ロックダウン前にやっておきたいこと イタリアの新型コロナウイルスの最新情報

公開日 : 2020年03月27日
最終更新 :

新型コロナウイルスが猛威を振るうイタリアから、2020年3月9日より現地の状況を見たままお届けしています!イタリアでは、3月10日から新型コロナウイルスの感染拡大防止対策の為、全土封鎖の措置が取られ、今日で自宅待機17日目に入りました。世界で中国を除いて最初にロックダウンに入ったイタリアですが、ひと足先に体験した者として、気が付いたこと、封鎖前にやっておけば良かったことなどをまとめてみました。日本は封鎖にならないことを願っていますが、皆さまの参考になれば幸いです。

なお、今日までに政府が発出した新型コロナウイルス感染拡大防止措置に関する法令と、現地の最新状況については、過去の記事でご覧いただくことができます。

外出時の自己宣誓書のフォーマットは、イタリア内務省により本日3月26日までに4回改訂が行われています。記事中に貼られたフォーマットなどの書類のリンクは、筆者が改訂ごとに更新していますので、全て最新のものです。

新型コロナウイルスに関する記事:

2020年3月9日 イタリアの新型コロナウイルスの最新情報「今日から国内の博物館など観光スポットが一時閉館」こちら

2020年3月10日 イタリアの新型コロナウイルスの最新情報「今日からイタリア全土にて移動制限」こちら

2020年3月16日 イタリアの新型コロナウイルスの最新情報「12日からイタリア全土にて商業活動の制限措置」こちら

2020年3月17日 イタリアの新型コロナウイルスの最新情報「不便な日々の暮らしと高まる団結の気運!」こちら

2020年3月21日 イタリアの新型コロナウイルスの最新情報「今日から公園の散歩なども禁止に!」こちら

ロックダウンに入る前にやっておきたいこと

■もし封鎖が行われる場合、突然実行されるので心の準備をしておいた方が良い。

また、封鎖をしても感染者の減少などの結果が芳しくない場合、より厳しい措置や封鎖期間の延長も突然行われます。○日まで頑張る!と思って気を張り詰めて耐えていると、いざそうなったときに辛くなります。予防は徹底していても、気持ちは軽く捉えて、新型コロナウイルスと共存するような作戦に意識を変えた方が負担がありません。イタリアの場合も、販売活動の休止措置は当初14日間の予定でしたが、その間も感染者が激増した為、途中で予告なしに更に9日ほど延長されています。

■政府による全土封鎖令の発出後は、危機感を感じた市民により買い占めが行われることはある程度予想していたので、1日の新型コロナウイルスの感染者がそれまでより早いペースで増加し始めた頃から、少しずつ洗剤やトイレットペーパー、乾燥パスタ、米、缶詰製品(ツナや豆、コーンなど)、パスタソース、冷凍食品などを購入しておきました。予想は当たり、未だに洗剤やトイレットペーパーはスーパーの陳列棚にはありません。これらは常に役に立ちます。買い占めが起きたときのスーパー内の様子は、上部の過去記事の中でも写真でご紹介しています。

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↑ スーパーで見つけたカップラーメンと焼きそばです。おいしいかどうか分かりませんが、とりあえず買っておきました。1個1.9ユーロ(今日のレートでおおよそ224円)です。実体験ですが、自宅待機が長く続くと、料理することも食べることにもやがて飽きてきます。動かないのでお腹も空かず、悪循環となります。様々なタイプの食べ物を用意しておくと乗り越えられます!

■封鎖に伴う販売活動の休止措置では、ウイルスの感染拡大の防止のため、食料品の買い出しはOKですが、例えば、緊急性のない電球はNGとなります。今のうちにざっと家の中を大丈夫そうか見ておくと安心です。電池やロウソク、ライター、懐中電灯は、ロックダウンに限らずいつも常備しておくと便利です。

■ここ1~2ヵ月位先に期限が切れるお食事クーポン、割引券は、まだ先があるから!とは思わずに使っておいた方がいいです。また、会う予定の友達とも会っておきましょう。

ロックダウンに入るとどうなるのか!

