【ヴァンヌ】ローマ教皇にも認められたサン・ピエ―ル大聖堂!Cathédrale Saint-Pierre de Vannes

公開日 : 2019年10月19日
最終更新 :

ブルターニュ地方北部の港町ヴァンヌを訪れたら、ぜひ立ち寄りたいのがサン・ピエ―ル大聖堂。今回は町の象徴としてヴァンヌ市民に愛され続けている美しい大聖堂の魅力を紹介したいと思います。

◇様々な建築様式が混ざり合う

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ヴァンヌ大聖堂の歴史は遡ること5世紀前半、ペテルン司教によりその礎が築かれました。現在の最も歴史ある建物は、鐘楼を備えた塔で13世紀後半に建てられたもの。その後、15世紀から19世紀にかけて数多くの改修を経た結果、ロマネスク建築、ゴシック建築、バロック建築などの様式が混ざり合っていることを特徴としています。聖ペテロと聖ヴァンサン・フェリエの一場面が彫られた入り口のアーチ部分も見逃せません。

◇教会内は広々とした空間が広がる

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教会の中に足を踏み入れると、広々とした造りに驚かされます。そう感じさせる理由の一つは、通常あるはずの側廊が無いからかもしれません。支柱が一つも使われていない珍しい構造をしており、側面には10にもおよぶ礼拝堂を備えています。花崗岩で作られた灰色の空間は、荘厳な雰囲気に包まれていました。

◇ローマ教皇より授けられたバジリカの称号

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日本語で"大聖堂"と訳される言葉には、実は司教座が置かれていることを示すカテドラル(Cathédrale)という語と、キリスト教会から名誉として授けられるバジリカ(basilique)という称号の2種類があります。

ヴァンヌのサン・ピエ―ル教会はカテドラルであると共に、1870年にローマ教皇よりバジリカの称号が与えられた由緒正しき教会なのです。その大きな理由の一つは、ヴァンヌの町を守護する聖ヴァンサン・フェリエの墓が収められていること。同じくバジリカの名を関するバチカンのサン・ピエトロ大聖堂の場合には聖ペトロの墓が、ローマのサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂の場合には聖パウロの墓が収められていますね。

◇聖ヴァンサン・フェリエの生涯を知る

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教会内の装飾品には、ヴァンヌの町を守護する聖ヴァンサン・フェリエの姿が数多く描かれています。スペイン・バレンシアの生まれのドミニコ会修道士だった彼は、ヨーロッパ各地へ赴き布教活動を行いました。ジャン5世ブルターニュ公爵に招かれ1年間滞在した後の1419年、その生涯を閉じたのがここヴァンヌの町。1455年にはその功績が認められ、ローマ教皇より正式に聖人として認められました。

木組みの民家が立ち並ぶ旧市街を歩くと突如として現れるのが、ヴァンヌのサン・ピエ―ル大聖堂。外の賑やかな雰囲気とは一転、静寂さに包まれた大聖堂はヴァンヌを訪れた際には必見のスポットです。

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それでは、次回もとっておきの地元情報をお届けしたいと思いますので、楽しみにお待ちください。

〈文・写真:高津竜之介〉

■今回紹介した場所

・スポット名:ヴァンヌ・サン・ピエ―ル大聖堂(Cathédrale Saint-Pierre de Vannes)

・アクセス:「ヴァンヌ駅」から徒歩15分

・住所:22 Rue des Chanoines, 56000 VANNES

筆者

フランス特派員

高津 竜之介

NPO法人「日本で最も美しい村」連合在フランス研究員。レンヌ第2大学言語学部非常勤講師。現在は同大学人文社会学研究科において「世界の最も美しい村の比較研究」をテーマに博士課程在籍中。

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