欧州屈指の歴史を誇るイタリアの首都ローマの大学

公開日 : 2021年09月23日
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首都ローマには、欧州でも屈指の歴史を誇り、在籍している学生の数でも西ヨーロッパ最大規模のローマ・ラ・サピエンツァ大学(伊語:Università degli studi di Roma"La Sapienza")があります。その学生数は、10万人以上とされ、学部数は21学部とローマだけではなく、イタリアでももっとも権威のある大学で、その卒業生たちは一目置かれています。

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起源はなんと中世の1303年頃でざっと700年以上の歴史があります。学術や文化の保護者で知られた教皇のボニファティウス8世(伊語:Bonifatius VIII)によって設立された当時は、聖職者のための教育機関であり、STUDIUM URBISという神学校がローマ市内に設立されたのが、この大学の前身とされます。

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そして、1807年頃には教皇領が廃止されたことに伴い、教皇庁の管轄として国公立大学となりました。1935年にはムッソリーニによって現在の場所に移動されたこのラ・サピエンツァ大学は、省略してローマ大学と呼ばれることがあるが、第2次世界大戦後に2つの国公立大学が設立されたことにより、ラ・サピエンツァと区別されています。なお、戦後に設立された国公立大学は、トル・ヴェルガータ大学(伊語:Università degli studi di Roma "Tor Vergata")、ローマ・トレ大学(Università degli Studi di Roma Tre-Rettorato)とされ、サピエンツァ大学が第1大学、トル・ヴェルガータ大学が第2大学、ローマ・トレ大学が第3大学と呼称されることもあります。

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【注意】写真は、ローマ市内のオスティエンセ付近にあるローマ・トレ大学です。

このラ・サピエンツァ大学は、古代史学(伊語:Storiografia)を学ぶ大学として、世界でトップに君臨し、考古学(伊語:Archeologia)の分野でも世界9位にランクされ、多くの古代遺跡に恵まれたイタリアそして、永遠の都ローマならではの大学とも言えます。また、卒業生には、イタリア共和国の首相や政財界の支配層が多く輩出されています。それだけこの大学が持つ権威もまた一味違うということが分かります。

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イギリスの大学評価機関が実施しているQSランキングという大学の資金力や教育に関する評価がありますが、このラ・サピエンツァ大学は、意外にも171位となっています。現在のイタリアの経済力を反映しているからか凋落も激しいのかと推測されますが、日本からはやはり、東京大学、京都大学、大阪大学、東北大学と言った名だたる大学がトップ100以内にランクインされています。

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【注意】ローマ・ラ・サピエンツァ大学構内にある学生寮です。

現在のラ・サピエンツァ大学は、新型コロナウィルス流行中のため、かつてのように開かれた大学として自由に出入りができませんが、近い将来、新型コロナウィルスが収束したらローマの中央駅のテルミニ駅に近い場所にある上に、その屈指の歴史だけではなく、ローマの若者たちの臨場感や生活感をリアルに感じることができるので、ローマ観光の合間にでも立ち寄るのもまた旅の醍醐味とも言えるでしょう。

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筆者

イタリア特派員

田澤 龍太郎

現地でサッカーを中心にしたスポーツ留学サポートや旅行アシスタントやコーディネーター等と現地在住の強みを活かした仕事をしながらどっぷりと濃いローマライフを満喫中。

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