お国柄が表れるレイキャビクの動物園
日本なら多数ある動物園も、小国アイスランドにはなんと1つしかありません!
厳密には農場が経営している小さなふれあい動物園的なものもありますが、規模ではとても小さなものばかり。
今回はアイスランドでの動物園事情をご紹介します。
レイキャビク市内、ダウンタウンから車で10分程度のところにその動物園はあります。動物園といっても、その名前は「家畜動物園」。アイスランド語のhúsdýragarðurinnという名の直訳です。
そしてその名の通り、この小さな動物園で見られる動物はアイスランドに生息する家畜(豚、牛、ニワトリ、羊、ヤギ、馬)と、トナカイやアザラシなど。
正直、大人が行って感動する場所ではありません。アイスランドの田舎では羊や馬は道路わきで見れますし、特別変わった展示があるわけでもありません。
私は動物好きなので、アイスランド移住したての頃、かなりわくわくして訪れたことを覚えています。ですが入ってみると動物園というか、うーん、農場?
首都レイキャビクを代表する動物園が、これか~。アイスランドって、こういう国なのか~。となんとも言えない気分で動物園を後にしました。
動物達は触っていいというわけではありませんが、家畜であるためか簡単な柵で仕切られているのみ。運がよければかなり至近距離で動物を見ることができます。大きな動物園のように二重の柵と堀、というようなものではなく手作り感も溢れている場所です。ニワトリはさわることもできます。
珍しい動物や展示に工夫を凝らした日本の動物園のイメージとは大幅にかけ離れたアイスランドの動物園ですが、このゆるーい感じもアイスランドというお国柄を表しているのではないでしょうか。
ところで、アイスランドは北極に近いことから白くまがいると思っている人もいるようです。お土産屋さんの前には白くまのぬいぐるみがあったりしますが、アイスランドには白くまはいません。
ごく稀に、流氷に乗ってきてアイスランド北部に流れ着く白くまもいますが、元の場所(グリーンランドなど)への移送や保護にかかる費用が非常に高額となるため、アイスランドへ流れ着いた白くまは射殺となります。
それならレイキャビクの動物園へ、というのも飼育員の養成にも費用や時間がかかりますし現実的ではありません。
こうして、アイスランドの動物園は家畜動物園として大きな変化もなく存在しています。
その一方で、敷地の一部(というか大半)は動物園ではなく遊具の豊富な公園として機能しており、こちらは巨大な遊具が次々と建設されています。子供達はこれを目当てに動物園を楽しみにしているようです。
珍しい動物のいない動物園があるのみで、水族館も科学博物館も無いアイスランド。少しでも珍しいものを求めたら海外旅行に行くしかないアイスランド。
ですが、無理をしないこんな家畜動物園のありかたも小国としてのひとつのありかたなのかもしれませんね。
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