ローマ郊外にある温泉水が湧き出る町"フィウッジ"
火山があるイタリアもまた日本と同じように温泉大国で知られています。歴史的にも古代ローマ人は温泉好きで、社交の場としても活用されていたことが、数ある遺跡の中に浴場跡があることが実際に証明されています。今回は、中世の頃からローマ教皇に献上された伝統的な温泉水が飲める町と知られ、ローマから東へ約61kmの場所にあるフィウッジ(伊語:Fiuggi)をご紹介します。
車で約1時間弱のフィウッジという町自体は、人口が約11,000人規模で、当地の名物である温泉は紀元前より発見されたと言われています。フィウッジの町にあるボニフィティウス8世の源泉(伊語:Fonte Bonifcacio VIII)は、日本であるような温泉という入浴施設はなく、施設内で温泉が出る蛇口が並ぶ公園となっています。
公園内には椅子があちこち並べられ、飲泉セミナーが開催されるスペース、緑に囲まれた広大な空間で身も心もリラックスできる有料公園(入場料:2ユーロ)になっています。
このフィウッジの水は、ローマのスーパーマーケットでも見かけることができるが、その泉質は腎臓結石や痛風等に良いとされています。実際にその効果を体感するには、医師の指示を仰ぎながら何日かかけて滞在して飲泉する必要があるようです。そのため現在のイタリアでは、日本のようにリラックスして温泉に浸かるよりも医療的な要素が大きいとされます。
実際にこの町は、活気のある温泉街というよりは、ちょっと疲れた感じの温泉の町という印象があり、高級ホテル等では、当地の水を活かした"SPA(スパ)"の施設を備えているところもあります。
そして、温泉街のような雰囲気を持つ新市街から眺めるフィウッジの旧市街は、小高い丘の上にあり、イタリアの小さな町の路地裏散策ができます。
旧市街の頂には、ちょっとした雰囲気のある宮廷のような市民劇場が目につき、中世の町並みが持つ空気が漂います。
ローマ2特派員がこの町のホテルに滞在して、ただ純粋にスパを楽しんだのが、2012年の冬でしたが、当時の状況とはまた違った視点でローマ教皇のお墨付きの伝統的な温泉水を飲みながらこの町の雰囲気を体感することができました。何よりもこの温泉が紀元前には発見されていたこと、中世時代にはその温泉を法王に献上したという歴史の流れをまた改めて学ぶことができました。ローマ滞在時にイタリアの温泉はどんなものだろうと好奇心旺盛な旅人の皆さんもこの町を候補に入れて頂けるとまた違った味わいがあるかもしれません。
筆者
イタリア特派員
田澤 龍太郎
現地でサッカーを中心にしたスポーツ留学サポートや旅行アシスタントやコーディネーター等と現地在住の強みを活かした仕事をしながらどっぷりと濃いローマライフを満喫中。
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