ローマのバールでよく見かけるスイーツ。その1 オッキオ・ディ・ブエ (牛の目玉)

公開日 : 2014年11月18日
最終更新 :

イタリアのバール(Bar)は朝6時30分頃から開いていて、近所の人達とおしゃべりをしながらコーヒーを飲んだり軽食もとれる、いわば社交場のような役割を果たしています。

イタリア人は、バールで朝食を摂ることも多いので、カウンターにはコルネット(イタリア版クロワッサン)やタルト類、チャンベッローネ(Ciambellone 直径が30cm位あるドーナツ型の小麦粉と砂糖を混ぜて焼いたケーキ。スライスして売っている)、甘い菓子パン、ビスケット類などがぎっしり揃っています。

今回は大概のバールのカウンターにある、(ビスコッティ)オッキオ・ディ・ブエ(Biscotti Occhio di Bue)というビスケットをご紹介したいと思います。

イタリア語でオッキオ(Occhio)とは "目" 、ブエ(Bue)は "牛" を指す為、直訳すると "牛の目玉" という意味になります。ちなみに卵の"目玉焼き"も同じく、オッキオ・ディ・ブエといいます。大きい目に見える、その形状から由来しているのでしょう。

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↑ オッキオ・ディ・ブエ (牛の目玉)というビスケットの一種です。

このオッキオ・ディ・ブエは、ローマでは非常にポピュラーなお菓子で、バールのみならず、スーパーマーケットのお惣菜コーナーなどでも売られています。

イタリアのバールではお馴染みのスイーツだと思っていましたが、今回の記事執筆の為の事前調査で、南イタリア出身の方から、南部ではそれ程ポピュラーなお菓子ではないという証言をいただきました。

ですので、タイトルも"イタリアのバールでよく・・・"とはせずに、"ローマのバールでよく・・・"としました。

一方、イタリアの北部では知られているそうなので、オッキオ・ディ・ブエは北中部にかけて良く見られるスイーツとなりそうです。

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↑ オッキオ・ディ・ブエは意外と大きく、直径10cm前後あります。

焼いた軟らかいビスケット地を重ね、"目"の部分にクリームやジャムが入っています。

この写真のものは"目"の部分に、アプリコットジャムが詰まっているタイプです。その他には、チョコレートクリームやホワイトチョコレートクリーム、ピスタチオクリームのヴァリエーションあります。

大きさをさらに2回り程小さくした、ミニ目玉タイプのものもあります。ミニ目玉タイプのものは、いくつか購入してラッピングしてもらうと、手土産にもぴったりです。

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↑ 昔は、オッキオ・ディ・ブエではなく、オッキオ・ディ・ボヴェ(Occhio di Bove)と呼ぶこともあったそうです。ボヴェとは、同じく "牛" の意味です。

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↑ ホワイトチョコレートクリームとヌテッラ(ヘーゼルナッツ風味のチョコレートクリーム)の牛の目玉。

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↑ イタリアでは "甘い朝ごはん" で快活に一日が始まりますので、当然ながらオッキオ・ディ・ブエを朝食にする人もいます。オッキオ・ディ・ブエは中もビスケット全体にびっしりクリームが挟まっているかと思いますが、実際は "目" の部分だけです。重そうで軽い、軽そうで重い、一見掴みどころのないお菓子ですが、女性の方なら1枚でお腹がいっぱいになります。ビスケット生地がどっしりとしているのです。

もしイタリアでバールに入る機会がありましたら、オッキオ・ディ・ブエをお試し下さい。

ご参考までに、ローマの市場(バール)での平均価格は、1枚1.3ユーロ(約190円)前後です。

筆者

イタリア特派員

阿部 美寿穂

ローマからイタリアの日常やイタリア旅行に役立つ情報などをお送りしています。

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