【カンペール】フランスを代表する陶器の街!Quimper

公開日 : 2019年08月15日
最終更新 :

ブルターニュ地方の北西部、フランス語で「最果ての地」を意味するフィニステール県の県庁所在地となっているカンペールは人口6万人程の中規模都市。地域の人物や動物・自然をモチーフとした素朴なデザインのカンペール焼きは、世界中で愛されています。今回はそんなカンペールの魅力を紹介したいと思います。

◇個性豊かな文化の残る芸術と歴史の街

Arukikata22-Quimper1-Gare.jpg

「芸術と歴史の街」に指定されているカンペールでは、個性豊かな文化に触れることが出来ます。「(河川の)合流地点」を意味するブルトン語Kemperに由来し、古くから交通の要衝として発展を遂げました。5世紀前後に水没したとされる伝説の都市イスから逃れたコルヌアイユ王(グラドロン)が、大聖堂建設のため聖コランタンに自身の城を寄贈したのが街の起源とされています。

◇ブルターニュ・ゴシック建築の最高傑作サン・コランタン大聖堂

Arukikata22-Quimper2-Cathedrale.jpg

そんなカンペールの街の中心に煌びやかに建っているのが、13世紀に起源を持つサン・コランタン大聖堂です。内に入ると、天井のオレンジや黄色の暖かな色彩に心が落ち着く印象を受けます。すぐ脇を流れるオデ川に沿うように、建物全体が緩やかなカーブを描いて設計された珍しい構造をしています。個性的なブルターニュ・ゴシック建築の最高傑作をぜひ一度ご覧あれ!

◇可愛らしい木組みの家が立ち並ぶ旧市街

Arukikata22-Quimper3-Ville.jpg

旧市街はブルターニュ地方で典型的なパン・ド・ボワ(Pans de bois)と呼ばれる木骨組みの民家が多く残されています。特に両脇に立ち並ぶ色とりどりの木組みの民家の間からサン・コランタン大聖堂を眺めることの出来るケレオン通り(Rue Kéréon)は必見です。その他にもブルターニュ民族博物館やカンペール美術館があり、独自の文化を持つブルターニュ地方の当時の暮らしを垣間見ることが出来ます。

◇フランスで最も歴史ある老舗企業「アシュベー・アンリオ」

Arukikata22-Quimper4-Faience.jpg

旧市街からオデ川を挟んで反対側にあるロクマリアという地域で営業を続ける「アシュべー・アンリオ ファイアンス陶器工房 」(Faïencerie HB-Henriot)は王立釜として創業を始め、フランスで最も歴史ある企業と言われています。すぐ脇にあるカンペール陶器博物館では、カンペール焼きの歴史と代表作を鑑賞することが出来ます。また工房に併設されたブティックでは、アウトレット品や少量生産の限定品が販売されています。

すべて手作業で作られているため同じデザインでも少しずつ色味や表情が異なり、眺めているだけでも楽しめるのがカンペール焼きの魅力。ぜひお気に入りの一枚を探してみてくださいね。

▼一緒に読みたい

パリから4時間ほどかかるものの、TGVで乗り換えなしで行けるため、意外にアクセスが良いのもお勧めポイントです!ちなみに近郊にはロクロナンという「フランスの最も美しい村」があります。カンペール駅前からバスも出ていますので、もし良ければ併せて訪れてみてくださいね!

▼一緒に読みたい

それでは、次回もとっておきの地元情報をお届けしたいと思いますので、楽しみにお待ちください。

〈文・写真:高津竜之介〉

■今回紹介した街

・カンペール(Quimper)

・アクセス:レンヌから電車で2時間10分程度、パリからTGVで4時間程度

筆者

フランス特派員

高津 竜之介

NPO法人「日本で最も美しい村」連合在フランス研究員。レンヌ第2大学言語学部非常勤講師。現在は同大学人文社会学研究科において「世界の最も美しい村の比較研究」をテーマに博士課程在籍中。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。