■自宅待機10日目位から、周りは二つのパターンに分かれました。溜まったストレスを発散しようとアグレッシブに外に向かうタイプと、鬱になり無言、日に日に元気がなくなって行くタイプです。前者はイライラして怒りやすくなり、後者は落ち込みやすくなります。今のところ後者の方が多いようです。国によっては、政府が委託をした心理カウンセラーが電話で無料相談を受けているところもあるようです。もし辛さを感じていたら、それらも利用してみて下さい。

■食べて動かないので、体重が増えるのが深刻な悩みです。封鎖中は基本的に外出禁止となりますので(法令の規定する内容の詳細は過去記事をご覧下さい)、家の中でできる楽しい体操、運動を見つけると良いです。

■普通に食事をし、生活活動量も少ないので、閉じこもり生活で血糖値や血圧が急に上ってしまった人がいます。

■やはり生体リズムが崩れて行きます。筆者の場合は、少しずつ入眠時間が後ろ倒しになり、夜更かしになって行きました。可能であれば、時々日光に当たることをおすすめします。

■毎日家にいると、さすがに食事も飽きて来ます。スーパーなどの食料品店では、なるべくバラエティに富んだ食料品の備蓄か買い物をしましょう。

■消毒作業なども中だるみしやすいので、しっかりと行いましょう。手洗いやうがい、ドアノブ、テーブルなど、怪しい場所の除菌・消毒は必須です。

■商店は新型コロナウイルス感染拡大防止の為、1回の入店人数が決められた入場制限が行われています。スーパーも入場の為の列が長くなり、一昨日は入店するのに2時間待ちました。早くても10~15分はいつも待ちます。待てる体力と暇つぶしできるもの(雑誌や新聞、数独やクロスワードのクイズ本など)を持参しましょう。筆者は列に並ぶときにいつも仕事をすることにしています。資料に目を通したり、Wordに文章をまとめたり、普段から時間がいくらあっても足りない人なのでちょうど良いです。集中し過ぎて後ろに並ぶ人に列を飛ばされないようにしましょう。(自戒)

■通常、封鎖期間中の規制などは、日を追うごとに厳しくなっていきます。今日は完全封鎖17日目ですが、お店によっては入店の際に、マスクの着用が必要なところも出て来ました。法律では規定されていない為、罰せられることはありませんが、マスクがない場合はお店の人にマフラーやフードで口元を覆うように指導されている人もいます。

■以前は気軽に買いに行けた文房具店や家電量販店などが、ロックダウン後に一時閉店してしまい、大変困りました。これらは、オンラインショップで何とか見つけることが出来ました。インターネットで何か情報などを探したりする作業も、時間のかかるものはやらずに溜めておいて、スーパーなどの列に長く並ぶ時に行っています。

■郵便局は封鎖になった日から10日間は、酷い配達遅延が相次ぎました。ロックダウンで人員削減の上、時短営業になっていますので、今まで局内で1日で済んでいたような作業が5日くらいかかってしまっているそうです。物流も一時的に麻痺してしまいます。

■預金封鎖に備えて、銀行などの金融機関で現金を引き出す人が殺到したので、ローマの近所のATMにお金がない日もありました。今後、世界中で起こる感染の爆発→銀行の取り付け騒ぎ→預金封鎖→銀行の倒産→金融システムの不安定、そして最後は世界恐慌へと進んで行ってしまわないことを願っています。

■部屋の湿度を保った方が良いです。濡らして絞ったタオルをかけたり、部屋には鉢植えの植物を置きます。喉を乾燥させないことが大切です。

■新型コロナウイルスの感染予防対策として、外出時は手を洗えないので除菌ジェルで消毒し、帰宅してから石鹸での手洗いを頻繁に行っていると、日に日に手が乾燥して来ます。感染症予防の観点からいっても、乾燥していたり傷があるとそこからウイルスが入りやすくなるので良くありません。手を洗ったら、ハンドクリームを塗って保湿をすることを習慣づけましょう。

■自宅待機中でも戸締りをしっかりと。プロの泥棒はウイルスにも怯まないと思いますので、油断をしてはいけません。

以上となります。また思い出しましたら、追加しておきます。

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↑ 今晩も玄関にお届け物が置いてありました。

イタリア全土で、住民は用事がない限り外出禁止の自宅待機となっていますが、長い時間を家の中で過ごすので、料理をしている人も多いです。

隣の家のかわいいローマっ子のお姉さんが、一昨日は家で手作りしたパン(写真は3月17日の記事のもの)、そして先日はリンゴのタルト(写真は3月21日の記事のもの)を持って来てくれました。待機生活17日目で、料理をすることも食べることにも飽きて来たので、お姉さんの差し入れで新鮮さを保てています。今日はシナモンロールのようです。"みずほちゃん元気? 朝ごはんに食べてね。ハグを送ります。お隣りのフランチェスカより"

それでは、イタリアの現地在住者が見た新型コロナウイルス情報はまた続きます。状況は毎日刻々と変わっていますので、最新の情報入手と必要な感染予防をお願い致します!

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉

海外に渡航する場合は、渡航先、経由先の国がビザ発給や入国の制限をしていないか必ずご確認ください。状況、環境は日々変化しますので予告なしに入国制限などが実施されることも予想されます。最新情報、情報の詳細は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。

筆者

イタリア特派員

阿部 美寿穂

ローマからイタリアの日常やイタリア旅行に役立つ情報などをお送りしています。

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