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イタリア/ローマ特派員ブログ 阿部 美寿穂

イタリア・ローマ特派員が現地からヨーロッパ地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2014年11月27日

世界最古のピアノがあります!ローマの国立楽器博物館。


世界最古のピアノがあります!ローマの国立楽器博物館。

ピアノを発明したのはイタリア人ですが、発明者本人が残した世界最古のピアノがローマにあります!
ピアノを弾かれる方はご存知だと思いますが、楽譜上に記されている言語はイタリア語ですので、イタリア語とは知らずに、"クレッシェンド"、"デクレッシェンド"、"ポコ・ア・ポコ"、"アレグロ" などの弾き方の指示用語に慣れ親しんできた方も多いかもしれません。


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↑ ローマの国立楽器博物館。


世界最古のピアノはローマにあるのですが、日本最古のピアノは、山口県萩市の熊谷美術館に現存しています。シーボルトより贈られたピアノだそうです。
将来、音楽業界に進みたい方、レコード会社に就職を考えている方、ミュージシャンとしてデビューしたい方はパワーを貰えるように、一度、世界最古と日本最古の両方を拝んでおくと良いかもしれません(?)。


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さて、ローマの国立楽器博物館(Museo Nazionale degli Strumenti Musicali)なのですが、約2年間、楽器の修復作業と館内整備などの理由で閉館していました。筆者もいつオープンするのかを知る為、昨年より度々電話をしていたのですが、ようやく再オープンしましたので行って来ました。
ところが、イタリアの財政難の為に全ての作業を続けることが出来ず、現在、半分だけのオープンとなっています。
本来ならば完全な形でこちらでご紹介したいと思ったのですが、係員の方にお話を伺ったところ、残りの半分の作業も中止になっており、完全な形でいつオープンするのかは全く目処が立っていないとのことです。数年先(もしくは数十年先)になるかもしれません。
この博物館は、古代から18世紀までの世界各地の楽器を3000点、展示してあるのですが、閉館になっている部分は主に、東洋の楽器などをコレクションしている、古代から中世にかけての部分です。
現在見学することの出来る部分には、世界で一番古いピアノとバルベリーニ家のハープが展示してあります。この二つは、この博物館の目玉ともなる楽器ですので、工事が先に始められたのでしょう。

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↑ 博物館の入口です。博物館は、とても立派な建物の2階部分に入っています。
この館内マップの右側部分(黒く塗られている部分)のみ、現在、見学することが出来ます。この博物館は訪れる人がほとんどいない為、博物館の案内パンフレットも印刷されていないそうです。(人気のある施設に予算は集中するのでしょう・・・)かわいそうになって来ました。

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↑ 一番最初のお部屋は、原始的なオルゴールやミュージックボックスが展示されていました。

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↑ ハープも近くで見ると、とても美しいです。


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↑ このお部屋に世界最古のピアノがあります。
右側が、その世界最古のピアノです。左側は2009年に作られたその複製で、内部の弦が張られている部分の様子が覗けるようになっています。

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↑ 世界最古のピアノは縦(?)に長いピアノです。
日本語や英語で "ピアノ" といいますが、名前の由来は、イタリア語の "グラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ (Gravicembalo col Piano e Forte)" から来ています。
イタリア語では現在でも、"ピアノ"は、"ピアノフォルテ(Pianoforte)" といいます。単に "Piano" といってしまうと、"計画" という意味の名詞だったり、"平らな" という意味の形容詞になってしまうので注意です。


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↑ ピアノの発明者は、イタリアのパドヴァ生まれのバルトロメオ・クリストフォリ(1732年 フィレンツェ没 Bartolomeo Cristofori)さんです。彼は、フィレンツェのメディチ家で楽器の維持管理係として働いていました。
一説によると、1700年前には既にピアノたるものを発明していたそうです。この写真のピアノは彼が1722年に作ったオリジナルで、発明者ご本人の死後にご兄弟のアレッサンドロさんに渡り、その後、ご子孫が所有していたものを、1966年に国が買い取ったということです。4オクターヴの音域(do1-do5)を持ち、ウナ・コルダストップを備えています。300年近く経っていますが、とても良い状態で保存されています。


