【コロナウイルス関連情報】バイエルン州独自のコロナ対策とクリスマスおよび年末年始

公開日 : 2020年12月22日
最終更新 :

ブログの更新が遅れ、すみません。

クリスマス、年末年始を控え、各地のコロナ対策、状況がどうなっているか気になっている方も多いかと思いますので、逐次お知らせできなかった部分を少しまとめてみようと思います。

ここしばらくのバイエルンのコロナ感染状況は?

さて、レーゲンスブルクのコロナ感染者数は、人口10万人あたりに対しての過去7日間の平均が 133.3人、レーゲンスブルク郡で 163.9人と少し落ち着いています(2020年12月21日0時現在)。レーゲンで 547.7人、パッサウ郡で 372.2人、そのすぐ北にあるフライウング=グラーフェナウ郡で363.7人と感染者数が多い地区でも最もひどかったときと比べるとそれでもぐぐぐっと落ち着いてきています。バイエルン州は、コロナの感染者数が非常に多く、独自の対策を早々と取ったからこそなのでしょう。一方で、バイエルン州のすぐ北にあるザクセン州が現在は状態が悪く、現在ドイツでもっとも感染者数が多くなっています。

ドイツの地図を地区ごとに区分けしたものが、このよく使われる人口10万人あたりの過去7日間の感染者数平均が、色分けされているものをあちこちのニュースサイトで確認することができるのですが、数値が500を超えるとピンク、200〜500未満が濃い赤、100〜200未満が赤となっていて、ドイツが厳しくロックダウンを始める直前、バイエルン全土はほぼ濃い赤だったものが、いまはすっかり赤が中心、そしてほんの数ヵ所が濃い赤、そしてフライウング=グラーフェナウ郡だけがピンクです。

ドイツのロックダウンは、11月から部分的なロックダウンとして始まり、感染に歯止めがかからなかったことから、12月16日から1月10日までを強固なロックダウンとしてさらに厳しくしています。

学校では、クラスの半数だけが登校する、ということは?

さて、ドイツの休暇は、州ごとに異なり、バイエルン州では通常クリスマス直前の週の途中、2020年の場合、本来なら12月23日の水曜日からクリスマス休暇が始まり、2021年の1月10日日曜日までですが、コロナの影響を受けて、学校を12月19日の土曜日からクリスマス休暇とする、となりました。しかも感染者数が多かったことから、直前の16日水曜日から、学校はクラスの半数が登校、半数が自宅学習となり、そのまま休暇に突入。

さて、学校が自宅学習となると、一体どんな感じなのでしょうか。それぞれの学校の対応も異なるでしょうが、わが家の場合は基本は普段の時間割通りで(スポーツや宗教、芸術などの科目は欠落)、マイクロソフト・チームを使って、ビデオでの授業が行われたり、問題が提示されたりし、自分で学習をするということになります。その時間の最初に、指定された場所で指示が出ているかを確認し、こなしていく、というものです。

わが家には同一のギムナジウム(小学校4年を卒業したあとに通う進学校)に通う3人の子供がいますが、それぞれが自分の部屋にこもって、携帯電話やiPad、ノートブックなどの機材を使って勉強をしていました。

特にビデオ学習があると、雑音が入らないように子供部屋の扉は閉めます。数学などは、びっしり90分授業をしていたようですが、一般に、ビデオを通じての授業終了後、ほかの授業が始まらない限りは、そのままオンラインのゲームを楽しんだりもできてしまうので、親の監視が必要となります。もちろんひとりで受けられる子供ならいいのですが、わが家の場合は下の子は特に親の監視が必須で主婦業もままなりません。

親がホームオフィス、という家庭だといちいち構っていられないでしょうね。ドイツでは共働きの家庭が非常に多いですが、子供の学習は、やはり学校でして欲しいところです。

バイエルンのロックダウンとクリスマス

ロックダウンの成果が、地図の色分けでこれだけはっきり見える、というのは非常にうれしいことです。

それもそのはず、バイエルン州ではまず、40の都市または地区が21時から5時まで、外出自粛の対象となったのです。外出自粛というのは、仕事や、緊急事態を除いて自宅待機ということです。それ以外の地区も、必要最低限の買い物や医療機関への訪問、犬の散歩などの例外を除き、自宅に留まることを求められました。その後12月16日からのロックダウンではバイエルン州全体で、この外出自粛となりました。

