通訳さんこぼれ話  実業家の一言"貴方は英語ができるんです"

公開日 : 2017年12月08日
最終更新 :
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通訳用レシーバーキット。

昨日1日通訳さんと若き日本の社長さん達とシリコンバレーを回った。

そこで見聞きしたこぼれ話三面記事みたいかもかもかも...?

ビビる事ない基本的日常英会話、そしてリーダーって?

同時通訳・逐次通訳という仕事

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語学を生かした職業の一つに"通訳" がある。 通訳にはざっくり同時通訳と逐次通訳に分けられる。

同時通話は、英語のスピーカーと同時進行で日本語に訳すあるいはその逆だったり。 逐次通訳というのが英語スピーカーがある程度話してそれを日本語に訳していく。

"自称英語ができない人" (本人が英語わかりませんと宣言しちゃった人)と行動を共にするとお店やレストランその他英会話の場面で間に入って会話を成立させる役目も逐次通訳。

通訳も一般的な通訳お買い物や日常的な会話を訳す場合(Bクラス)専門用語を盛り込んだ通訳業務(Aクラス:医学、建築、経済、ITなど専門分野に分かれる) 更に専門性の高いSクラスというものが存在する。 

どっちが大変?

会議の合間に、その同通&逐次通訳さんがどっちが大変かと話をしていた。 逐次通訳さん「逐次の場合は一瞬頭で整理できるので瞬時に次の会話が想像できるが、同時はその瞬間もなく反射的に言葉が出てこなければならないから大変だ」と言う。 同時通訳さんは「逐次の場合はある程度の長い文章を訳すのでメモをとったりする場合などは記憶力がないと困難だ」同時の場合は言ってる事をそのまま訳すから会話を覚えていな事もあるそうだ。 そして英語は最初に重要な事を言うので英語から日本は同時通訳、また日本語は話の最後まで聞かないと分からない事があるので逐次通訳の方がやりやすいと共通の考えだった。 「人の話は最後まで聞きなさい!」言われませんでしたか?日本語はまさにその通りなんだね。

反射的に通訳できちゃう能力。 ある程度記憶力が必要な場合。 

専門特殊技能でもそんな違いがあるとは知らなんだ。

通訳をするにあたり皆さん最も時間を割くのが会議の内容・下調べだ。 重要な会議になればなるほど専門性が問われるような内容なればなるほどその時間は重要で、同時通訳と言っても事前に調べられる事は調べておく。 担当のスピーカーの別のスピーチを見て使っている表現の癖を勉強しておく。 例えば、マーク・ザッカバーグ氏のスピーチを見てよく使う言い回しや単語をおさえておくとか。 段取りがいかにきちんとできているかで当日の通訳がどれだけ正確にできるか変わってくる。 しかし、会議の内容によっては当日まで知られたくない事もあるので、医者弁護士さん等と同じく "守秘義務" として契約を取り交わす。

国際会議、企業間の交渉様々な専門分野で活躍する通訳さんが最も難しいと言うのが、外交用語 「極めて遺憾で最も強い表現で避難したい」 こりゃ日本語でも難しいのを外国語に変えるのだから胸中お察しいたします。

通訳って華やかな職業だけど、段取りが重要なあたりは料理の世界と一緒で下準備がいかに良いかで全てのパフォーマンスが決まる。 某シェフも全く同じこと言っていたのを思い出した。

社長という名の肩書きと社長言う名のリーダー

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シリコンバレー某レストランの可愛いいお茶のティーバッグ。

通訳さん達のリラックスタイムでのこぼれ話と感じた事

若手企業家・起業家さんと案内人の方と同じ車両で各社訪問したネクタイ姿はなく案内役も参加者もよく分からない服装と年代。 最後に乗り込んで必ず「お願いします」降りる時「ありがとうございます」と言う方がいた。 そして通訳さん達にもきちんと敬意を払って労を労ってくれる。 運転手さんにコースを少し変えて欲しい時「すみませんが〜〜お願いできますか?」と敬語。 「悪いんだけどぉ〜〜やってくれる?」お茶目な頼み方もできる。 誰よりもフットワークが軽く指示も丁寧で素早く何と有能なそっくり秘書さんかと思ったら、実は本人だった日本人実業家が案内役だった。 車内で「少々の文法の間違いや発音なんて気にしなくていいよ。 アメリカ生まれのCEOどれだけいますか? 外国生まれで外国育ちのお国訛りの聞き取りにくい英語でもきちんとビジネスを成功させられるんですよ、言ってることが分からなければまた聞けばいいんです。」と笑い話も交えて言っていた。 シリコンバレーでアメリカ生まれアメリカ育ちは少数派、10人いればパスポート10種類あるようなエリアだ。

その後の訪問先カタカナ発音炸裂の質疑応答が始まった。 日本英語対インド英語 日本英語に対しても真摯に答えるインド英語。 ディスカッションが進むにつれてどんどん日本英語が湧いてでてくる。 やればできんじゃん!もっと行け行け〜〜みたいに観戦してた。 こんなこと言える立場ではないが、英語ができないと言うより間違ったら恥ずかしいと思っている人がほとんどみたいだった。 担当した通訳さんが「インド英語の文法や日本英語の理解も100%ではないけどひと昔(シリコンバレーじゃ3年前)に比べて気にせずどんどん英語で話すようになっています、近いうち私たちは必要なくなるんでしょうね」と言っていた。 リードするところフォローするところの按配、大成功を収めている実業家の背中を見て更に若き起業家がどんどん生まれて欲しいと思う。

社長という肩書きと社長という名のリーダー...

インド英語に打ち勝った若き社長さん達これからのご活躍お祈りしています。       

今日はちょっとずらずらと書いてしまいましたが、世界的レベルの通訳さんと行動を共に日本を代表する実業家のこぼれ話、棚ぼたでいろんな意味の勇気のおすそ分けをもらった。

「私英語ができないのでホテルで通訳してください」と空港からスーツケース転がして来た方が言った。 じゃ、どうやってユナイテッド航空に乗ってサンフランシスコ空港からバートでパウエル駅まで来れたのですか?  いいえ、貴方は英語ができるんです^ ^ 

筆者

アメリカ・カリフォルニア州特派員

美丸(Mimaru)

サンフランシスコ在住ビアジャーナリスト。全米のクラフトビール探求の日々、訪問したブルワリー、タップルーム情報は随時投稿。

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