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↑ 鍵盤も現在のピアノと同じです。

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↑ 隣にある複製のピアノです。内部の様子を覗いて見ることにしましょう。

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↑ 長く細い弦が密に並んでいます。

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↑ バルトロメオ氏が発明したピアノ(1722年)の構造模型です。左側が鍵盤です。
彼は、弦をハンマーで叩くと音が出る(しかしハンマーが弦と接触し続けない)という構造を初めて発見・開発しました。すると、それまでの鍵盤楽器に比べて大きな音が出せる様になり、同音の連打も可能になりました。
ピアノが発明されて今日まで約300年の間に、ベートーヴェン、モーツァルト、ショパン、リストなど名立たる作曲家が次々と登場して名曲を生みましたので、ピアノの発明者さんには感謝です。


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↑ 1500年頃のスピネッタ・ペンタゴナーレ(Spinetta pentagonale)という、クラヴィチェンバロに似た楽器です。スピネッタという名前は、ヴェネツィア生まれのスピネッティさん(Giovanni Spinetti)が考案者だったことから由来。


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↑ 持ち運び出来そうなかわいさ。

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↑ テーブルの様な、レガーレ(Regale)という鍵盤楽器。空気の圧力で音を出すそう。

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↑ 鍵盤楽器にも、様々な種類があるのですね!
どれも絵画などで美しくデコレーションしているところはイタリア人らしいです。

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↑ 1600年代のリュートです。
西洋絵画では、バロック時代(バロック美術)などにリュートを弾く人々が良く題材になっていますね。(例:カラヴァッジョ "リュート弾きの若者")

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↑ バルベリーニ家のハープです。
バルベリーニ家はローマ教皇を輩出した由緒ある家系で、このハープは1605~1620年にかけてバルベリーニ家の為に製作されたものです。とても大きなハープです。ポロン、ポロンとどんな音がするのでしょうか。絵本の世界に出てきそうです。
ジョヴァンニ・ランフランコ(Giovanni Lanfranco)という、ローマでもサンタンドレア・デッラ・ヴァッレ教会(Chiesa di Sant'Andrea della Valle)のクーポラなど、教会内部の装飾などに携わった画家がいるのですが、その画家が "ヴィーナスが弾くハープ (Venere suona l'Arpa)" という絵の中でこのハープをまさに主人公として描いています。この絵はローマのバルベリーニ宮(国立古典絵画館)で見学することが出来ます。こちら

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↑ グラス・ハーモニカ。グラスの重なった軸を回すと音がでるそうです。


ということで、今回は、現在オープンしている部分をご紹介しました。
残りの半分はいつ再オープンするか分かりませんが、博物館にも、もっともっとたくさんの人が訪れて、また工事が続けられるように資金が少しずつ集まっていくことを願っています。


インフォメーション:


名称    国立楽器博物館 (Museo Statale degli Strumenti Musicali)
住所    Piazza Santa Croce in Gerusalemme, 9/a
* 最寄り駅は地下鉄A線サン・ジョヴァンニ駅(San Giovanni)。地上部出口を出て徒歩8分。
オープン時間   9~19時
休日     月曜日
入場料   お一人様5ユーロ




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  • 特派員プロフィール
  • ローマ特派員

    ローマ特派員
    阿部 美寿穂
    神奈川県出身。イタリア政府公認観光通訳、ツアーコンダクター(伊⇔英、日)。ローマ大学卒(文学哲学部文化遺産学専攻)、国立ペルージャ外国人大学修了。日本の公的機関で企画及び広報業務に6年間携わった後、渡伊。ご質問・ご相談などの各種お問い合わせはどなた様もお気軽にこちらまでどうぞ。また下記のSNSでは、イタリアの日常生活や旅行ヒントなどを毎日お送りしています!
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