さて、わが家の場合、私がドイツに来て以来の18回のクリスマスは義兄の家で10人以上が集まっていましたが、2020年は家族5人だけ(そもそも規則として、二世帯までしか集まることができず、しかも直系の家族で、つまりおじいちゃんおばあちゃんなどはいいのですが、従兄弟などはダメだと)

いったいどんなクリスマスになるのでしょうか。

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(↑写真は昨年のクリスマスのものです)

政府のコロナ対策は、週末に確定し、水曜日から施工となるパターンが数回連続で続いています。事前にほのめかされているので、少しずつ心の準備はできるのですが、お店も大変です。

例えば、飲食店は、テイクアウトや配達のみ営業がずっと続いていますが、グリューワイン(クリスマスマーケットでお馴染みのホットワインのこと)などの販売も禁止になりました。そもそも公の場でのアルコール摂取そのものが禁止されたからなのですが、その理由は、お酒があると人々が乾杯をする、つまり人が集まり、さらには人が長時間一緒に会話をする、ということに他なりません。これは、結局クリスマスであろうが、大晦日から年明けにかけてだろうが、一緒です。1月10日までずっと、外でのアルコール摂取は禁止です。

普段共働きの家庭などは、プレゼントを購入するのも難しいでしょう。

買い物で偶然出会った近所の人の話だと、「今年はプレゼントほとんどない。買い物に出ようと思っていた(クリスマス直前の時期)のに、お店が開いていないから買えない!」と言うのです。

我が家もかなりインターネットでのお買い物をしましたが、小包が一日数個届く日もあります。宅配業社は大繁盛です。なのに、配達まで普段通りの日数で感心します。

娘が鉢植えの「アロエ」を欲しがっていたことを、今日思い出し、近所に食料品を買いに出たついでに、園芸店に立ち寄ろうと思いましたが、園芸店は生活に必須なお店ではないので、先週水曜日から営業が禁止されています。

一方、レーゲンスブルク旧市街のチョコレート専門店(改めてご紹介する予定です)は、営業禁止になる前日の火曜日にわざわざそれだけのために出かけてみたら、なんと普通に営業し続けることができるとのことでした。そんなこんなで営業可能か不可能かは、多少納得いかないところもある感じです。

食料品を扱う近所のスーパーは普通通りに営業していますが、酒屋さんももちろん営業中。そもそもミネラルウォーターを扱ったりしているので、必要とされるのかもしれませんが、特にここバイエルンでは、ビールは歴史的に見ると、水よりも大切な飲料なので、「生活に欠かせないもの」であるんですよ。

クリスマスイブに行われる教会のミサについて

本来なら、クリスマスイブの夜には教会でミサがあるのですが、今年は21時以降の外出が出来ないため、本来は遅い時間(例えば22時半スタートとか)に行われるのですが、結局大半のミサは前倒しで行われることになりました。または21時などに開催で、インターネットで生中継をしたりすることになります。

同じバイエルン州でも都市ごとに対応は異なり、例えば、レーゲンスブルクの大聖堂では、12月24日の22時(日本時間で25日の朝6時)にミサがライブ中継で行われることになりました。こちらのリンク先から見ることが出来るかもしれません(見られると良いのですが)。

普段は1000年以上の歴史を持つ有名な少年合唱団、大聖堂のスズメ達Domspatzenが歌を歌うのですが、今年は教会内での合唱が禁止なので、1000年以上の歴史で初めて大聖堂のスズメ達の歌声がないミサとなるのだそうです。ちなみに音楽は、レーゲンスブルク大聖堂の楽長であるクリスチャン•ハイス氏が一人で担当します。

