ローマらしいといえば...。遺跡をリスペクトして家を建ててみたら、こんなになっちゃいました!

公開日 : 2013年08月23日
最終更新 :

紀元前753年4月21日に誕生したローマは長い歴史を持ち、石を投げれば遺跡に当たるというほど、未だに街中にごろごろしています。町全体が"歴史博物館"で、歴史的建築物、美術・芸術作品が現代の町の中にガッツリ同居していて、この凄さは実際に見た人でないとわかりません。

パンテオンなど2000年前の石造り建築物がほぼ完全な形で残っているのは、世界でもローマだけかもしれませんね~。旧新ミックスしながら首都として機能しているのも、ちょっと不思議な感じがします。

ところで、この写真↓を見て下さい。

先日、「ひゃ~刺さってる!水道橋が家に刺さってまぁす!」と興奮してシャッターを押していた観光客の方がいたので、筆者も思わずつられて写真に撮ってしまいました。人が写真に撮っているものはとても気になるんです。

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↑ローマっ子にとって特別珍しいものでも何でもないのですが、これは何かというとローマ時代の水道橋で、横に"刺さっている"というよりも、実は縦に"刺さってる"んです。水道橋なので上に高く、橋の足はこの家の中を真下に突っ切って、地面に刺さっているはずです。ちなみにこの水道橋の上を歩いて横切っている住人も見たことがあります。便利な屋上通路でしょうか???

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↑少し遠くから。こんな感じで水道橋ちゃんは可哀想に、左右の近代の建物と全く調和していません。本人もかなり焦ってると思います。

この水道橋はネロ皇帝の水道橋といって、あの恐るべし暴君皇帝ネロ(在位:54-68年)により、彼の贅沢の限りを尽くした、(狂気の)黄金宮殿に水を引く為につくられました。水量が多いクラウディウス水道(橋)からお裾分けしてもらった支流(2つ目)です。ローマ時代には11本の水道橋がつくられました。

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↑こういった感じで、遺構をリスペクトして建築物を建てるのは、ローマではわりと日常風景です。

よけれる所だったらよけるでしょうけれど、そうもいかなければ家の中に取り込んでしまいます。

商店をやっている家などは、わざと透明なガラス張りの床にして、床下遺跡をお客さんに公開してくれるところもありますし、民家などで壁の中に古代の劇場の壁(劇場なので円形)を取り込んで、壁が何と曲がっているところもあります!

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↑裏からこっそり見てみました。

この水道橋ちゃんは、左右の建物と全く調和していないところがほほえましいというか、ほのぼのしてローマらしい光景ではないでしょうか!ちゃんとアーチが2つ残っているのもかわいいですね。面白い水道橋です!

筆者

イタリア特派員

阿部 美寿穂

ローマからイタリアの日常やイタリア旅行に役立つ情報などをお送りしています。

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