イタリアのお魚料理:外で食べるお魚料理(レストラン編)その2

公開日 : 2016年05月15日
最終更新 :

地球の歩き方・現地特派員には毎月 "お題" というものがあり、5月のテーマは "(現地の)お魚料理" です。

そこで前回より、今まで筆者が集めて来たお魚料理の写真をカテゴリー別にまとめてご紹介しています。

新鮮な情報をご提供する為、写真は全て3年以内に撮影したものを厳格に選びました。ですので、多少レストランの所在場所が偏ってしまったかもしれませんが、その点はご勘弁下さい!

また、お料理の名前とレストランの名称・場所等は出来る限り記載する様に心掛けました。お店選びなどのご参考にどうぞ。

カテゴリーは以下の通りです。

今月のお題 "お魚料理"は、写真を見ているだけでも楽しんでいただけるかと思います!!

1.外で食べるお魚料理

※①のレストラン編は写真の枚数が多くなってしまった為、下記の通りその1、その2、その3(最終回)にざっくり分けました。

①大衆食堂から少しおしゃれなレストランまで(レストラン編)

イタリアのお魚料理:外で食べるお魚料理(レストラン編)その1 ※前菜、付け合わせなど こちら

イタリアのお魚料理:外で食べるお魚料理(レストラン編)その2 ※プリモ・ピアット 

イタリアのお魚料理:外で食べるお魚料理(レストラン編)その3(最終回) ※プリモ・ピアット、セコンド・ピアット、その他 こちら

②少しグレードアップした場合のお魚料理(ホテルのレストラン編)

イタリアのお魚料理:外で食べるお魚料理(ホテル編) こちら

2.家庭で食べるお魚料理

イタリアのお魚料理:家庭で食べるお魚料理 こちら

それでは本日は、有名なイカ墨のスパゲッティから行ってみましょう!

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↑ イカ墨のスパゲッティです。

スパゲッティと言っても、こちらでは直径0.6ミリ位の細いものから、4ミリ位の太いものまでたくさんの種類のスパゲッティが市販されています。そして太さにより呼び方も変わります。

このお店のものは、普通のスパゲッティより少し太いものを使っていました。

大きいスパゲッティということで、名詞に増大を表す接尾辞"-one(-オーネ)"をつけた、スパゲットーニ (Spaghettoni) という呼び方もします。

イタリア語では変意名詞と言って、名詞の語尾にある特定の接尾辞をつけることによって、その単語に特別の意味を与えることがあります。増大を表現する"-one(-オーネ)"や"-ona(-オーナ)"を付けると"大きな"と言う意味を与えます。(増大接尾辞 Suffisso dell'accrescitivo ⇒イタリアに来て、文法用語をイタリア語で勉強される方もいらっしゃると思いますので後ろにイタリア語でも付けます)

例えば本はリブロ(Libro)ですが、リブローネ(Librone)とすると大きい本(大判の本)の意味です。女の子はラガッツァ(Ragazza)ですが、大柄な女の子という時はラガッツォ―ナ(Ragazzona)にします。

またもし"小さな"と言う意味を与えたいのであれば、"-ino (a)(-イーノ (イーア))"や"-ello (a)(-エッロ (エッア))"、"-etto (a)(-エット (エッタ))"を付ければオーケーです。(縮小接尾辞 Suffisso del diminutivo)

その他の変意名詞には、"かわいらしい"などの意味を与える愛称接尾辞 (Suffisso del vezzeggiativo) や、侮蔑、形状の醜さなどを表す軽蔑接尾辞 (Suffisso del peggiorativo) があります。

語尾が微妙に変わることによって、ニュアンスが大きく変わって来ます。女の子のラガッツァは"ラガッツォ―ナ"という発音になると、いかにも大きな女の子!と言う感じになり、なかなか面白いです。

スタッフの方によると麺を少しだけ太いものにしたのはイカ墨のソースをからませ易い様にとのことです。また、このお店ではイカ墨のパスタやリゾットを頼むのは大半が外国人のお客さんだそうです。イカ墨を使ったイタリアのお料理は、国内よりも海外でより名声があるのでしょうか。そういうものかもしれません。(場所:ローマ中心部のレストラン)

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↑ 上のお店では筆者はイカ墨のスパゲッティを頼みましたが、イタリア人の友人はこちらの魚介類のスパゲッティを注文しました。今日は魚介尽くしです。というのは、イタリアでは金曜日はお魚の日です。

訪れるまで金曜日だということを忘れていたのですが、お店の奥さんが、今日は新鮮なコッツェ(Cozze ムール貝)が手に入ったので、折角なら何かコッツェを使ったお料理はいかがですかと薦めて下さいましたので、素直な(?)友人と筆者は、コッツェが入った魚介類のスパゲッティとイカ墨のスパゲッティをそれぞれオーダーすることにしました。(場所:ローマ中心部のレストラン)

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↑ アップです。イカなどがスパゲッティの間に見え隠れしています。

ところでルールに従うなら、イタリア料理はこのような順番で食べていきます。

今回のブログ その2 では、2番のプリモ・ピアットの料理をご紹介しています。前回 その1 では、1番のアンティパストを中心にご紹介しました。

1. 前菜(アンティパスト)  

2. 第一皿目-プリモ・ピアット(パスタ、リゾットなど)

3. 第二皿目-セコンド・ピアット(肉や魚料理)

4. 付け合わせ(サラダや温野菜など)

5. デザート

6. 食後酒やコーヒー

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↑ こちらはあるピザレストランで、「あ~ん。あたしに任せてよ。あたし16歳の時から32年間、ウェイター一筋でやってるプロなのよ。このお店には1ヶ月前に来たばっかりだけどさ。」と答えてくれた、オネエ系のウェイターさんが発明した素晴らしい作品(?)です。

