【教会No.2】聖なる階段、スカラ・サンタ。

公開日 : 2013年08月27日
最終更新 :

今日はお奨め教会第2号、28段の階段をひざまずいて上がるスカラ・サンタ(Scala Santa)、聖なる階段をお届けします!

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↑聖なる階段のある建物です。階段は入口を入ったらすぐ目の前にあります!

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↑聖なる階段です。

初訪問した日の失敗。

聖なる階段ではなく、2階にある祈祷室の方に興味があったので、上の階に行くには聖なる階段を上って行くしか方法がないと思い、お祈りをしながら頑張ってひざまずいて上ったのですが、あまりの膝の痛さに28段目が終わった時ヨロリとなってバタンッ。

特にお祈りする人が多いほど、膝姿勢での待機時間が長くなるのでつらいものがあります。膝がしびれるというより、膝で上るので骨が痛いです。

後から知ったのですが、2階に行くには聖なる階段の両脇に、膝で上らなくても良い階段(普通の階段)がありますので、皆さん無理そうならこちらを利用して下さい!

スカラ・サンタ(Scala Santa、イタリア語で聖なる階段)はサン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂の敷地内にあります。

ミニ知識ですが、ローマ市内の大きな教会のいくつか(例えばこのサン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂など)は治外法権なので、イタリアではなく、ヴァティカン市国の領土です。

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↑これがサン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂(Basilica di San Giovanni in Laterano)の夜のお姿。最初の教会が建てられたのは318年頃なのでとても古い教会です。

今日ではローマ教皇はヴァティカン市国にいると当然のように思われていますが、長い間、このサン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂の中に教皇座はあり、この教会が世界のカトリック教会のボス教会でありました!聖なる階段はこのすぐ横にあります。

この聖なる階段は、キリストが裁判の日に上ったことで有名で、エルサレムのピラト(イエスの処刑のゴーサインを出したローマのユダヤ総督)の宮殿から、コスタンティーノ皇帝のお母さんへレナによって326年にローマに持って来られたといわれています。

ヘレナは熱心なキリスト教信仰者でした。彼女によって、ローマにはキリストをはりつける為に使われた釘、いばらの冠なども持ち込まれます。別の教会に展示してありますので見て下さいね!

彼女の息子も同じくキリスト教を信仰し、皇帝になってから全帝国にキリスト教を解禁するので、信者への迫害が終わったという歴史があるのです!

この階段を上った後、キリストには死刑宣告が出されました。

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↑お祈りをしながら膝で上っていきます。世界中から信者が毎日訪れます。

たくさんの教皇も何か不穏な出来事がローマに起こりそうになる度に、お祈りをしながらこの階段を上りました。

実はスカラ・サンタよりもっと重要なものといったらこの階段を上り切ったところにある、 ローマ教皇のプライベート祈祷室(Sancta Sanctorum)です!

窓と入口は頑丈な太い鉄格子で守られており、ラテン語で "Non est in toto sanctior orbe locus" "この世にこの場所より聖なる場所はない"と書かれている礼拝堂ですが、不定期で公開もされています。入場料は一人3.5ユーロです。

詳細記事:

2018年2月8日 聖なる階段"スカラ・サンタ"が修復へ。臨時階段が使用可能です!こちら

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↑この礼拝堂は14世紀の初めまで、ローマ法王がプライベートなお祈りを捧げる、法王御用達礼拝堂として使われていました。ローマ法王は12億人以上いるキリスト教(カトリック)の頂点にあたるので、その法王専用のプライベート礼拝堂といったら言葉に言い表せない程、とてもとても大切なものなのです。

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↑筆者が興味があったのは聖なる階段ではなく、この礼拝堂のことで、中にはモザイク、ローマ派のフレスコ画、"人間の手で造られたものではない"とされる銀ぴかの祭壇用浮き彫りがあり、どれも非常に重要なものばかりです。

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↑天井!

聖なる階段が入っている複合施設周辺は、16世紀の終わりに当時のローマ教皇シクストゥス5世によってかなり大掛かりにぶち壊しが行われ、新しく改修されたのですが、この教皇専用祈祷室は彼が指一本触れなかった場所なのです。

"これ以上聖なる場所はない"と言われている場所に手をいれるなどということは、さすがの法王でも怖くてできなかったようなのでした。

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↑シスターお奨めの聖なる階段のお土産!中にバラの香りをつけたミニロザリオと祈祷文が入っています。3ユーロ。お土産屋さんは階段を上がってすぐ左にあります。

シスターに、「"この場所より聖なる場所はない"と書いてあるよ。」というと、「何をいっとるんじゃ、地上の全ては聖なる場所じゃ!」との返答。

そうかもしれないですね、気さくなお婆さんシスターが言うように、あなたの替わりは他の誰も努めることができない、ひとりひとりみんな大切な人なのです。読者の皆さんへと、シスターが愛を送ります!

筆者

イタリア特派員

阿部 美寿穂

ローマからイタリアの日常やイタリア旅行に役立つ情報などをお送りしています。

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