます。これ欲しさに肉屋さんに行きたがる子供もいることでしょう。

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薄くスライスしたものを買うか(希望すればその場で切ってくれます、または最初からスライスしたものが用意されています)、塊で買うかはその人の自由です。お腹が空いたときにおやつ感覚でそのまま食べても、フライパンで植物性油を敷いて軽く焼き色をつけてから食べてもおいしいです。パセリが混じったものと、そうでないものがあります。

買って数日放置してしまうと表面にちょっと滑りが出てきます。そんな場合は、軽く水洗いしてフライパンで焼けばまだ食べられます。でも、せいぜい4、5日以内には食べ切りたいところです。

Aufschnittにも挑戦してみよう!

ボンレスハムのようなどっしりしたハム(下の写真のボンボンボン、と中央に並ぶものを参照ください)。特定のものを100gとか150g、薄いスライスにしてもらって買うこともできますが、ミックスしてもらうことも可能。ミックスを200g程度くださいとお願いすると、数枚ずついろいろなスライスを入れてくれるので、お気に入りを見つけることができます。

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今回、200gでお願いしたところ、こんな感じになりました(帰宅して、写真用に盛りつけたものです。彩りにキュウリのピクルスを並べました)。

上の写真と違う肉屋さんのものなので、多少種類が違いますがご勘弁ください。

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どのように食べるかは、フランスパンのスライスにのせる、または、ドイツ風の黒いパンのスライスに同様に乗せて食べるなど。好みによって、パンにバターを薄く伸ばしてからのせてもおいしいですよ。キュウリのピクルスを薄くスライスして飾ってもよし。

ドイツの夕食は、Kaltes Essen (冷たい夕食)を食べる家庭も多いですが、そんなときはパンとともに、チーズや、ハム、サラミ、そしてこんなAufschnittが並んだりするわけです。

レーバーケーゼはバイエルンでは欠かせない。マクドナルドのハンバーガーよりも大切な食べ物です!

レバーケーゼって聞いたことがありますか?

レバーは肝臓、ケーゼはチーズのことですが、でもそのどちらも原材料には入っていません。

これは直方体に近い形の型で焼いたもので、ハムのように薄切りにしてもらうか、1cm程度に切ったものをセンメル(白い小型パン)に挟んで、甘いマスタードをつけて食べたり。わが子は、サイコロに切ったものにチャイブ(日本なら万能ネギみたいなものですよね)と甘いマスタードでおやつ感覚で食べたりしていますが。

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これは、旅行客としても非常に口にしやすい食材です。

肉屋さんは、観光客としては利用しにくいものですが、テイクアウトのおいしい食べ物を買うことができます。

センメルにトンカツや、焼いた肉を挟んでもらうこともできますが、このレーバーケーゼ・センメルは絶対試す価値あり。

ケチャップか甘いマスタード、辛子マスタードのうち、希望のものを入れてもらって、だいたい€2でお釣りがきます。ちょっとした小腹を満たす典型的なバイエルンの食べ物です。

肉屋さんでは、普通温かいものを挟んでくれますが、薄切りにした冷たいものもよく食べます。

先日、献血をしたのですが、そのときにいただいたものの中にレーバーケーゼ・センメルがありました。

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いかがでしたか? 今回のソーセージ百科事典。

おいしそうなものに出合えたでしょうか。

知らない食べ方の発見につながったでしょうか。

それでは、今回はこれでおしまいです。

また、いいネタを見つけて案内しますね。

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