(上級者編)ローマをもう一歩進んで観光するには?

公開日 : 2014年01月19日
最終更新 :

今日は観光上級者/マニア向けに、ローマの町を更にもう一歩進んで楽しむ方法について少し書いてみたいと思います。

イタリアは世界一の世界遺産登録数をもつ国です。

こういうものを見たり、感じたりするのが好きな人は、楽しくて楽しくてたまらない国だろうなぁと思います。

町全体がまるで美術館か博物館の様で、見るものが多過ぎて "知的文化観光" だけでも1ヶ月は軽く過ぎ去っていく国・・・。

イタリアを旅行する際には、駆け足でなく、できれば一都市に最低10日間は滞在してその文化や雰囲気を噛み締めて欲しいと思います。とっても独自なものがある国です。

DSCN1998.JPG

↑ ローマを高いところから見る!ヴァティカン市国のサン・ピエトロ大聖堂のクーポラから。クリスマスの巨大ツリーが見えます。

もう既にローマを観光されたことがある方はご存知かもしれませんが、観光スポットにはイタリア語ではなく、ラテン語がいっぱい~! そう、ラテン語はイタリアの中部のラティウム地方(ローマを中心とした地域。現在でもラツィオ州として存在)生まれなんです。だからここがお膝元。 ラテン語は簡単にいえば、後々生まれてくる、イタリア語・フランス語・スペイン語・ポルトガル語・ルーマニア語などの言語のお母さんとなりました。だからこれらのどれか一つを知っていれば、他の言語も"こんな意味だよね?"と想像でかなり理解できるのが嬉しい特典!

pan 1.JPG

↑ ラテン語表記の例。ローマのパンテオン。

sancta.JPG

↑ ラテン語表記の例。ローマのスカラ・サンタ(聖なる階段)。

ラテン語は古代はそれはそれは重要な言葉でした。ローマ帝国の公用語だったからです。公用語になったことによって、帝国の領地や植民地などに広まっていったという訳です。

ローマ(イタリア)では遺跡などを訪れるとまず100%、ラテン語の表記がでてきます。読めるようになると、より一歩進んだ観光ができること間違いなし!! "はじめてのラテン語"などの入門本を読んで勉強してみるのも面白いかと思います。

libro.jpg

↑ 考古学や美術史などを勉強している者にとっては、ラテン語と古代ギリシャ語の知識は欠かせません。(特にラテン語) これは昔勉強を始める前に読んでいた本です。入門者用なので軽めの内容が良い感じ。

IMG_4527.JPG

↑ ファルネーゼのヘラクレス。3世紀作。ナポリ国立考古学博物館蔵。

IMG_4550.JPG

↑ この大理石の像を造った作者のお名前が書いてあります。(古代ギリシャ語)

DSCN2077.JPG

↑ ちょっと恥ずかしいですが、これは数年前の大学の授業のプリント古代ギリシャ語で書かれた聖書(ルカ福音書)。

プリントの上段が、古代ギリシャ語(原文)で下段がイタリア語訳。筆者の汚いメモは先生の説明。授業初日に、"皆さん、聖書は原文とイタリア語訳は厳密に一致していないので、作者の意図を本当に知りたいなら古代ギリシャ語で読んだ方が正確ですよ!"-と先生は軽く言うのでした。

古代ギリシャ語も知っていると便利な言葉です。ローマの博物館や美術館などに行くと、石碑の碑文などに良くでてきます。

ということで今回はマニア向け(?)になりましたが、観光もガイドブックを持ってただ前を通り過ぎるだけの通り一遍のものではなく、見方次第で簡単にも難しくも(より深く)もなるということがいえるのではないでしょうか?

イタリアに旅行する前にカルチャーセンターなどでイタリアの歴史などを勉強したり、テレビ番組を注意してみるだけでも随分違うのではと思います!

筆者

イタリア特派員

阿部 美寿穂

ローマからイタリアの日常やイタリア旅行に役立つ情報などをお送りしています。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。