【ドル・ド・ブルターニュ】謎残る大聖堂が街のシンボル!

公開日 : 2019年05月02日
最終更新 :

レンヌから電車で50分ほどで着くドル・ド・ブルターニュ(通称ドル)は、人口6,000人程の小さな街です。サン・マロやディナンといったブルターニュを代表する観光地へと向かう電車が乗り入れる重要な街で、フランスの新幹線TGVも止まるので休日にはモン・サン・ミシェルへとバスで向かう人々で溢れています。日本ではあまり知られていませんが、「風格ある小さな街(Petites Cités de caractère)」に加盟するなど実はとても情緒豊かな場所なんです。今回はそんなドルの魅力を紹介したいと思います!

ブルターニュ公国の宗教の中心地

Arukikata10-Dol_de_Bretagne1-Ville.jpg

9世紀にブルターニュ公国を治めていたノミノエ王(Roi Nominoë)はドルを宗教の中心地と位置づけ、19世紀まで司祭が置かれました。街も教権によって大きく繁栄し、丸石を積み上げた民家が大聖堂の周囲を囲んでおり、古いもので12世紀に起源を持つものもあるそうです。また、木組みの家が立ち並ぶメイン・ストリートも活気を見せています。

存在感溢れるサン・サムソン大聖堂

Arukikata10-Dol_de_Bretagne2-Cathedrale.jpg

12世紀から13世紀に建てられたサン・サムソン大聖堂は、ブルトン・ゴシック様式が特徴的でブルターニュ地方で最も美しい大聖堂と謳われています。内部に入った時にまず目に飛び込んでくる巨大なステンド・グラスが印象的で、その起源は13世紀にまで遡ることが出来ます。上部の6つの花びらから構成される、ロザース(丸い花形の装飾)は思わずうっとりする美しさです。

大聖堂に残された謎の井戸

Arukikata10-Dol_de_Bretagne3-Puits.jpg

大聖堂の外部と内部にある2つの井戸。実は地下で繋がっていて行き来することも出来る非常に珍しい造りをしています。9,6メートル降りた先には、人が立ったまま移動できる高さの廊下があるそうです。2つの井戸の伝説は伝えられていたものの、公に明らかにされたのはごく最近のことで、2010年に一般公開されました。どうしてそのような構造になっているのかは未だ謎ということで、人々の好奇心を掻き立てています。

緑に囲まれた散歩道:プロムナード・ジュール・ルベール

Arukikata10-Dol_de_Bretagne4-Promenade.jpg

大聖堂の先に整備された散歩道プロムナード・ジュール・ルベールも歩いてみましょう。木々に囲まれた自然空間を抜けると、城壁へと架けられた橋で街の中心部へ渡ることが出来ます。15世紀の塔の一部や、街を囲むように高くそびえる中世の壁を眺めると、ここが強固な城塞都市であったことを伺い知ることが出来ます。

私たちはこの後友人の車で、サン・シュリアックという「フランスの最も美しい村」へ行ってみました。もし良ければ併せて訪れてみてくださいね!

▼一緒に読みたい

それでは、次回もとっておきの地元情報をお届けしたいと思いますので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。

〈文・写真:高津竜之介〉

筆者

フランス特派員

高津 竜之介

NPO法人「日本で最も美しい村」連合在フランス研究員。レンヌ第2大学言語学部非常勤講師。現在は同大学人文社会学研究科において「世界の最も美しい村の比較研究」をテーマに博士課程在籍中。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。