コロナで町がどう変わった?
コロナで外出を控える生活がここ1年続いていますが、世界遺産都市であるレーゲンスブルクはいったいどう変わったのでしょうか。
私は自宅から半径2km圏で生活するほか、特定のお店や病院などに車で往復する以外、ほとんどの活動が停止した生活を送っております。
ただ、旧市街の普段はにぎわう広場周辺が寂れてきているようなネタをニュースで見て気になっていて、それを自分の目で確かめようと、旧市街の主要な場所を、春めいた日曜日の午後、歩いてみることにしました。
1. 簡易ゴミ箱が町なかの人が集まる場所近くにたくさん設置されている。そしてその中身の多くは、紙コップなどである。
本当に多くの簡易ゴミ箱がありました。でも、関心なことに、人々はちゃんとゴミ箱を使っています。軽くてかさばるゴミが中心。テイクアウトの弊害ですね。でも、こうやってそれでも人々が町に出るからこそ、経済活動は成り立つわけで、決まりを守った市民の行動が大切だと思います。
実際、旧市街内で皆さんマスクを着用されていて、人が集まるところでも、それでもできる限り間隔を空けている印象があります。
2. 人が多いのはドナウにかかる石橋周辺とその下の中洲や芝生
天気のいい週末、ドナウにかかる石橋は、人がいっぱいで、お祭りのように、その人の波に乗ってゆっくりゆっくりしか歩けないくらいですが、さすがにいまは違います。それでも多くの人がこの周辺にいて、石橋の両サイドは、2、3人で出かけている若者の小グループがあそこにもここにも、間隔をあけて立ち止まっています。その手には多くの場合、アイスクリームやコーヒー、ビール(瓶)が。
3. ピザやテイクアウトのそのほかの料理、ビール、コーヒーなどを持った人にときどき出会う
ピザを抱えた若者も、中途半端な時間でしたが何組にも出会いました。調べてみると、レーゲンスブルクの旧市街にはなんと約20ものピザ屋さんがあるのですね。
ピザはテイクアウトをしやすいものではありますが、旧市街を歩いているときに気になったのが、あるピザ屋さんが営業をしていない様子であったこと。わが家は昔ここをよく利用していたのですが、もう10年以上前に、質が落ちたなぁ、ということで利用をピッタリとやめた経験があります。一方で、そこからほんの200~300m離れたピザ屋さんは、配達の自転車が3台停まっていて、中では何人もの料理人がピザを作っていました。
4. ピザ用専門のゴミ箱が設置されている。
ピザのゴミは、ゴミ箱をふさぐ、ということでコロナ禍の問題のひとつであることはすでによく耳にしていましたが、これを見ることも今回の目的のひとつでした。探さなくても、すぐ見つかりました。
この周辺が一番人が多いというところでしょう。たくさんの若者がくつろいでいます。
5. 複数回使える、デポジット式のコーヒーカップが使われているお店もある。
店頭に、こうやって利用客にわかりやすいように、テイクアウトの仕組みが掲示されています。
そのあと通った石橋で、若いふたりの女性が、そのコップを持っていました。仲良く話し込んでいたところに割り込んで、写真を取らせてもらい、コップについて少しお話を聞きました。
帰宅してすぐにネットで検索したのですが、2016年からこのデポジット付きコップの会社がドイツ国内で展開し、ドイツ全国の加盟店に、このコップを返却できるようです。コロナによる変化で、この会社、大学を卒業して間もない若い男性ふたり組が立ち上げたベンチャー企業なのですが、非常にいいシステムだと思います。
6. 店舗入口には、コロナによる閉店中なのか、電話などで予約して商品を取りに行くシステムなのかなどが明記されている。
いったいどれだけのお店が閉店したのだろうと思い、注目していましたが、意外と頑張っているようで安心しました。
普段から一部は入れ替わりが激しく、競争社会を目の当たりにするのですが、その割に、ということです。
もちろん空っぽのお店もありました。
↑ここのお店は、イタリアの洋服を扱う小さなブティックで、いいものが安価で買え、私もときどき利用していました。
「ロックダウンはもううんざり。ウイルスはいつまで経ってもなくならない。でも、いまお店を開けることができないなら、私たちはいつまでも存在できなくなる。(以上、要約)」
大聖堂は南側の塔修復のために、現在修復がされています。
2020年1月にもすでに紹介していますが、そちらの記事も合わせてご覧ください。
ノイプファー広場にはいくつかの銀行やATMがありましたが、5つのうちふたつはすでに看板も外されています。
ホテルの窓も閉まっている。観光客を宿泊させることができないうえ、イースター休暇に入ってビジネスでの利用もまずないのでしょう。
こんな光景見たことがありません。
劇場には、このような横断幕が。
「この劇場では、28ヵ国から集まった327人がともに働いている」
2019年11月にすでに紹介した高級な寿司屋ASKAが、ミシェランの星を獲得しています。コロナのこの時代にそのような発表になって、いったいどうやったら星獲得になるのやらと思ったのですが、建物の入口のところに、堂々とミシェランの星が掲げられていました。
歴史的ソーセージ屋さん。外に机や椅子が並び、日曜日だと座る場所が空くのを待つのが通常ですが、窓も閉まっている。夕方17時半ごろ、厨房の掃除をしている様子が、通りがかりにちらりと見えました。
石橋南側はこんな感じ。こんなに人が少ない日曜日の午後。
ハイド広場。ここも寂しいですね。
気になったのは、歴史あるお店、どうなっているのかな、ということ。
いったいどうやってこのコロナを乗り越えているのかしら?と気になって、ショーウインドウを見てみました。かなりシックに歴史を感じさせる展示になっています。
別のショーウインドウは、普通に何事もないように、美しく商品が展示されていました。
レーゲンスブルクには歴史ある小さな職人さんのお店がいくつかあり、後継者不足でその歴史を閉じるパターンがあります。そんなお店の中で、私もいくつか心配しているお店があります。特に経営者とちょっとした会話をしたようなお店は、やはり人情というか、頑張って欲しい!と思うので。
晴れた、春めいた陽気の日曜日の午後の様子を見てみました。
本当なら、あちこちのカフェやレストランの外には机と椅子が並び、大勢の人でにぎわっているのに。
長い冬から解放され、やっと春を感じる今日この頃。本当は町が一番活気づいている時期なのに。
とにかく、早くコロナが落ち着くことを祈っています。
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