【カンカル】フランス王室が愛した牡蠣の名産地! Cancale

公開日 : 2019年11月11日
最終更新 :

ブルターニュ地方の北部、モン・サン・ミシェル湾の西側に位置するカンカルは、美しい港とおいしい魚介類で人々を魅了してきました。とりわけ牡蠣はカンカルの代名詞的な食材として知られ、歴代のフランス国王や王妃マリー・アントワネット、皇帝ナポレオンなど名立たる人々に愛されたことで知られています。今回はそんなブルターニュ屈指の港町・カンカルの魅力を紹介したいと思います。

◇レストランやお土産屋さんが並ぶウール湾

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小高い丘のすぐ真下、モン・サン・ミシェルの湾に沿って、ブルターニュらしい石造りの伝統的な建物が軒を連ねています。カンカル自慢の海の幸を提供するレストランやカフェ、お土産屋さんが多く、地元の漁師たちの姿を見ながら活気あふれる港町の散歩を楽しむことができます。

◇その場で食べられる牡蠣市場が人気

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フランス王室の食卓に並んだカンカルの牡蠣の質の高さに敬意を表して、フランス国王フランソワ一世がカンカルに「町(ville)」という称号を与えたとの逸話が残されています。そんなフランス王室御用達の牡蠣ですが、実は現地の市場で安価に購入することができます。大きさによって値段が異なりますが、最も小さい5番というサイズなら1ダース12個で3ユーロでした(ちなみに牡蠣を剥いてもらうのに0.5ユーロ、レモンを付けるのに0.5ユーロ追加でかかります)。飲み物を持参している方たちもいれば、近くには白ワインなどアルコールを売っているフードトラックもあります。友達や家族と海辺に座って波の音を聴きながら味わう生牡蠣は、格別のおいしさです!

◇海にトラクター? 牡蠣の養殖

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世界で最も潮の満ち引きが大きい湾のひとつとして知られる、モン・サン・ミシェル湾に面するカンカル。潮が高い時間帯はボートが漂う美しい海ですが、干潮時には光景が一変します。漁業ではあまり見かけないトラクターが水の引いた海へと入り、養殖した牡蠣の出荷準備をします。この農業のような不思議な光景は、一見の価値ありです。

◇日本でも人気のブレッツカフェ本店

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銀座や神楽坂、表参道などに店舗を構えるブレッツ・カフェをご存じでしょうか。日本に居ながらにしてブルターニュ名物の絶品ガレットやクレープを味わえる人気のお店です。実はブレッツ・カフェの本店は、このカンカルの町にあります。1階では定番のガレットやクレープを楽しむことができるほか、シャンブル・ドットと呼ばれる民宿も併設されていたり、ミシュラン一つ星を獲得したこともある和洋折衷の本格レストラン「ラ・ターブル」も営業しています。

ちなみに近郊にはサン・シュリアックという「フランスの最も美しい村」があります。レンタカーなどをご利用の方は、こちらの村も併せて訪れてみてくださいね!

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それでは、次回もとっておきの地元情報をお届けしたいと思いますので、楽しみにお待ちください。

〈文・写真:高津竜之介〉

■今回紹介した街

・カンカル(Cancale)

・アクセス:レンヌから車で1時間程度

筆者

フランス特派員

高津 竜之介

NPO法人「日本で最も美しい村」連合在フランス研究員。レンヌ第2大学言語学部非常勤講師。現在は同大学人文社会学研究科において「世界の最も美しい村の比較研究」をテーマに博士課程在籍中。

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