レーゲンスブルクでは、21時に旧市街内の教会の鐘が5分間鳴る予定です。それを合図に、各自が窓を開放し、室内からきよしこの夜を歌おう!という呼びかけがあるようです。我が家は旧市街から4kmほど離れているので、窓を開けても音は聞こえないのでしょうか。聞きたいなぁ。旧市街のすぐそばに住む義兄の家なら問題ないでしょうが、21時以降は外出禁止(例外あり)なのです。

さて、一般の教会では、ミサは行われるものの事前に申し込む必要があります。そして私も本当は地元の教会音楽のメンバーとして、せめて「きよしこの夜」をミサの終了後23時半ごろに金管楽器数本で演奏するように予定が組まれていたのですが、結局はコロナの影響で中止です。残念。

個人的な2020年クリスマス体験談は改めてご紹介することになるでしょうが、大晦日についても見てみましょう。

バイエルンの大晦日はどうなる?

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大晦日からお正月にかけては友達と過ごす時。

0時になるのを待って、外でロケット花火を上げます。12月末の数日は、あちこちでロケット花火が売られ、ものすごい金額のロケット花火が販売されます。

ところが今年は、そのロケットそのものの販売が禁止されてしまいました。

そうでなくとも、(コロナに関係なく)レーゲンスブルクの旧市街内での花火の打ち上げは、(ゴミ問題を理由に)来年にかけての年末年始には禁止となる予定でしたが(その理由は、レーゲンスブルクの象徴でもある大聖堂から、ロケット花火のゴミがたくさん見つかったからです)。

それにしても花火を製造している会社にとっては、これは本当に大変な問題だと思います。

ロケット花火などは、非常に音が大きいので、普段は打ち上げが禁止されている商品なので、個人家庭では、新年以外に打ち上げられることがないからです。(もちろん町を挙げてのイベントなどでの花火はありますが、ここではその類を含みません。)

特に、その販売の禁止が、12月13日に決定されたのも、非常に痛いところです。

打ち上げそのものが禁止になったので、販売も出来ないのです。花火は高価で、どんなに節約しても安いもので800円くらい。でも1セットでは全く足りないので、一家庭で3000円も5000円も当たり前のように投資すると思います。高いものは連打で打ち上げるタイプのものが1つで5000円も8000円もします。

ドイツ全土で1億2000万ユーロ(つまり日本円で約152億円、1ユーロは約126円です)もの花火が2019年から2020年に向けて購入されており、今年も本来なら同じ程度の売り上げが予想されていました。

それにしても花火のないお正月なんて、とドイツに来て19年が経った私にはちょっと淋しい気がします。ドイツ人にはもっとありえない環境なのでしょうね。一方で、この「花火」は20分くらいは平気で続き、真っ黒な空が、煙で真っ白になります。その音もかなりのもので、我が家の二匹の猫は、外に出ないように出入口を事前に閉鎖しておきます。

猫はあまりの騒音で、縮込み、花火が終わっても1時間くらいは身動きが取れず震えているくらいです。

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(↑地下の階段下にうずくまる我が家の猫。予想していたので、ここに空き箱を置いておいたのですが、使ってもらえませんでした。)

花火が禁止になるのは、人が集まるからだけではありません。

実は、ドイツのお正月に、花火で怪我をする人がたくさんいて、顔にひどい火傷をする、指や手足の切断に至る場合もあり、救急治療がコロナで逼迫している上に、花火の怪我人を相手にできない、ということもその大きな理由なのです。

(例えば、ベルリンの大学病院には、30人から70人もの負傷者が担ぎ込まれるのだそうです。)

そして、忘れてはならないのが、新年の幕開けを祝う「シャンパン」。

普通は、花火とシャンパンと忙しく外で近所の人や友人と祝うのですが、今回は、外でアルコールを摂取することが禁止。確かに例年、シャンパンを飲むと、必ず誰か近所の人や友達と乾杯していましたね。

我が家の場合、過去数年は、独日家族でそれぞれ同じくらいの年齢の子供が3人ずつ居るという境遇の似た家族が3〜4家族集まっての盛大な持ち寄りパーティーをしていたのですが、もちろん今回はこれも中止。それも淋しいです。

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