古代ローマの歴史ロマンを感じる最古のショッピングモール

公開日 : 2020年02月21日
最終更新 :

永遠の都に眠る古代ローマの遺構のなかには、世界でも最古のショッピングモールではないかと考えられ、古代ローマ人の生活を感じられる巨大な半円形の遺構があります。特に古代ローマの歴史に興味がある人にとっては、トラヤヌス帝の市場(伊語:Mercati di Traiano)は、数あるローマ建築のなかでもぜひとも訪れてみたい場所であることは間違いないです。

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西暦100年~110年に建設されたとされるトラヤヌス帝の市場は、トラヤヌス帝に仕えていたダマスカス(現在のシリアの首都)の建築家アポロドーロス(伊語:Apollodoro di Damasco)によって建てられたとされています。中世の頃には、階層が増築され、13世紀頃には、防御用の要素を含んだ兵士の塔(伊語:Torre delle Milizie)が増築されたといわれています。

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このトラヤヌス帝の市場は、2007年頃から皇帝のフォルム博物館(伊語:Musei dei Fori Imperiali)が併設され、一般公開されています。このフォルムとは、古代ローマの公共広場を意味します。この博物館の入口となるグランデ・アウラ(伊語:Grande Aula)は、現在は博物館として各フォルムのジオラマや世界に広がる古代ローマの遺構のモデルが展示されていますが、この場所に広がる空間が現在のショッピングセンターの構造と変わらないことに驚きを覚えます。

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このグランデ・アウラの端に大きなテラスがあり、そこからはトラヤヌス帝の市場のみならず、トラヤヌスのフォルムやヴィットリオ・エマヌエーレ2世紀念堂を見渡すことができる風景を眺めることができます。このテラスの一部となっているビベラティカ通り(伊語:Via Biberatica)は、トラヤヌス帝の市場を貫くように作られています。

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このビベラティカ通りは、飲み物という意味があり、実際のところ当時は、酒場や食料品店等の店舗が並んでいたといわれています。この市場の上層階は、事務所があり、トラヤヌスのフォルムに面している下層階は、商店街のようにワインや油、魚介類、野菜などを売る店が並んでいたとされています。

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地上階での各店舗の入口は、建築材料として古く乾いて固くなったトラバーチン(伊語:Travertino)を使用しています。

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当時の皇帝のトラヤヌスは、これまでイタリア本土の出身者の最上流貴族しか皇帝に選ばれなかった時代において初の属州生まれの皇帝で知られ、対外的にも功績を残し、穏当な政治でローマ帝国を治めることにより、優れた君主としても現在に至るまで尊敬を受けています。悠久の歴史が眠るローマにあるこのトラヤヌス帝の市場は、コロッセオやフォロ・ロマーノのように観光客が溢れる場所ではないことから、古代ローマの歴史を身体中で感じながらゆっくりと歩ける場所としておすすめです。

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■Mercati di Traiano - Museo dei Fori Imperiali

(トラヤヌス帝の市場-皇帝のフォルム博物館)

・住所: Via IV Novembre, 94, 00187 Roma

・開館時間: 9時30分~19時30分(月~日)

(12月24日及び31日は、9時30分~14時/1月1日は、14時~20時)

※チケットは閉館の1時間前まで購入可能

・休館日:5月1日、12月25日

臨時休館の場合もあるので、事前にホームページで確認することをおすすめします。

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筆者

イタリア特派員

田澤 龍太郎

現地でサッカーを中心にしたスポーツ留学サポートや旅行アシスタントやコーディネーター等と現地在住の強みを活かした仕事をしながらどっぷりと濃いローマライフを満喫中。

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