「こっ、このお店でこんな作品を見るのは初めてです。何ですか、これは?ハッ、ハトですか?」 と声が震える筆者に対して、「いや、アヒルのつもりで作ってみたんだけど~。」 と、くねくねするウェイターさん。ピアット・ウニコ(Piatto Unico 一つのお皿に全部入っているという意味。つまり第一皿目+第二皿目)のお魚料理です。写真にするとくねくねウェイターさんのアヒル二匹はおかしくて吹き出しそうですが、味はおいしかったので100点満点です。(場所:ローマ中心部のピザレストランで現在休業中)

詳細はこちら:

2014年7月30日号 何でもありのイタリア。機転の利くウェイターさんが持って来たお料理とは? こちら

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↑ ホイル包みの中にはおいしい魚介類がぎっしり。

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↑ こちらのプリモ・ピアットは、海老と燻製スカモルツァチーズ、サフランとバジルのタリオリーニ(Tagliolini con gamberi, scamorza affumicata, zafferano e basilico、英語表記:Noodles egg pasta with shrimps, cheese scamorza, saffron and basil)です。パスタの一種であるタリオリーニ(Tagliolini)は、もちもちの卵入りのパスタです。(場所:アイ・フィエナローリ Ai Fienaroli、ローマのVia Sardegna, 135-137。ヴェネト通りから東方向に徒歩約10分)

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↑ スパゲッティ アッロ スコーリョ(Spaghetti allo scoglio)は海の幸のスパゲッティです。ご参考までに、2013年の夏の時点で一皿10.5ユーロでした。

(場所:クレームカラメル Creme Caramel、ローマのVia La Spezia, 38。地下鉄A線 サン・ジョヴァンニ駅から徒歩4分)

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↑ 海老とズッキーニのタリオリーニ(きしめん状パスタ)の上にモッツアレッラチーズとパルミジャーノチーズをペーストにしてソースにしたもの(写真の白いもの)がのっています。スープパスタです。上にのっているのはバジルの葉です。和食の様なさっぱりした味なのにコクがありおいしかったです。(場所:ローマ中心部のレストラン)

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↑ どんどんおいしそうなパスタが続きます。外で見て来たアレンジを結構参考にしています。

ヴォンゴレ(イタリア語でアサリ)と海老のスパゲッティの黒トリュフがけ(Spaghetti con vongole, gamberi e tartufo nero、英語表記:Spaghetti with clams, shrimps and black truffle mushroom)です。メニューにはパスタの部分はスパゲッティとなっていますが、タリオリーニにしてもらいました。

(場所:アイ・フィエナローリ Ai Fienaroli、ローマのVia Sardegna, 135-137。ヴェネト通りから東方向に徒歩約10分)

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↑ おいしいローマ料理を出すことで有名なレストラン、ロモロ・エ・レモです。

こちらは、ハタのリングィーネ(Linguine alla cernia)です。

(場所:ロモロ・エ・レモ Romolo e Remo、ローマのVia Pannonia, 22)

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↑ 手長海老のクリーミィなソースのハーモニーがたまりません!この店は何を食べてもおいしいです。

(場所:ロモロ・エ・レモ Romolo e Remo、ローマのVia Pannonia, 22)

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↑ ホテルの屋外プールに遊びに行った時に、昼食用にプール脇のレストランで食べたオマール海老のニョッキ(ニョッキとはジャガイモやカボチャを茹でてつぶしたものと小麦粉を混ぜ親指の先位の大きさに模り、ソースで味付けしたパスタ)です。海老のだしが良く出ていてとてもおいしかったです。

宿泊者以外でも利用出来るプールがあるホテルの場合、プール1日利用券とお食事券がセットになったチケットを販売していることがあります。(この施設の場合は15ユーロでした)

昼食は決まっているメニューの中から好きな料理を選ぶことが出来ます。このホテルでは10種類のお料理の中から選ぶことが可能でした。筆者の場合は、どちらかというと食べるより泳ぐ方に夢中でいつもふやけていないか心配されますが、お食事もプール訪問の目的だと言う方は、プールを選ぶ際に隣接のレストランがおいしい料理を出すことで知られているかどうか確認すると良いと思います!イタリア半島内陸部のホテルでは大概プールを備えていて、プールの周囲に山が見えて絶景です。

(場所:ペルージャの三ツ星ホテル)

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↑ ナポリに到着する旅行者の大半が利用するナポリ中央駅(鉄道と地下鉄の駅)の近くにある食堂にふらふらっと入りました。ヴォンゴレのスパゲッティ(Spaghetti alle vongole)は1皿5ユーロです。野菜不足かもと思い、野菜サラダ(写真奥)も頼みます。イタリアでは作り置きドレッシングはなく、サラダはテーブルに来たら各人でお好みでオリーブオイルや塩、バルサミコ酢などをかけます。

(場所:アヴェリネーゼ Ristorante Avellinese、ナポリのVia Silvio Spaventa, 31-35。駅のすぐ南側にある通りで駅から徒歩3~5分)

以上、写真の枚数が多くなってしまった関係で今回はここまでとし、次回その3は、最も目が楽しめるイタリアらしいカラフルなパスタやリゾット類などのプリモ・ピアット(第一皿目)の続きからとセコンド・ピアットやその他のお料理をお届けします!

5月お題"魚料理"

筆者

イタリア特派員

阿部 美寿穂

ローマからイタリアの日常やイタリア旅行に役立つ情報などをお送りしています。

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