コロナウイルスの影響で閉店セール中、創業199年ヴィーダマン
錫(すず)のお店は、南ドイツには昔はたくさんあったようです。私の義父母も利用していたお店、Wiedamannヴィーダマンが年末をもってお店を閉めるそうです(新聞情報では今年2020年いっぱいですが、店員さんは1月まで入るかもという感じでお話しされていました)。
義母がこのお店に思い入れがあると思ったので、閉店のニュースを電話で伝えたのですが急に涙声になりました。そう、義母の台所にはたくさんの錫製品があり、その中でもシュナップスを飲むための入れ物は、戦時前のものだそうで、凸凹に歪んでいるのがなかなかいいのです。
すべてこのお店で購入したもの。
創業1821年、工場と店舗を兼ねて開店。最初はメルコア・ボックスベルガーが16世紀に描いた壁画で有名なゴリアートハウスに入っていたのですが、1880年代に現在のブリュック通りに移転。芸術家とのタイアップで作られた作品もあり、いっときは世界中にも名前を響かせたようで、例えば1937年のパリでの展示会でなどたくさんの賞をもらっており、しかも創業者の家系が今日まで経営を司っていました。
あと1年で創業200年を祝うことができるのに、そもそも錫製品の人気が落ちている昨今、そしてコロナ渦の蔓延するこの時代、仕方がないことなのかもしれません。
義母の願いもあり、すぐにお店に出かけてみました。
思い入れのあるシュナップスのコップは残念ながら在庫なし。
せめてもと思い、別の錫製品を買おうかと思いましたが、他社が製造したものを購入したものであったようなのでやめました。私の場合は、このお店のものであることに価値があったので。ただ、そういう品も物によっては半額(全商品最低でも20%オフ)。
錫製品は高価なので、半額というと非常に魅力的です。若い世代にはあまりウケないのかもしれませんが。
ちなみに、買い物はクレジットカードも使用可能です。
閉店セールということで、錫製品のファンでなくとも、ちょっとした日本へのおみやげをのぞいてみるいいチャンスだと思います。
許可を得て撮影した店内の写真を参考までにどうぞ。
立地も非常にいいので、日本人の観光客もときどき足を運んでいるお店です。
長い歴史とともに、年月を超えて定番となった製品もたくさん。私も数年前にバターを入れるための入れ物を義母へプレゼントしたのですが、それは何十年も前に義父が購入したものとまったく同じもの。そのとき、錫製品のデザインは長らく愛される場合が多く、そう簡単に変わらないものだということを教わった覚えがあります。
このお店がどこかいまいちわからない方のために、お店の前に立ち、あちらとこちらを撮影してみました。
↑この奥にあるのが、ゴリアートハウスですね。
↑そして、こちらには、石橋へ続く塔が見えます。
さて、コロナで観光ができない現在、このブログが役に立つのは、レーゲンスブルクおよび近郊にお住いの日本人だけです。
私も観光ガイドの仕事で、自由時間のお客様に何度か案内したことのあるお店です。
こんなお店を守るための補助や税的な優遇制度なども取られているようですが、コロナ渦、レーゲンスブルクの歴史ある小さな商店を壊さないで!と大声で言いたいです。
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