ネロ帝の黄金宮殿 "ドムス・アウレア"。約10年ぶり、いよいよ開きます!入場情報編。

公開日 : 2014年11月02日
最終更新 :

前回より、10月26日より、約10年ぶりに一般公開となったネロ帝の黄金宮殿 "ドムス・アウレア" (Domus Aurea) の情報をお届けしています。

観光ガイドブックなどにも、ローマの見所として必ず、"ドムス・アウレア"は載っているので、名前をご存知の方は多いと思います。ところが長い間閉まっていた為、この観光施設の情報がほとんどないか、古いものであることに気付きました。そこで前回は、"ドムス・アウレアって何ですか?"と題し、ドムス・アウレアについてQ&A方式でご紹介しました。こちら

本日は具体的な入場情報をお伝えしたいと思います。

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↑ お部屋の一つ、八角形の部屋です。

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↑ こちらが、内部の一般公開部分(水色の線部分)です。

入場は全員、かわいらしいヒヨコの様な真っ黄色のヘルメット着用で、内部の15の区間を考古学専門のガイドさんと75分かけてじっくり廻ります。余談ですが、ヒヨコヘルメット着用時に記念撮影をしておくと、後で楽しい思い出になります(?)。

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↑ ヒヨコヘルメット着用状態(イメージ写真)。

これは以前に、別の遺跡(スキピオ家の墓地)を見学しに行った時の様子です。一般的に遺跡内は狭く、壁もごつごつしており、頭をぶつけたりすると危ないので安全の為にヘルメットは欠かせません。参加者は皆、お互いに知らないもの同士でしたが、ヘルメットを気に入ってしまった(?)私達は、1時間の見学終了後に皆で記念撮影をしました。年齢・性別・国籍に関係なく、誰とでもすぐに打ち解けてしまうところは、イタリア人の良いところです。

見学順路:

* ドムス・アウレアでのガイドの言語はイタリア語、英語、スペイン語から選べます。

こちらに、主な通過ポイントをまとめたものを日本語で記します。ご興味のある方はご覧下さい。

入場は、XVIII(18番)と書いてある、ギャラリーからです。

マップ上の赤線で模られている部分は、後にトライアヌス帝がトライアヌス帝の浴場を造った部分の遺構です。(トライアヌス帝は104年頃に、ネロ帝の黄金宮殿の基礎部分を一部、使い回して建てました。要は経費削減にも良い、リサイクルです。)

この辺りの壁の修復は、ネロ帝時代の壁に見せる様に、古代風にレンガを薪火で手焼きしたものを使って修してあるそうです。

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続いて、35番、36番に入ります。ネロ帝の宮殿部分に入って来ました。

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45番は噴水のある"オデュッセウスとポリュペーモスの中庭(二人はギリシア神話の人物)"です。天井部分の装飾は完璧に残っています。

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行程から見える41番と42番は、真上にある市民公園(オッピオ公園)にまともにダメージをくらってしまった区域です。(詳細は前号 こちら

41番のお部屋は、公園の樹木の根が天井を貫通し、天井がいつ崩落するかという、かなり危ない状態でした。(天井は地上より12メートルあり、もし上の公園に人がいたら宮殿内にずぼっと落ちて怪我をするかもしれません。)

貫通した根と共に透水もする為、内部の湿度は90%以上と高く、保存の為に内部のこの部屋のフレスコ画は全て外しました。

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65番から68番の部分は、今まで一度も一般公開したことのない部分です。

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80番は、"黄金の天井の部屋" といわれるお部屋です。

このお部屋は1500年代にピントゥリッキオなどの画家が訪れた際にコピー(スケッチ)をした様で、宮殿の別のお部屋の天井にアーティストのサインが残されていました。

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続いて92番はマップで見ても分かるように、大きな地下歩廊で、デコレーションがとても美しく残っています。(この部分は未だに市民公園から漏れてくる水の問題が解決していません)

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続いて、119番のアキレウスのお部屋です。

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↑ アキレウスのお部屋のフレスコ画。

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続いて、今まで一般公開したことがない部分の33番から23番を見学します。

33番は"赤い天井のお部屋"です。31番は"黄色の天井"といわれるお部屋です。(写真下部)

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↑ "黄色の天井"といわれるお部屋。ドムス・アウレアは、ルネサンス時代の画家達を大いに魅了しました。彼らは遺跡の壁などにサインやデッサンを残しました。デッサンは赤土色の線です。(サングイーニョ Sanguigno といわれる赤土色のデッサン用のパステル)

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↑ 32番の"黒い天井の部屋"です。ちょっと怖いです。

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続いて、29番の"フクロウの天井の部屋"に入ります。

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↑ フクロウの天井の部屋は透水による影響が強く見られ、フレスコ画の表面には塩分が浮き上がっています。

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最後はXXIV(24番)のギャラリーの見学で終了です。

このネロ帝の黄金宮殿 "ドムス・アウレア" の内部の様子のプロモーションビデオ(文化財・文化活動と観光省)がありました。何故かミステリアスな感じ(?)に仕上がっているビデオですが、古代のネロ帝の時代(在位:54~68年)にタイムスリップしたかの様な気持ちにさせてくれます。(多少不安感あり)

ビデオの長さ1分47秒 こちら

インフォメーション:

名称     Domus Aurea (ドムス・アウレア)

住所        Via della Domus Aurea, 1

一般公開日     2014年10月26日(日)から毎週末 (土・日曜日のみ)

オープン時間   9時15分~15時45分

予約     予約は必須。予約方法はこちらのサイト(英語)より。

行程     1回につき最大25名でガイド(ガイド言語はイタリア語、英語、スペイン語から選べる)と共に15分ごとに出発。ヘルメット着用。内部の15の区間を75分をかけて廻ります。

入場料金      お一人様10ユーロ(+ 事前予約料及びガイド代として 2ユーロ)

インフォメーション用電話番号   +39-06-39967700 (月~金曜日 9~18時、土曜日 9~14時)

筆者

イタリア特派員

阿部 美寿穂

ローマからイタリアの日常やイタリア旅行に役立つ情報などをお送りしています。

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