Inglenook Cask 2009

公開日 : 2012年11月12日
最終更新 :
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日頃「ワインに携わっている方」のお宅にお呼ばれとなり、リリースになったばかりらしいですが、"復活・イングルヌック" のご相伴にあずかってきました。

ヘルシンキ生まれの毛皮商人のGustave Niebaum(グスタフ ニーバム)氏が、1879年、フランスから持ち込んだ苗をRutherford(ラザフォード)の地に植え、全米初のボルドースタイルのワイナリー "Inglenook" を設立、1882年に初ビンテージを発売。 ラベルに収穫年号(Vintage) 生産地(Napa)を最初に表示した作り手と言われています。

〜この頃が、カリフォルニアワインの草創期とも言われてます〜

1889年にパリのワールドワインフェアで金メダルを獲得し、ヨーロッパで認められたカリフォルニアワインのヒトツです。  1908年ニーバム氏亡くなり1920年禁酒法施行。  勿論イングルヌックも生産販売禁止となりますが、ダニエルSrは、葡萄畑の手入れは欠かさずしていたそうです。  1937年12月法律は廃止となり、ジョン・ダニエルJrがワイナリを引き継ぎ、近所の友人ロバート・モンダビと二人で、当時主流だった庶民向けのワイン(バルクワイン)じゃなくて上等なワインを作っていこうと紆余曲折。

ダニエルJrによって、再度黄金期を迎えましたが、60年代Heublin Incに買収され、流行の庶民向け "Jug Wine" に方向転換。

ダニエル亡き後、1975年映画 『地獄の黙示録』 の準備頃、Francis Ford Coppola(フランシス・フォード・コッポラ) 監督は、ラザフォードに別荘を買いました。  そこは、かつてのイングルヌック・ヴァインヤード内(畑630ha)。  イタリア系ワインラバーのコッポラ監督、自分ん家用にイタリア品種を植えるつもりが、近所のロバート・モンダビに助言や励ましをうけ "イングルヌック復活" に取り組みはじめました。  創業者にちなんで『Niebaum-Coppla Estate』 とし、 "賽"は、投げられた!  分散していた畑の買い戻しオリジナルの畑を再現に尽力。  コッポラ監督自身のワイナリーがオープンした2010年 『Rubicon Estate』 と改名です。  

昨年4月ザ・ワイン・グループ(TWG)が所有していた商標権 欲しかった名称 "Inglenook" の買い戻しも完了。

再生後初ビンテージ、イングルヌック・カスク2009‥ カリフォルニアワインの歴史的な事。  ルビコンエステートは、2008年で終止符となったのか?  って言う事は、値上がりしてるんだろうねぇ〜。 と妙な勘ぐりとニーバム氏の思いとコッポラ監督の復興にかけた思いの深〜い味わい、Cheers! 

Inglenookは、フィンランド語で、ちょっと外れた所、大きな部屋の隅ににるような "炉辺"。  Nybom を Niebaum に改名しています。

このワイナリーは、パブリックワイナリーです。  ナパに出向いた際は、お立ち寄りください。  きっと、思い出に残るワイナリーのヒトツになると思います☆

筆者

アメリカ・カリフォルニア州特派員

美丸(Mimaru)

サンフランシスコ在住ビアジャーナリスト。全米のクラフトビール探求の日々、訪問したブルワリー、タップルーム情報は随時投稿。

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